長谷川慶太郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
・電炉は日本が世界に誇る方式。鋼1トンが銑鋼一貫方式に比べ、1/5のエネルギーで済む。国内の鉄鋼在庫30億トン20年でリサイクルしていけば、年1億5千万トンで、鉄鉱石を買わずに済む。
・自動車用鋼板が電炉でできれば、上記のことが起こりうる。それには脱 銅の進歩が必要
・新日鉄は合併の際、余分になった高炉を一本生体解剖した。(巻き替え→吹きどめのプロセスでなく、停止させた)これによって、豊富なデータが得られ、技術力が格段に進歩した。
・半導体の初期の技術者はほとんど海軍技研出身。レーダー技術の遅れで敗戦した悔しさ
・窒素ガリウムはLED電球の基礎素材であり、IGBTと呼ばれるパワー半 導体の基礎素材でもある。IGBTはSiCに比べ低コスト
その他にも超電導ケーブルや燃料電池など、話題の先端技術について知ることができ、とても楽しく読めた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ長谷川慶太郎さんの遺作。
気になったところは、
・習近平政権は、汚職撲滅で政府高官や軍関係者の粛清を行っているがドンである江沢民を逮捕する可能性もあり得る。自分の方針に従わない権力者を汚職撲滅という武器を使って排除する理由は、「中国の民主化」にあるという。中国が共産党を捨てて民主化しようとすれば、既得権者達が習近平の排除に動くのだとか。汚職にまみれた国家は衰退する。自由で民主的な体制が国を発展させると考え、習近平は権力を集中させている。
・習近平は、人民解放軍をコントロール出来ていない。インドのモディ首相との会談中に国境でインド軍と衝突したのは人民解放軍の身勝手によるもので、南シナ海の軍事拠点化も軍による独走である。また、尖閣諸島の海域で警備行動を展開したり、防空識別圏を設定したのも軍によるものだそうだ。それに、陸軍は軍区同士の結束はなく政府が空軍、海軍に力を入れているため不満が募っている。海軍は艦隊ごとで軍功を競っていて合同訓練を行っていないなど、それぞれが軍功のために動いていて統制が取れていないという。
・著者は、中国は近い将来、7つの軍区ごとに国家が分裂すると予想している。そして、分裂した7カ国が援助を要請してくるから日本は応じてはならないという。応じると戦争に巻き込まれるからだ。
・中国には、北朝鮮崩壊後の面倒を見る余裕はないという。米中間で崩壊後のシナリオは出来ているが、朝鮮半島が統一した際には混乱が起こり、コストも膨大になり東西ドイツ統合の比ではないことが予想されている。
この本を最後に長谷川慶太郎さんの本が読めないのは残念である。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本書の刊行は2003年なので、書いてあることはかなり古い。
著者の予測では、2008年の北京オリンピックまでに中国の一党独裁は終焉を迎え、孤立無援となった北朝鮮は崩壊する…はずだった。
中国は一党独裁のまま自由経済社会になり、北朝鮮という国は相変わらず存在する。
金正日が金正恩に代わったところで、国家のシステムは変わらなかった。
より得体が知れなくなったと言える。
ではこの本は読む価値がないのかというと、そうではない。
2002年の日朝首脳会談で、なぜ金正日が拉致問題を認め謝罪したのか。
そして5人の日本人の一時帰国を認めたのか。
“金正日は、帰国した五名の拉致被害者が自らの決意に基づいて再び北朝鮮に帰国するという状況を前提にしていたことは間違いがない。そして、五名の拉致被害者が北朝鮮に帰国したとき、
金将軍のおかげで日本に二週間行ってまいりましたが、やはり日本より故国(北朝鮮)のほうが、はるかに私たちには住み心地のよい国であると確信して帰ってまいりました」とテレビの記者会見で公言させ、これによって自らの威信と権威を高める一方で、拉致問題が解決したと国際社会に認知させる。”
実際のところはわからないが、さもありなんと思った。
ただし、北朝鮮は中国の支援を失ったら孤立無援とこの本は書いているが、実際は日本が思っているほど北朝鮮は孤独ではない。
欧米に比べたら小国ばかりだが、結構な数の国や地方が北朝鮮と友好関係にある。
反米というつながり。
