海渡雄一のレビュー一覧

  • 原発訴訟

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    日本の原発の安全基準は世界一厳しい。原発再稼働に関して日本国
    首相の安倍晋三はなんとかの一つ覚えのように言う。

    何がどう厳しいのか。具体的なことは一切言わないのでよく分からない
    のだが、地震列島・火山列島という日本列島に原発を「これでもか」と
    建設し、シビアアクシデントが発生したら国民が厳しい環境下に置か
    れるのは分かる。

    権力を監視するはずのメディアは、福島第一原発の事故が起きるまで
    安全神話の提灯持ちだった。そして、そんな提灯を持っていたのは
    司法も同じだったのが本書を読めば分かる。

    著者は福島みずほ氏のパートナーであり弁護士。30年に渡り原発訴訟
    に係わって来た

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    2017年08月21日
  • 原発訴訟

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    ネタバレ

    本書は「原発訴訟」との表題ながら、科学的知見にも裏づけられた論理構成で、原発における負の総体によく迫りえている、と思われた。

    茨城県東海村にはじまり、すでに50年余にわたる日本の原発だが、当初よりずっとこの国の政治経済システムには強固な原子力推進システムが埋め込まれてきたことを考えれば、原発に対する差止訴訟であれ被害者救済訴訟であれ、それらの闘いは原告側にとって非常に厳しい苦難の道程であったろうことは、法の素人にも容易に察せられる。

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    2011年12月22日
  • 原発訴訟

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    ネタバレ

    原発訴訟を軸に、今までの司法の歴史について述べる。
    裁判所は行政へのおもねりがあり、且つ、さまざまな利権がからむ中、我々はどう行動していくべきか?
    筆者は以下の提言をする。
    1.科学裁判の方式をカンファランス尋問方式=意見を異にする専門家に対して裁判官が同時に証人尋問する=を採用せよ。

    2.環境省の外局として「原子力安全庁」を設置せよ
     ~現在の経済産業省のしたではチェック・バランスがきかない~

    3.再生エネルギーの活用を含めたエネルギー政策を出し住民投票を含めた地方自治体の意思を確認する制度を設けるべき。

    少なくとも3については投票や各政党への働きかけで個人として活動が可能なのではない

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    2015年02月11日
  • 原発訴訟

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    著者は弁護士であるが、原発の説明をかなり詳細に書いているので、原発の仕組みを理解するための基本書である。原発推進が出版したパンフレットを、この本を参考にしながら分析することで、メディア教育のいい教材となる。さらに、この本を参考にした原発災害のメディア作品を作ることもできるであろう。

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    2012年03月15日
  • 原発訴訟

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    原発設置や稼働にまつわる訴訟を軸に、今までの司法の歴史について述べられている。
    地裁で原告勝訴でも高裁や最高裁で敗訴になってしまった例(本書からは最高裁と国の距離の近さを感じる)があるものの、ひとつひとつの訴訟(勝訴でも敗訴でも)が礎となって進んできたという印象を受ける。

    原発をつくることは地方の雇用問題とも密接にリンクしてくるため、一度生活に入り込むと完全になくすことはとても困難なのだと思う。
    それでも訴訟を行う原告の方、弁護士、証人となる専門家の努力を感じた。
    原発関連の疾患の訴訟の難しさが、この国の体制を示しているように感じた。

    原発の安全性について、司法は「危険であることは証明でき

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    2012年01月19日
  • 原発訴訟

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    フクシマについて漠然と「司法の責任」はどうよ・・・・と思っていました。直接的でなくても原告敗訴であり続けたことが、推進者の背中を押していなかったのか…。
    その思いが、この著書を読んで確信に変わった。
    著者自身の生き方、考え方にも共感を覚え、敬意を表したい。

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    2012年01月04日
  • 日本を壊した安倍政権

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     安倍政権について記載されたネット記事のオムニバス版。
     当時まだ著書が出ていなかった鈴木エイト氏の共著ということもあって購入。
     まあ、以前からどちらかというと安倍政権には批判的だったので、ほぼ合点がいく内容ではあります。
     しかし、こういった本が扶桑社から出てるとはね。

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    2022年12月04日
  • 原発訴訟

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    社民党の福島瑞穂議員のパートナーである筆者が30年もの長きにわたった戦い続けた『原発訴訟』の記録をつづった手記です。この問題の根の深さと筆者の粘り強さに感服しつつ、一刻も早い収束を願って止みません。

    僕は筆者が国会議員の福島瑞穂さんのパートナーであることを最後まで知りませんでした。反省することしきりです。それはさておいて、この本は30年にも長きにわたり、もんじゅ。浜岡原発などをはじめとする数々の原発訴訟を手がけ、その軌跡を綴ったものです。

    こういう話を読んでいると、いかに原発の問題が根の深いものであるということを痛感させられます。作中には僕がこの問題について興味を持ったころから読み始めて

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    2012年03月07日
  • 原発訴訟

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     著者は,原発訴訟をライフワークとしてきた日弁連事務総長。熱意がこもっているだけに危険の強調に傾いてて,誤解を招く記述も見られるが,伊方原発訴訟からの日本の原発訴訟の概要がまとまっている。
     やはり地震大国の日本に,53基もの原発を作ってしまったことを大きな問題として追及している。ただ,勝訴はまれで,もんじゅの原子炉設置許可処分の無効確認訴訟での控訴審判決,志賀原発二号炉の運転差止訴訟での地裁判決の二件のみ。いずれものちに逆転敗訴している。
     前半で扱われる原発事故の危険をめぐる話はともかく,ちょっとバイアスがきつかったのは後半部分。労災や脱原発へ向けての課題の箇所。「被曝労働者が労災認定され

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    2012年02月21日