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Posted by ブクログ
著者は執筆当時は現役判事でしたが、本書での主張を貫いて退官された元判事の方。裁判による判決の中で、判決の理由には直接関係のない「蛇足」が含まれることを徹底的に批判しています。英米法では、判決の中でも先例拘束性のある「レシオ・デシデンダイ(ratio decidendi)」と傍論である「オビタ・ディクタ(obiter dictum)」が峻別されていますが、日本の法体系でここまで徹底した議論を展開するのを読んだのは初めてです。ただ、「蛇足」は単なる「蛇足」にとどまらず、裁判の迅速化に反するのみならず、一人歩きをして訴訟制度の歪みを産み出し、民主的コントロールが弱い司法が立法権まで手を出してしまう危惧があるという主張は、ラディカルながらも考えさせられました。惜しむらくは、結論をあまりにも早い段階で提示してしまい、その後は論証を補足していくという構成なので、法曹の書く文章に慣れていない方は、最後まで完読するまでに飽きてしまうかもしれませんね。
Posted by ブクログ
現役裁判官だった人が裁判官の「わがままな判決」に警告した本。法律で人を裁くはずの裁判官が法律を守っていないのに誰にも裁かれない。こんな一般人が考えもしないことが現実に「判決」という形で出されている例が10件紹介されています。
しかも、こうした「しゃべりすぎの判決」が全国紙の一面にでかでかと載る現実。
この本が出されてから反響があったらしく、全国紙のうち読売についてはこの本の指摘の一部を受けて編集方針に取り入れたかのような記事を載せているのを確認しました。他の新聞はどうなんでしょう?
裁判官を裁くのは裁判官、ではなく国会です、ひいては国民ですよ。裁判官も官僚なんだから、エリート意識(本書では「戦前の天皇」の意識と間接的に述べている)を持ちすぎてはだめですよ。という主張が読み取れるのは、判決を書くという仕事をしていた人の話だからこそ伝わってきました。
憲法解釈としては司法消極主義ですね。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
現役判事が司法の抱える問題点を鋭く突く。
不要に原告を疲弊させ、理不尽に被告を傷つけ、無駄に裁判を遅延させる「蛇足」の正体とは何か。
戦後補償訴訟、中国人の強制連行、ロッキード事件、ロス疑惑、「悪魔ちゃん」事件など、現実の裁判を例にあげて蛇足の弊害を明らかにする。
まったく新しい視点から裁判を論じた画期的な提言。
裁判を見る目が一変すること間違いなし。
[ 目次 ]
第1章 晴らすことのできない濡れ衣(すわ、殺人事件発生;損害賠償請求訴訟提起さる ほか)
第2章 判決理由とは何か?(話題にすること自体に意義がある;理由とは何か? ほか)
第3章 饒舌禍の実例(ロス疑惑(実例1)
中国人の強制連行(実例2) ほか)
第4章 蛇足の弊害(当事者のマイナス;裁判所のマイナス ほか)
第5章 打開策はあるか(裁判所内で;法曹全体での打開策 ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
判決するにあたって不必要な理由を付けることによって様々な弊害が出てくるってことを繰り返し繰り返し述べている本。筆者の考えた例のような案件がいっぱいあるのかと思えば、どっちかっていうと、判決に必要がない裁判官の個人的な考え方までが判決理由に述べられることによって、立法の権限がない司法が出しゃばってきているってかんじの例が多かった。確かにそれも問題だと思ったし、掲載されている新聞記事を見て、筆者の言うように蛇足ばっかりで面白いと思ったけれど、いかんせんこういうパターンばっかりでちょっと飽きた。それに、論理的に原因・結論だけの裁判を実際に臨む人がどれだけいるのかも疑問。クドクドややこしい言葉使って、図なんかも使っちゃってるけれど、内容的には繰り返しだし、そんなに濃い内容じゃない。
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