最近はウクライナと反露で繋がっているらしい。
元々北朝鮮は、地下資源に恵まれた工業地帯だったのだ。
国民の大半が食うや食わずでも、特権階級の人たちが贅沢な暮しをするだけの資産はある。
貧乏を装ってロシアや中国や日本から支援を受けていたのは過去の話。
エリート階級の人たちは海外に留学もしているし、世界の状況くらいちゃんとわかったうえでかけひきを仕掛けてくる。
北朝鮮が見せようとする姿ではなく、見せないどこかに視線を向けないと、きっと真実は見えてこない。
そんなことを考えながら読んだ。 -
Posted by ブクログ
長谷川慶太郎氏は毎年年末にかけて何冊もの本を出版されるので、現時点では最新とは言えないかもしれませんが、今年10月上旬に出された本です。他国と比較しての話だと思いますが、「日本経済は盤石だ」という主張も見ておこうと思い、この本を手に取りました。
今までの本との重複もありますが、西ドイツが東ドイツを敗戦国扱いにして統合したという内容は印象に残りました。韓国が北朝鮮と一緒になる場合の参考になると思いました。また、東ドイツが潰れて二年間でソ連が潰れたのは、北朝鮮と中国の関係に似ていると述べている点は、今後注目していきたいポイントでした。
日本経済が盤石としているのは、日本にはまだ「ものづくり」の根幹である、インフラ技術やロボット技術が強いことがポイントのようでした。このような企業が今後日本を引っ張ってくれると嬉しいです。
また、鉄鉱石をほぼ100%輸入している我が国ですが、すでに25億トンの鉄が日本にあり、それを上手にリサイクルして、電炉で鋼を作れば、鉄鉱石が不要になる解説(p121)は興味深かったです。
以下は気になったポイントです。
・中国では、融資平台による私募債形式での債券発行を禁じたので、省政府の支配・管理下にある事業体が筆頭株主である企業を上海証券取引所に上場させ、その株式を売って資金と作ってきた。株式市場が暴落すると、27の省政府は給与支払い不能となる(p24)
・大同市だけで、入居者がほとんどいないマンションが200箇所もある。ニュータウンは建設・計画中もいれて全国に250箇所もある。入居率が極端に低いマンションは全国で1万棟近くあるだろう(p29)
・2015年になって株価の最高値を更新している銘柄が日本には百数十ある、それは内需関連株である(p42)
・カナダでは、2014年2月に外国人に永住権を与える投資移民プログラムの中止を発表した、2015年1月には香港政府、オーストラリアでも一致時停止した(p47)
・日本政府が持っている大きな財産として、石油がある。国家・民間備蓄併せて、197日分にあたる、8070万キロリットルの原油、石油製品がある。備蓄米は350万トンを超える(p51)
・北朝鮮が潰れれば、今度は中国が崩壊することになる。早ければ2015か、2016年である(p55)
・原子炉の溶接部分をチェックするのは、エックス線装置が必要でこれがないと、イギリスのロイズが保険をかけない。これを製造しているのは、三菱電機のみ(p59)
・インフラ整備のためには、世界銀行(WB)が長い歴史を持っている。(p61)
・世界全体の貿易額は年間18兆ドル、90日の支払い猶予を付けるとすれば、4.5兆ドルの資金が必要となる。これを調達できるのは現時点ではNYのみ(p63)
・人民元をSDR(特別引出権)の構成通貨に加えるかどうかの決定時期は、当初の年内から、2016年9月末以降に延期となった(p64)
・人民元は、1980年には、1元=151円だったが、1994年には、12円(米ドルに対しては、82%下落、円には92%)となった(p66)
・ギリシアでは、ATMからの現金引き出しは、1日60ユーロ(8286円)以内に制限された(p74)
・ドイツはユーロを諦めるつもりは無い、ドイツが欧州で覇権を確実にする重要な道具がユーロだから。ドイツはユーロ圏の国をデフォルトさせない(p85)
・東西ドイツの統合の際、統一ドイツは旧東ドイツを敗戦国として扱った、軍隊はもちろん解体、佐官以上は全員クビ、武器もすべて売却、それで海軍を増強したのがインドネシア。(p90)
・八年制の中高一貫校「ギムナジウム」において、統合の際に理系科目を教えていた先生は残ったが、文系科目の先生は全員クビ。外務省は2000人いたが、残れたのは特殊言語を話せた8名のみ(p92、98)
