セローが急ブレーキかけた時、「キュカカッ」って音立てて、ロック気味にタイヤ滑らせるのがすっごい好き。
…明らかのそこがメインじゃないんだけども(苦笑
人っ子一人いない終末を、少女2人がバイクでツーリングする話。
文明の明かりが無い世界は暗闇と静寂に満ちていて……と言いたいところですが、意外と明る
...続きを読むく賑やかな感じ。
主人公、ヨーコとアイリがのんびり楽し気に旅をしているからでしょうか。それとも、カモメや猪、魚といった動物や、風や波といった人以外の息遣いが満ち満ちているから?
それは見覚えがあるけれど、私が知っている世界とは決定的に違うもので…どうしようもない空虚感を覚えずにはいられません。
女の子たちの可愛さに胡麻化されそうになりますが、世界は結構容赦がありません。
文明の残り香は暴走し、自然は牙を剥き…静かに放射線量は危険域。
それでも、ただ「知らないものに出会いたい」という好奇心だけでアクセルを開けれるヨーコ達の純粋さが単純に心地良いのです。
あと、兎に角描写が凄い。
遠くない未来の人がいない世界、としてのリアリティ。
崩れたビル、錆びた橋脚、緑に呑まれた道路…。
と言った、風景もさることながら、セローの挙動やヨーコたちの動き、表情の目まぐるしさが事細かに描かれていて、それが生命力、終末世界を生き抜く説得力のように感じられるのです。
セローで走る二人の髪や服のすそがなびいてるとことか素晴らしいと思いますね。
あと、アイリのプラズマ発射シーケンスがシンプルにかっこいい。
この辺、男の子大好き要素ですね。
…きっと、世界はこのまま終わるのだろうけれど、きっと、それでも楽しく生きていける、って思える話。