井上薫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
菅家利和さんの無実が確実になった足利事件。
男性にとって決して他人事ではない痴漢冤罪。
これらの悲劇はなぜ起こるのか。
「起訴された刑事事件の有罪率―九九%」という驚くべき数字は、本当に妥当なものなのだろうか。
実は日本の裁判官には、誤判を必然的に生んでしまうある心理傾向が存在する、と著者は指摘する。
元裁判官だからこそ告発しうる冤罪の根源から、日本の司法の「建前」と「現実」の甚だしい乖離が見えてくる。
[ 目次 ]
第1章 有罪率九九%の疑問
第2章 足利事件に見る誤判の原因(足利事件の概要;DNA鑑定の光と影 ほか)
第3章 痴漢冤罪の場合(典型事例で考える;水掛け論でも -
Posted by ブクログ
判決するにあたって不必要な理由を付けることによって様々な弊害が出てくるってことを繰り返し繰り返し述べている本。筆者の考えた例のような案件がいっぱいあるのかと思えば、どっちかっていうと、判決に必要がない裁判官の個人的な考え方までが判決理由に述べられることによって、立法の権限がない司法が出しゃばってきているってかんじの例が多かった。確かにそれも問題だと思ったし、掲載されている新聞記事を見て、筆者の言うように蛇足ばっかりで面白いと思ったけれど、いかんせんこういうパターンばっかりでちょっと飽きた。それに、論理的に原因・結論だけの裁判を実際に臨む人がどれだけいるのかも疑問。クドクドややこしい言葉使って、