・東西ドイツ統一の際に、旧西ドイツでは左翼が潰されたので、共産党・労働組合・社会民主党もつぶされた。このため賃金決定権が、労働組合から経営側に移り、国際競争力が向上した。フランスは左翼が強くてできなかった(p94)
・ギリシアで公務員があれだけ増えたのは、民間企業が倒産するや、即座に会社を国有化して従業員のポストを守ったから(p95)
・ギリシアの人口は1100万人だが、有権者は990万人、18歳未満の人口が110万人と非常に少なく、少子化が進行している(p96)
・1945年にスデーデン地方がチェコ領になると、そこから250万人以上のドイツ人が追放されたが、すべての財産が没収された。これを恨みに思っているため、チェコはユーロに加盟できない(p100)
・現在のドイツは第四帝国、最初は神聖ローマ帝国(962-1806)、次がビスマルク率いる第二帝国(1871-1918)、第三帝国がヒトラー率いる、ナチス・ドイツ(p103)
・ドイツでは、第四次産業革命を起こそうとしている、第一次が蒸気機関による18世紀のイギリス産業革命、第二次は20世紀初頭、電気エネルギーによるベルトコンベアー、第三次は20世紀後半、コンピュータによる工場自働化、第四次は、通信ネットワークを介した、モノづくり・サービスの高度化(p105)
・日本は、1858年にアメリカと日米修好通商条約(不平等条約)を結んだが、明治政府は同条約を引き継ぎ、1899年日米通商航海条約が発効するまで守り続けた(p111)
・2015年7月、軍艦島、韮山反射炉等、全国八県23か所の「明治日本の産業革命遺産」が世界遺産に登録された(p112)
・逢坂山トンネルが1880年に完成し、これにより、旧東海道線の大津ー京都間が開業した(p114)
・技術輸出から技術輸入を差し引いた2013年の技術貿易収支は、2.8兆円の黒字。
・発明特許出願世界一としている中国は、2013年、日本から5076億円の技術輸入に対して、67億円の輸出(p117)
・日本はもうすぐ鉄鉱石を輸入しなくても済む国になる、鉄鋼在庫がビルや自動車のかたちで、25億トンもある。その在庫を20年で置き換えると、1年あたり1,2億トンの鉄くずが出る。それを電炉で溶かして鋼にすれば鉄鉱石が不要となる(p120)
・トヨタは年間、1.05兆円の研究開発をしている(日本一)が、配当金額:0.6兆円をはるかに上回っている(p124)
・GEは、金融事業の大半を売却して、製造業への回帰を図ると発表した(p129)
・航空機用ジェットエンジンのオーバーホールは、普通2000時間間隔で行われるが、IHI瑞穂工場で行った場合には、3000時間運用可能となる。これが強味である(p133)
・日本メーカは依然として、産業用ロボットの世界シェアのトップを占めている。中国市場では、日本企業が産業用ロボットで50%以上のシェア(p134)
・今世紀一杯は、デフレが続く。その最大の理由は、世界的規模の戦争がないから。戦争が起きないので、モノが減らずにダブつく。モノがだぶついていてインフレになることはありえない(p152)
2015年11月15日作成 -
Posted by ブクログ
私が高校生の時から読み続けている経済評論家、長谷川慶太郎氏の新作本です。ご高齢にも拘わらず、毎月のように出版されているので最新作かどうかわかりませんが、私は先週に本屋で見つけました。
長谷川氏の見立てによれば、今後、日経平均は2万5千円を超える勢いだそうです。この本を読み始めた頃に、中国での株価指数が乱高下しましたが、多分、東京オリンピックの前年辺りまで、上昇基調にあるのでしょうね。
ただし、今回は日経平均が上がると言っても、バブルの頃とは異なって、株価が上がる企業は限定されているということです。今回の本では、特に、買ってはいけない企業を名前を挙げている点が特徴的です。そのうえで推奨もしているので、私にとっては納得感が今までの本よりもありました。
資金に余裕があれば、個別購入もしたいものですが、なかなか子育てをしている現状では難しいかもしれませんが、長谷川氏の考え方だけは理解しておきたいと思いました。
以下は気になったポイントです。
