田中彩子のレビュー一覧

  • 石の神

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    小学生の時に司書さんからお薦めされて読んだ本。石彫の描写がちゃんと石彫の触感を伝えてくる。すごいと思った。

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    2020年02月06日
  • 石の神

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    村の境で村人を守る役割を課せられながらも村に入ることを許されず不当な扱いを受けていた男たち。その長であった権平爺は幼い捨蔵を自分たちから引き離すことを選択するも、捨蔵は納得がいかず一人逃げ出し放浪することになる。
    石屋「大江屋」で石工をめざし修行に励む寛次郎は、兄弟子たちのもと一番下として下積みに明け暮れる日々だった。親方はある日、ひとりの弟子を連れてくる。彼の名は申吉――名前を伏せた捨蔵だった。

    仕事の呑み込みは早いがとにかく愛想のない申吉。型にはまらない天性の才を垣間見せるも、本気で取り組む姿勢を見せない。一人前の石工を目指す寛次郎はそんな申吉に困惑しつつも、彼の持つ非凡な才能と背負った

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    2017年12月02日
  • 石の神

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    天狗ノオトに続き…
    素晴らしすぎる!!これ、児童文学?
    大人が読んでも読み応え充分よ!
    子供も、ちゃ~んと味わうんだろぉな。
    うん。味わえる。
    子供を舐めてない子の感じ、ホント凄い。
    感動~~!!

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    2015年09月15日
  • 天狗ノオト

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    ネタバレ

    まずこれが児童書なのか、という一言。
    児童書という枠を越えて心に響くものがこの作品にはあります。
    何気なく手にとった作品だったのですが、ちょっと巧く言葉に出来ない位にとても良かったです。
    この作品に巡りあえたことをただただ幸せに思う。
    土地に残る天狗伝説をモチーフに描かれる上質で極めて日本的な和風ファンタジー。
    作品世界の境界の揺らぎを肌で感じるようです。
    情景が浮かぶような丁寧な描写も勿論のこと、行間から訴えかけてくる語られない部分も奥深い味わいを残す。
    普段児童書は手に取らないよ、という方にも是非お薦めしたいです。

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    2013年12月21日
  • 天狗ノオト

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    勧められて読んだ本。帯に児童文学ファンタジー大賞奨励賞とあるのだが、児童で括るのはもったいない。
    とても面白かったし、濃い。
    山の麓で育ったので、山のお話は画が浮かんできて楽しい。
    久々のグイグイと読んだ本。

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    2013年07月21日
  • 天狗ノオト

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    亡くなったじいちゃんの日記に書かれていた言葉「天狗ニアフ」。じいちゃんは本当に天狗に会ったのだろうか。半信半疑で調べ始めたぼくは、思いがけないものに巡り合う。それは天狗に出会ったじいちゃんが天狗の話をかきとめたノートだった。
    昔の話を調べているはずが、いつのまにか現在の自分たちまでまきこまれていく。緊張感のある展開で最後まで一気に読ませる物語。文章も巧みでわかりやすい。

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    2013年07月22日
  • 石の神

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    石工という職人の世界で生きる二人の少年を描く。
    厳しい職人の世界、貧しさや村外への差別、そして不可思議な存在を交えつつ、青少年の不安定な精神世界や人間関係を描いている。
    硬い石に向かって、ひたすら鑿をふるう。その姿と重なって、心にぐっと突き刺さってくる。
    相手を意識せずには居られない。分からないけれど分かってしまう。そんな存在と出会えることは、例え苦しくとも、ものを生み出す人にとっては、最良の人生になるのだろう。
    一筋縄ではいかない回りの大人たちにもドラマがあり人間味がある。
    『天狗ノオト』も良かったし、結構好きな作家かも。寡作なのが少し残念。

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    2020年10月06日
  • 天狗ノオト

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    ネタバレ

    良かったです。ですが私の読み方が甘いのもあるかもしれないが、伏線の印象が薄すぎて、いまいちすぐに理解ができなかったり…プールの下りは物語として必要性があったのか疑問も残ります。でも、この当たり前の日常の中に、気づきもしないうちに天狗が何事もないように、同じ時を人間とは違う世を天狗は生きているということなんだろう。これこそファンタジーの醍醐味だとも言えるので、この伏線の薄さも私たちが天狗に気付かないだけで、それに気づいたタモたちはファンタジーの扉を開けたとも言えるよね。それは一部の人にしか体験できないこと。夢が….あるよね…❤️これこそ、ファンタジー好きの理想とも言えるな…

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    2017年11月20日
  • 天狗ノオト

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    かなり良質なファンタジーで、児童書ながらとても楽しめました。特に天狗の語り部分は、上橋菜穂子『守り人シリーズ』を連想させるような緻密で情感あふれた描写で素晴らしい。現代編では神秘的な山の恐ろしさに背筋が凍りました。引き込まれ夢中になります。自分の住む街にも、ほんの昔には天狗が跋扈していたかも知れない。今でもひっそりとその辺で暮らしているかもしれない。この本は子どもに読ませるだけでは勿体ないです。大人向けに文庫化すべき。それにしても私、天狗とか烏とか好きすぎる。

