あらすじ
偶然開いた祖父の日記から「天狗ノオト」の存在を知った保。祖父はこの山で何を見たのか?──過去と現在、山里と異界、人と天狗が織りなす壮大なファンタジー。
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Posted by ブクログ
まずこれが児童書なのか、という一言。
児童書という枠を越えて心に響くものがこの作品にはあります。
何気なく手にとった作品だったのですが、ちょっと巧く言葉に出来ない位にとても良かったです。
この作品に巡りあえたことをただただ幸せに思う。
土地に残る天狗伝説をモチーフに描かれる上質で極めて日本的な和風ファンタジー。
作品世界の境界の揺らぎを肌で感じるようです。
情景が浮かぶような丁寧な描写も勿論のこと、行間から訴えかけてくる語られない部分も奥深い味わいを残す。
普段児童書は手に取らないよ、という方にも是非お薦めしたいです。
Posted by ブクログ
勧められて読んだ本。帯に児童文学ファンタジー大賞奨励賞とあるのだが、児童で括るのはもったいない。
とても面白かったし、濃い。
山の麓で育ったので、山のお話は画が浮かんできて楽しい。
久々のグイグイと読んだ本。
Posted by ブクログ
亡くなったじいちゃんの日記に書かれていた言葉「天狗ニアフ」。じいちゃんは本当に天狗に会ったのだろうか。半信半疑で調べ始めたぼくは、思いがけないものに巡り合う。それは天狗に出会ったじいちゃんが天狗の話をかきとめたノートだった。
昔の話を調べているはずが、いつのまにか現在の自分たちまでまきこまれていく。緊張感のある展開で最後まで一気に読ませる物語。文章も巧みでわかりやすい。
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良かったです。ですが私の読み方が甘いのもあるかもしれないが、伏線の印象が薄すぎて、いまいちすぐに理解ができなかったり…プールの下りは物語として必要性があったのか疑問も残ります。でも、この当たり前の日常の中に、気づきもしないうちに天狗が何事もないように、同じ時を人間とは違う世を天狗は生きているということなんだろう。これこそファンタジーの醍醐味だとも言えるので、この伏線の薄さも私たちが天狗に気付かないだけで、それに気づいたタモたちはファンタジーの扉を開けたとも言えるよね。それは一部の人にしか体験できないこと。夢が….あるよね…❤️これこそ、ファンタジー好きの理想とも言えるな…
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かなり良質なファンタジーで、児童書ながらとても楽しめました。特に天狗の語り部分は、上橋菜穂子『守り人シリーズ』を連想させるような緻密で情感あふれた描写で素晴らしい。現代編では神秘的な山の恐ろしさに背筋が凍りました。引き込まれ夢中になります。自分の住む街にも、ほんの昔には天狗が跋扈していたかも知れない。今でもひっそりとその辺で暮らしているかもしれない。この本は子どもに読ませるだけでは勿体ないです。大人向けに文庫化すべき。それにしても私、天狗とか烏とか好きすぎる。
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以前からちょっと気になっていた作品。
丁度良い機会なので、読んでみた。
第2章を中心とした物語だけで成立させていたも十分なところに、第3・4章を加え、今という時代を描き込んだところが、新しい。
かつて天狗が住んだ奥深い山は、今や開けた平地で、普通に村が存在し、少年たちが暮らしているという現実。
山奥のさらに奥にあった洞が、人が暮らしているすぐそこに存在しているという現実。
なんて罪深い。
保と木三太、主人公が冷静な子供だという点が、冒険譚のはずのこの物語を静かなものにしている。
天狗とは、人とは、巣とは、山とは、生とは、何なのか。
私たちが生きているこの場所は、何なのか。
そんなことを考えさせられた。
Posted by ブクログ
死んだじいちゃんの日記に記された謎の一文。
`天狗ニアフ`
・・・天狗に会う?
あまり知らなかったじいちゃんの事だけど、日記に書かれた事について、ぼく(保。小6。通称タモ)は、心にひっかかった。
保たちの住んでいる地方には、千吉天狗の伝説がある。
そして、友達の哲也(天狗を信じたほうが面白いと思っている)と優人(現実主義だが恐がり)、そして川野あかり(高学年になってなんとなく離れがちになっていた幼なじみ)とともに、天狗のことを調べてみる。
小6設定だけど、しっかり読み応えのある和風ファンタジー。天狗達の生き方、天狗になる者、そして天狗達が守るもの・・・
保のいる現代と、じぃちゃんが出会った天狗・木三太(こさんた)の話が、クライマックスで交わってゆく。
自分の住んでいる所に、こんな伝説があったら!
変人と思われていた人たちも、いい味を出しているし、
最初から引き込まれて読める。
Posted by ブクログ
間に入っている「ノオト」の天狗の話が長くて少し疲れたけど、この本の軸になっている話なのであきらめず読みました。
後半で現在と「ノオト」のことが繋がったときの感動というのか、驚きというのか、この瞬間が大好きでした(^з^)-☆
最後まで読んで良かった♪♪♪
Posted by ブクログ
死んだ祖父の日記にあった「天狗ニアフ」の一行が気になり、祖父の書いたノートを探し出す主人公。
祖父のノートに書かれている、天狗になりきれない木三太を中心とした物語部分が人間臭くてイイ。
けっこうボリュームあるし、子どもより大人の方が楽しめそう。
Posted by ブクログ
タモがじいちゃんの代わりに木三太たちを見届けてあげれてよかった
なんで全てが繋がった時にタモが吐き気を催したのか不思議、そういうもんなんだろうか
子供たちの口調が大人びすぎててその子供らしい行動とのギャップに少し違和感感じて逆に面白かったタモの家庭内での振る舞い方がいじらしい素直に生きて欲しいなぁと思ったり
Posted by ブクログ
何人も読友さんが読んで絶賛してたので。ファンタジーは得意分野ではないので、読み始めてこれはだめかもと思ったけど、おじいさんのノートを読み終えたあたりからはのめり込んで読んだ。
児童文学となってるけど大人が読んでも読み応えあり。
山にこんな存在がいてもちっともおかしくないと思う。会いたいわけじゃないけどいて欲しい。ファンタジー苦手でもこういう存在は信じるタイプです。
Posted by ブクログ
死んだ祖父の「天狗にあふ」というノートの一言。天狗の伝説と現代の少年少女との関わり方が良い感じでした。表紙の迫力もありますが、物語のある天狗の生き様の迫力も良かったので、日本のファンタジーもまだまだ読んでない傑作があるんだなぁと、読メでこの本を知る事ができて感謝です