・2015年6月10日現在で、1ドル=123円だが、円キャリートレード(日本の低い金利で円を借り入れ、円よりも金利の高い通貨に替えて、その国の為替債権で投資する)が続くので、円安になるだろう。日本では長期資金は依然としてだぶついていることも一因(p14、16)
・契約時にドル建て代金が決まり、納入時にそのドルを受けとるので、その間に円安が進むと円安差益が転がり込むことになる(p14)
・エーザイは、アルツハイマーの特効薬を持っているので株価は上がるだろう(p16)
・アメリカでは、ピックアップトラック、SUV(多目的スポーツ車)といった大型車の売れ行きが好調、2014年の新車販売台数は、前年比5.9%増加の1652万台で、8年ぶりの高水準(p18)
・日本の株は、重厚長大の企業を中心に押し目買いすればいいだろう。三菱重工、川崎重工、IHI、日立製作所、三菱電機(p20、144)
・リーマンショックで倒産した金融機関の経営者のなかには、金融犯罪に手を染めてしまった者がいて、多くが連邦政府が管理運営する、経済事犯専用の刑務所にいる(p22)
・ロシア外貨準備は3500億ドルを割った、これが2000億ドルを切ると貿易決済ができなくなる。このままでは年内にデフォルトするだろう(p24)
・シェールオイルの採掘コストは、1バレル=70-80ドルと主張していたエコノミストもかつてはいたが、50台まで下がって実際に採掘をやめたのは、能率の悪い老朽化した設備を使っていた中小業者のみ。実は、採掘コストは平均して、1バレル=20ドル。今でも儲かっている(p25)
・通貨ユーロは東西ドイツ統合の代償なので、ドイツは1か国といえども、ユーロから離脱する国を出さないようにしたいと考えている(p33)
・ADB(アジア開発銀行)がアジア諸国に原発の融資を行ってこなかったのは、不良債権になる可能性が高いと判断しているから。中国はWHの原発技術に基づいて、自国の原発技術を蓄積し、それで完成させた中国製原発をアジア諸国に輸出するとが前提になっている(p35)
・1985年に、東西冷戦は間もなく終わる、東側陣営の完全な敗北で、と指摘した。これはソ連が崩壊する6年位前の話。ソ連の傘下にあった衛星国で、技術革新を導入することは許されない状況をみて総括した(p49)
・ロシアは試練(国際市場で通用しない製品をつくっている企業をすべて潰す)をくぐり抜けて初めて、ロシア経済は本格的な再建の道を踏み入れることになる(p51)
・日本の、2%の物価上昇率を目標にすることで「デフレ」を克服する路線は絶対に成功しない、デフレは、大規模な戦争を否定する路線のなかから生まれるから(p52)
・ロシアプーチン大統領は、国際的な基準にあった発言を繰り返してきたが、それを完全に裏切ったのは、2014年3月のクリミア半島侵攻宣言(p53)
・ファナックの株価が上昇した理由は、世界最大の「ロボット」メーカだから、さらに技術水準は誰が見ても世界一(p61)
・日本は1996年から、世界のすべての国に対して、特許の国際貿易で黒字、2014年で、ほぼ2兆円、しかも年間2000-3000億円のペースで増えている(p66)
・研究開発投資の効果はすぐには現れない、日本の場合、第一次石油ショック(1973)後に始めて、効果がでたのは1992年、20年かかる(p67)
・株式投資に必要なのは、1)情勢判断(デフレ、インフレ、その背景)、2)技術水準、従業員の労働力の質、3)流動資産で保有するという原則(現金保有率)を貫けられるか(p70)
・買ってはいけない会社として、東芝、会計処理に問題があり、それを収拾できていない(p79)
・どう考えても安いのは、三菱自動車、2000円を超えることになるだろう、富士重工も高くなるだろう、一方でホンダは3つの大きな失敗をしている、1)中国投資が大きすぎる、2)燃料か電気がどちらを実用化するかの判断の遅れ、3)合理化ができていないので生産コストが高い(p92)
・シチズンのように、資産をすべて捨てる覚悟があれば中国から撤退できる(p96)
・イスラム国をイラクが制圧できないかの理由は、指揮官が部下の給与を1000人分もらった場合、800人分は横領してしまい、軍隊として機能していないから(p120)
・スエズ運河やアメリカ大陸横断鉄道のような大きなプロジェクトができたのは、ロンドンやパリ、ニューヨークの証券取引所に上場して、社債の発行によって資金を得られたから(p129)