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    2016年10月11日
  • 天狗ノオト

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    以前からちょっと気になっていた作品。
    丁度良い機会なので、読んでみた。

    第2章を中心とした物語だけで成立させていたも十分なところに、第3・4章を加え、今という時代を描き込んだところが、新しい。

    かつて天狗が住んだ奥深い山は、今や開けた平地で、普通に村が存在し、少年たちが暮らしているという現実。
    山奥のさらに奥にあった洞が、人が暮らしているすぐそこに存在しているという現実。
    なんて罪深い。

    保と木三太、主人公が冷静な子供だという点が、冒険譚のはずのこの物語を静かなものにしている。

    天狗とは、人とは、巣とは、山とは、生とは、何なのか。
    私たちが生きているこの場所は、何なのか。
    そんなことを

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    2016年08月14日
  • 天狗ノオト

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    おじいちゃんが会った天狗の真相を探る子どもたち。
    過去の天狗のはなしが、現代も繋がっていた。
    生命の起源、森の神秘など、ちょっと難解でした。

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    2015年10月17日
  • 石の神

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    創作童話ではなく小説だなー。
    タイトル通り石の神と石にまつろう話ではあるのだけど、それよりも人間関係の色合いが濃い。
    ともすれば陰惨に映る背景が、主人公の未熟な色合いで薄められひたむきさを強く感じた。

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    2015年06月20日
  • 天狗ノオト

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    ネタバレ

    死んだじいちゃんの日記に記された謎の一文。
    `天狗ニアフ`
    ・・・天狗に会う?
    あまり知らなかったじいちゃんの事だけど、日記に書かれた事について、ぼく(保。小6。通称タモ)は、心にひっかかった。
    保たちの住んでいる地方には、千吉天狗の伝説がある。
    そして、友達の哲也(天狗を信じたほうが面白いと思っている)と優人(現実主義だが恐がり)、そして川野あかり(高学年になってなんとなく離れがちになっていた幼なじみ)とともに、天狗のことを調べてみる。

    小6設定だけど、しっかり読み応えのある和風ファンタジー。天狗達の生き方、天狗になる者、そして天狗達が守るもの・・・
    保のいる現代と、じぃちゃんが出会った天

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    2014年08月10日
  • 石の神

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    申吉についていたものは、何だったのだろう。
    助けたのは、誰だったんだろう。
    不思議な世界を不思議なままに受け入れるのが本当かもしれないが、疑問が残ってしまったのが正直なところ。
    それでも、作者の筆力で終わりまでグイグイ引っ張られるように読みました。

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    2014年07月09日
  • 天狗ノオト

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    静かに森の中に潜っていくような気持ちになる本だった。

    子供向けの本にしては読み応えがあって良かった。

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    2013年12月07日
  • 天狗ノオト

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    間に入っている「ノオト」の天狗の話が長くて少し疲れたけど、この本の軸になっている話なのであきらめず読みました。

    後半で現在と「ノオト」のことが繋がったときの感動というのか、驚きというのか、この瞬間が大好きでした(^з^)-☆
    最後まで読んで良かった♪♪♪

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    2013年09月03日
  • 天狗ノオト

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    死んだ祖父の日記にあった「天狗ニアフ」の一行が気になり、祖父の書いたノートを探し出す主人公。
    祖父のノートに書かれている、天狗になりきれない木三太を中心とした物語部分が人間臭くてイイ。
    けっこうボリュームあるし、子どもより大人の方が楽しめそう。

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    2013年07月16日
  • 天狗ノオト

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    タモがじいちゃんの代わりに木三太たちを見届けてあげれてよかった

    なんで全てが繋がった時にタモが吐き気を催したのか不思議、そういうもんなんだろうか

    子供たちの口調が大人びすぎててその子供らしい行動とのギャップに少し違和感感じて逆に面白かったタモの家庭内での振る舞い方がいじらしい素直に生きて欲しいなぁと思ったり

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    2022年04月29日
  • 天狗ノオト

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    ネタバレ

    何人も読友さんが読んで絶賛してたので。ファンタジーは得意分野ではないので、読み始めてこれはだめかもと思ったけど、おじいさんのノートを読み終えたあたりからはのめり込んで読んだ。
    児童文学となってるけど大人が読んでも読み応えあり。
    山にこんな存在がいてもちっともおかしくないと思う。会いたいわけじゃないけどいて欲しい。ファンタジー苦手でもこういう存在は信じるタイプです。

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    2017年05月23日
  • 石の神

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    兄弟子に殴られるのは日常茶飯事、仕事は教えてもらうものではなく見て盗むもの。そんな石工職人の話。石神を憎み、蹴りつけ、引き倒した捨吉。その時から彼の中には牙を剥いた神が巣くったのだろうか。児童書っぽくない児童書。

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    2015年12月29日