田中敏彦のレビュー一覧

  • 千のプラトー 下 資本主義と分裂症
    「リゾーム」「多様体」「器官なき身体(CsO)」「強度」「顔貌性」「非正確(不正確ではなく)」「存立平面」「戦争機械」「抽象機械」といった数々のD-G用語について、おぼろげながら理解した。

    本の主題は、資本主義と分裂病なのだが、内容は資本主義の分析にとどまらず、「人間」「言語」「国家」「生命」を、...続きを読む
  • 千のプラトー 中 資本主義と分裂症
    記号の発生から、記号を脱したアナーキーな領域の多様性までを語る『千のプラトー』シリーズの中巻。脱記号化と、カオスからの非記号的なものの発生を語るパート。
    単に記号的なものを否定的に語るだけじゃなく、記号そのものの成立と非記号的なものの成立自体を描き出すことによって記号に対して批判的な立場を取るという...続きを読む
  • 千のプラトー 中 資本主義と分裂症
    「生成変化」「リトルネロ」および、既出ではあるが幾度もリロードされアップデートされる「(脱/再)領土(化)」の3つの概念が中巻においては差し当たり極めて重要。その周囲に彼らの独創的ではっとするようなテリトリーがあり、おそらく彼らの予想を越えた含蓄がある(その予感が「文学をひきあいにだしすぎる」と非難...続きを読む
  • 千のプラトー 上 資本主義と分裂症
    序章の「リゾーム」は全体の概観を示す。まずこの小片が書かれて発表され、本書に繋がった。ここだけで「アンチ・オイディプス」とは比較にならないほどの射程と奥行きをもっているのがわかる。新しい語が唐突に用いられるので(リゾーム?脱領土化?器官なき身体?強度?存立平面?)、ごく一般的な生活をしている人には「...続きを読む
  • 千のプラトー 上 資本主義と分裂症
    当時、紙爆弾と呼ばれたインパクトのある、哲学。
    当人たちはポップ哲学とかいっていたけど、
    ポップというより、パンク、
    いやパンクなんかでは表現しきれない、
    爆弾 な 本
  • 千のプラトー 中 資本主義と分裂症
    ついに中が発売!

    僕がこの本を読む理由は、難物にぶつかれという寺山さんの意志をついでいるからなのです。また、カオスから身を守るための哲学としてドゥルーズを利用したいのです。
  • 千のプラトー 上 資本主義と分裂症
    2010/9/6購入

    文庫で出た・・・。ついに。
    戦争機械の武器である情動を動かさないかぎり、私たちの手にある労働の道具が武器へと生成変化することはない。加算的なものであればマジョリティもマイノリティもそこらじゅうに存在する。だが、存在すべきものだけが欠けている。ブラックパンサーが黒人でさえ黒人に...続きを読む
  • 千のプラトー 下 資本主義と分裂症
    かつて、高価で分厚くやたら重いハードカバーのドゥルーズを、こづかいはたいて買っていた身としては、河出文庫で次々と廉価・軽量に発売されていく状況を見て悔しい気持ちがつよい。
    『千のプラトー』だけは買ってなかったので、文庫で購入、早速読んだ。
    面白い。
    ドゥルーズと言えば「ポップ哲学」などと言われたりも...続きを読む
  • 千のプラトー 上 資本主義と分裂症
    田舎の純朴な少年がドゥルーズ=ガタリなんて知るはずもなく、いざ大学に入ってみればそれを当然に読んで議論できる秀才たちはごろごろいて、到底埋まりそうにない格の違いにキャッチアップも早々に諦めて平穏無事に終わった学生生活も今は昔、それを今になって読むというのも感慨深い。

    さて、そのドゥルーズ=ガタリの...続きを読む