・三菱重工も有望、ベンベルク(洋服の裏地に使用する繊維)を生産している繊維メーカは90以上あるが、その製造機械はいまは三菱重工のみ製造(p130)
・発電に使われる石炭ボイラーも三菱重工のみ、今では、福島県の勿来(なこそ)発電所で使われている、客船建造で1000億円の特別損失を出して株価低迷、長期的なら買い銘柄(p132)
・四季報などで、特に重視する情報は、研究開発費・金融収支(キャッシュフローが黒字か)・平均年齢、である(p196)
2015年7月20日作成 -
Posted by ブクログ
高校時代から追いかけていますから、長谷川氏の本はもう30年近く読んでいる事になります。この本は北朝鮮が崩壊すると彼が予告した本です。
この本は北朝鮮を3種の50万トン(無煙炭・原油・穀物)で支援していた中国が面倒を見切れなくなって難民が韓国に押し寄せるだろうというものです。その前に米国は韓国に対して、日本から援助を受けられるように方針を変えるべきだと手を打っている様ですね。
統一については、西ドイツが東ドイツを統一した例も出しながら、韓国がいかに苦労するだろうかという点にも触れられていて大変面白い内容でした。
また、この本で私は初めて、ベルリンの壁が壊されるに至った経緯(p134)を知りました。
以下は気になったポイントです。
・オバマ大統領はクリントン大統領以来、18年ぶりに国賓として来日。尖閣諸島が日米安保条約の適応対象であると米国大統領として始めて明言した(P21)
・中国は朝鮮戦争が終結した年から無償援助(原油・無煙炭・穀物)を年間各々50万トン無償援助していた、それが今年(2014)になって途切れる可能性が高くなってきた(P24)
・20132.12に北朝鮮No.2の、張成沢氏が処刑された。彼は中国人民解放軍「瀋陽軍区」のパイプの層責任者であった、これはそのパイプが切れた事を意味する(p25)
・北朝鮮のノドン発射は、北朝鮮第一書記の命令ではなく、習近平の命令である(p18)
・17回共産党大会(2007)で、共産党が革命政党から国民政党に変わった事により、共産党と人民解放軍との対立は決定的なものになった(p35)
・瀋陽軍区は、系列のシャドーバンキングを救済してもらうために、共産党の命令に従う事にした(p39)
・現在検討に入っている、日米韓での軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が締結されると、韓国は中国と一定の距離を置く必要が生じる(p40)
・北朝鮮に無償提供している原油は大慶油田のもの、蠟分が多くパイプラインで送るには原油をあたためる暖房機器を設置している、ガソリンがなく平壌には車が走っていない(p45)
・北朝鮮の経済が苦しいのは、一番稼いでいた瀋陽軍区に輸出していたレアメタルを日本が輸入しなくなったため。出荷量はピーク時の3分の1程度(p48)
・1965年に日本と韓国が締結した日韓基本条約では、日本が韓国に8億ドルの資金援助・経済協力をするかわりに、韓国は一切の請求権を放棄したとしている(p53)
・日本は米の関税を500%以上にする代わりに、毎年約5000億円を使って70トンのコメを輸入していていて、それが現在5年分(350万トン)溜まっている、これは港にある倉庫に保管されているので船ですぐに輸出できる(p56)
・北朝鮮ではまともに食べられているのは300万人、2000万人以上は飢餓状態、中国からの50万トンがなければ300万人も危ない。北朝鮮からロシアへの労働者は約50万人雇われている、賃金安いのに志願者があるのは、3食付だから(p57)
・日本の原油備蓄量は世界一で120日分(6800万トン)、中国の備蓄は15日分程度(p59)
・上海にあった造船会社が相次いで倒産(6社中3社、隣町の5社は全て)している、造船発注の条件であるシッピングローンが資金提供先のシャドーバンキングが倒産しているから(p65)
・2014年中に中国で混乱がおきる理由として、大量の理財商品の償還(18兆円)が到来する、そしてすべて債務不履行になるため(p67)
・理財商品の残高について、李氏は邦貨換算で340兆円と明らかにしたが、実際は500兆円はあるだろう。これらが投資効率の全く低い、高層マンション・高速鉄道に投資された(p68)
・理財商品でトラブルとなった最初の銀行は邦銀(三菱UFJ、三井住友、みずほ)であり総額は1000億円、なので日本の銀行は理財商品に関する融資は一切受け付けない(p71)
・中国太陽光電池メーカの、太陽能科技が2014.3に予定していた社債の金利支払いができず、中国本土の債券市場で初めてデフォルト案件となった(p73)2014年通年では、理財商品の償還は合計68兆円、不可能と考えられ中国国内では混乱が起きるだろう(p75)
・全国に3万社あるシャドーバンキングのうち、2.7万社は倒産するだろう、そしてここから融資を受けていた中小企業300万社が連鎖倒産する可能性が高い。その労働者は約2億人、国有銀行は国有企業にのみ融資していた(p76)
・米国債はいつでも換金できる優良資産、現在1.3兆ドルあるが、いまでは1.2兆ドルまで減少している、人民元の売りを米国債を売却した資金で買い支えている(p88)
・円安がスムースにいったのは、米国債を日本が積極的に(中国に代わって)購入するとしたから(p89)
・人民元が国際通貨になれない理由、2012年における国際貿易の年間総額17兆ドルの決済は全て米ドル、90日の期限付き手形をつけるために4.25兆ドルのキャッシュが必要。これをもっているのはニューヨークにしかない(p90)
・日本の三大銀行には世界中の超一流企業のトップが殺到している、世界の資金供給源は日本の3大銀行しかないので、そのカネを融資する原資は日本国債、2013.10以降で40-43兆円にのぼる、それを売っても相場が崩れないのは、地方銀行と年金法人(GPIF)が買っているから(p100)
・日本では公害抑制がうまくいったが中国ではうまくいかない、儲けが全ての拝金主義とノルマ主義なので、公害防止装置を稼動すればメンテナンスがかかるが、維持費を捻出できないので動かさない(p119)
・北朝鮮と中国の崩壊は、1989.11.9にベルリンの壁が崩壊したのと同じような経過をたどるだろう、ハンガリーがオーストリアとの国境にあった鉄条網を撤去した事(1989.5)から始まった。東ドイツ→ハンガリー→オーストリア経由で西ドイツに亡命した。11.9に東ドイツ国民に大幅な旅行許可書発行規制を緩和して事実上の旅行自由化となり、人々は壁に集まって破壊した(p133、134)
・最初にハンガリーから亡命したのは、医師・看護婦・鉄道の機関手、その補充をソ連のゴルバチョフに依頼したが断られた(p135)
・西ドイツは東ドイツを敗戦国として扱った、東ドイツ軍は左官以上の将校はみんな退役、兵器・軍艦はすべて没収して売却、理系教授は残したが文系教授はすべてクビ、外務省にいた2000人のうち残れたのは8名、特殊能力を持っていたから(p137)
・米国保有の空母6隻のうち、東アジアで3隻も行動している、これらの空母がアジアで使用できるドックは、横須賀第六、佐世保第4の2つだけ、それがなければサンディエゴまで帰る必要がある。これが米国が中国から日本を守る理由(p148)
・オスプレイ配備は2013.9には24機となった、航続距離3900キロ(CH46:700キロ)、輸送兵員数は倍の24名(p149)
・天津近くの農村から北京に出稼ぎに出て都市戸籍を買収しようとすると、天津共産党書記と移住先の両方に買収金を払う必要アリ、約3万元(50万円)で農家の年収(1万元)の3倍、それができない人は農民工として働く、彼らは2億人近くいる(p161)
・共産党が国民をコントロールできるのは、ダンガン(個人の履歴書)制度というシステム(p163)
・戦前の陸軍は徴兵制度であり、新兵教育に17週かかったが現在の志願兵では6週間ですむ(p167)
・防空識別圏のことを中国語では「防空識別区」という、区とは権利があるという意味(p175)
・日本は損害賠償をしないかわりに、ODAでインフラ投資を支援してきた。その総額は3.6兆円、いまでも2011年度で数億ドルの援助をしている(p196)
・日本の年間貿易赤字は10兆円、資本収支が22兆円の黒字、12兆円(1兆円は知財収支)が日本へ入ってきている(p208)
・TPP加盟国で中国を包囲するが中国は何も出来ない、韓国は入っていないので関税に関する情報が一切入らないので韓国は困っている(p211)
2014年6月22日作成 -
ネタバレ 購入済み
日本の技術が世界を救う?!
20年前のバブルのA級戦犯だった筆者が、「バブルは必ずはじけます。」っていうのも面白かったです。バブルが弾けたら、改革開放経済と共産党は瓦解して、7つの人民解放軍軍区が残って群雄割拠されると云うお話。つい先週の北朝鮮の動きは筆者の見識の正しさを証明してるのかも。
-
Posted by ブクログ
ネタバレシェールガスのもたらす恩恵から衰退まで、過去に石炭から石油へのエネルギー転換で起こったことが今回は石油からガスで再び起こると論じている。
内容は、シェールガス革命の背景から紹介されており、将来の事業拡大を見据えた米国メジャーが早い段階から技術投資してようやく実を結んだのがシェールガスである。シェールガスが石油と異なる点は世界中のいたる所に存在していることであり、それ故に資源輸入国であるアメリカが一転して資源大国へ転身できたのである。これは資源輸入国である中国や南米でも輸出国になれること、そして、エネルギー価格の下落に繋がる。
世界中にシェールガス開発が進むとその技術に関わる企業が儲かるという流れで日本の高い技術力が必要となり日本の機械産業(コマツ、重電系)が重宝される。日本にもシェールガス革命は追い風であることは間違いない。ただ、同時に日本の得意とする電池産業や化学産業は逆風となる部分もある。理由は燃料電池車シフトと石油化学製品需要鈍化である。
今後日本が目指すべきは次なるエネルギー資源メタンハイドレードの回収技術確立であろう。イノベーションは起こした国が利益を上げる可能性が高い(必要だから開発するのだが)。アメリカのように長期スパンで次なるエネルギーイノベーションを日本から起こせるよう資源開発に注力していき、資源と技術を兼ねそろえた経済大国へ向かっていかなければならない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレシェール層に高圧水を当ててガスを取り出す。
価格は石油より安く、CO2排出量は40%ダウン。
アメリカの埋蔵量だけでも160年分。
2010年においてアメリカ天然ガス使用量の23%。
10年以内にエネルギー需要の30%を超える。
中国の埋蔵量は世界一だが、内陸にあり、水の供給が困難。
日本にとってシェール革命は追い風。
高圧水やパイプラインのパイプは住友金属製。発電所のタービンはIHI製。コマツ製の大型ダンプとブリジストン製の巨大なタイヤ。
再生可能エネルギーの効率は低い。
日本のメガソーラー計画を最大に実現しても電力需要の1%しかまかなえない。
化石燃料によるビジネスは延命される。
自動車、航空機、ガスタービン火力発電・・・ -
Posted by ブクログ
現在の日本はアベノミクスの真っ最中で、いまにもデフレから脱却しそうな勢いだと思っているのは私の思い過ごしでしょうか。日本がデフレ状態になったのは、バブルがはじけた平成元年頃ですから、私が社会人になってからずっとこの状態が続いていることになります。
確かそのころに長谷川氏が書かれた本に、「このデフレはあと30年続く」と書かれていて、私はインフレを知らないで社会人を過ごすのかを思った遠い記憶があります。この本で長谷川氏は、デフレ経済はさらに30年続くと言っています、デフレではない国が世界中で多くある現代において、日本は進んでいるのかどうかわかりませんが、特別な環境にいるようです。
シェルガス革命によりアメリカは新たな未来があるようですが、ユーロ地域や中国はどうなるのでしょうか。激動が起きる中で、外資系とはいえ日本で勤めている私も、影響を多く受けることは確実なので、多くの意見を咀嚼しながら、社会人生活を続けていきたいと思いました。
以下は気になったポイントです。
・フランス企業が業績を低下させているのは、欧州危機の影響だけではなく、1)労使関係の硬直化、2)経営者が新しいことに取り組もうとしないことにある(p22)
・東ドイツを統合したい西ドイツのコール首相は、フランスのミッテラン大統領に、ドイツがマルクを放棄して、フランスとの共同通貨を用いることを条件に、統合を認めてくれることを提案したので、ドイツのユーロ離脱はありえない(p27)
・ギリシアでは民間企業が破綻するとその企業を国有企業にした、それにより破綻した企業の従業員は国家公務員になった、その結果、ユーロ加盟により彼らの賃金はドイツの8割程度まで上昇した(p33)
・アメリカの石油生産は、シェールオイルを含めると 2017年にサウジアラビアを抜く予定(p42)
・中国にはアメリカを超える世界最大のシェールガス埋蔵量があるとされるが内部の砂漠地帯にあり、取り出すときの水の入手が難しい(p48)
・世界の貿易額は年間約15兆ドル、その決済は90日として3.75兆ドルが必要となるが、それを賄えるのはNYのドル市場のみ(p53)
・日本では、CNG(圧縮天然ガス)車ではないが、タクシーがLPG(液化石油ガス)を使っている。製造しているのは日本の自動車会社のみ、シェールガスは船舶にも利用できるので、船舶用天然ガスエンジンの開発も進められている(p57)
・国有化されたGMでは、従前の労使協約がすべてキャンセルされて、機械工が電気工の仕事ができるようになった、日本では当たり前だが、GMにとっては画期的(p63)
・アメリカ人の生活は自動車なしには考えられない、全米を走行する乗用車は2.3億台、20年間使用するとして、年間1100-1200万台の更新需要が発生する、販売が低迷した期間が4年も続いたので、繰り越し需要が少なくとも2000万台はあるだろう(p66)
・2013年以降、世界経済を牽引するのは、シェールガス革命と自動車市場に支えられたアメリカ経済(p67)
・高速鉄道料金は普通路線の3倍程度で高すぎる、LCCの登場により高速鉄道の優位性も薄れてきた(p87)
・天安門事件は、学生と知識人の運動であったが、今日のデモは「失業者の運動」(p91)
・2012.9.19以降のデモが一気に抑え込まれることになったのは、デモ隊が文化大革命を始めた毛沢東の肖像画を掲げるようになったため(p93)
・中国政府が恐れているのは、デモの勢力と中国人民解放軍が合流して巨大な勢力になること(p94)
・北朝鮮のミサイル発射は、北朝鮮の意向というより、瀋陽軍区の意向(中国政府への恫喝)(p103,104)
・日本には、横須賀第6と佐世保第4の大型ドックがあり、アメリカの原子力空母が修理できる、それがないとアメリカまで帰る必要あり(p114)
・オスプレイは、滑走路が不要、ヘリの状態で庭に着陸、アメリカ人を救出したうえで、高速の飛行機モードにかえて沖縄に戻ってくる(p120)
・サムスンの最大工場(亀尾)は、7兆円の設備のうち4兆円以上が日本からの製造機械の輸入(p127)
・サムスンは重電部門をつくろうとしたが諦めた、1)人材なし、2)クレーンがつくれない、3)体系的な技術力がない(p130)
・日本の綿糸が発展したのは、大阪紡績が世界に先駆けて電灯照明を導入し、それを他産業にも広がったため(p139)
・2011年の技術輸出による受取額は 2.38兆円、支払額は 0.41兆円、差額の約2.0兆円は特許で稼いでいることになる(p144)
・グーグルはモトローラの事業が欲しいわけではなく、アンドロイドを守るための武器として、モトローラが持っている 2.4万件の特許が欲しかった(p146)
・新幹線に乗って揺れを感じないのは、世界最高水準のレール(1メートル80kg)、を使っているから(p152)
2013年4月7日作成