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ドゥルーズとガタリによる最大の挑戦にして未だ読み解かれることない比類なき名著。リゾーム、アレンジメント、抽象機械、リトルネロ、戦争機械など新たな概念を創造しつつ、大地と宇宙をつらぬいて生を解き放つ多様体の思考。器官なき身体/存立平面から“機械圏”へ―来たるべき民衆のための巨大な震源。
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Posted by ブクログ
序章の「リゾーム」は全体の概観を示す。まずこの小片が書かれて発表され、本書に繋がった。ここだけで「アンチ・オイディプス」とは比較にならないほどの射程と奥行きをもっているのがわかる。新しい語が唐突に用いられるので(リゾーム?脱領土化?器官なき身体?強度?存立平面?)、ごく一般的な生活をしている人には「...続きを読む浮いている」ので馴染みずらいか。まず書き方に慣れ、全体を通読、あるいは結論意外の章を[「結論だけはおわりに読むべきである」※冒頭の緒言より]好きな順に、開いた順にでもとにかく通読すること。細かい意味はあまり気にせずに、何度か通読して全体に慣れること。そうすると、この書物全体が地図であることがわかる[p18]ので、次は現在地と目的地を確認するだけだ。これが「千のプラトー」の意義、活用法であって、従来の哲学書のイメージを覆す。ほとんどハウツー本。 なぜ、何度か通読する必要があるのかというと、この書物自体が帰結ではなくドゥルーズとガタリの手探り感がある生き生きとした思考の過程そのものの提示であるような、悪く言うと「曖昧な」書き方に貫かれているからだ。例えば、捨てられる、あるいは潜り込んでしまうイメージの概念もたくさんある[「それらを網目組織と呼ぶことにしよう」p25などは、このあとほとんど用いられない]ところ。でもそれは、やっつけ仕事などではなく、序章で示されたように「リゾーム」としての書物だから。言い方は厳密ではないが、「活用してもらう」ことこそ、彼らの願いであったはず。様々な新しい概念のキワが絶妙にぼかされていて、読み手の可変的(可塑的)な解釈を許す(=柔軟性がある)ので、絵画にも近い。
当時、紙爆弾と呼ばれたインパクトのある、哲学。 当人たちはポップ哲学とかいっていたけど、 ポップというより、パンク、 いやパンクなんかでは表現しきれない、 爆弾 な 本
2010/9/6購入 文庫で出た・・・。ついに。 戦争機械の武器である情動を動かさないかぎり、私たちの手にある労働の道具が武器へと生成変化することはない。加算的なものであればマジョリティもマイノリティもそこらじゅうに存在する。だが、存在すべきものだけが欠けている。ブラックパンサーが黒人でさえ黒人に...続きを読むなる必要があるといったように、わたしたちはわたしたちが当のものであるわたしたちに生成変化しなくてはならない。
田舎の純朴な少年がドゥルーズ=ガタリなんて知るはずもなく、いざ大学に入ってみればそれを当然に読んで議論できる秀才たちはごろごろいて、到底埋まりそうにない格の違いにキャッチアップも早々に諦めて平穏無事に終わった学生生活も今は昔、それを今になって読むというのも感慨深い。 さて、そのドゥルーズ=ガタリの...続きを読む「千のプラトー」、副題の「資本主義と分裂症」は前作「アンチ・オイディプス」から引き継いでいるものの、その思想は分裂症分析から大きく離れてあらゆる方向へと広がっていく。広がり蛇行しながらぎりぎりの表現を試みつつより壮大な資本主義分析、資本主義批判が展開される。 それは、変化の哲学であり、より具体的には強度・速度の哲学であり、つまりは微分の哲学。中心を持たないリゾームをはじめとして、システムそのもののダイナミズムこそが思想の核心となる。その過程はコード化ー脱コード化ー超コード化、及び領土化ー脱領土化ー再領土化というプロセス、その背後に存在するメカニズムこそが器官なき身体という欲望の体系。 とにかく特異で強烈な文章ではあるけれど、根っこのとこはマルクスからの系譜を受け継いで、その後の思想の通過点になってるんだってことがよくわかる。 資本主義のダイナミズムという視点はまさにマルクスが抱えていた問題意識の直接の承継。超コード化や再領土化に至るプロセスは形式的には止揚を思い起こさせるが、これもマルクスがヘーゲル左派の影響を受けていたことを考えれば納得感がある。 そして、80年代のニューアカの論者たちが依拠した理論的支柱の一つがドゥルーズ=ガタリだったし、21世紀において超コード化や再領土化の概念はグローバル資本主義と繋がりネグリ=ハートの<帝国>論として結実する。 資本主義批判の文脈からも現代思想の文脈からもドゥルーズ=ガタリを避けて通ることはできないのは間違いない。 と整理してみたものの、まあ、書いてあることの9割がたはわけわからなくて、たぶん一生理解できなさそうなのだが、わからないなりにすごい本だってことだけはわかる。そしてなにより文体の密度や緊張感、どこに連れて行かれるかわからないスリル、そんなものを楽しむだけでも読む価値のある本だと思う。
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千のプラトー
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ジル・ドゥルーズ
フェリックス・ガタリ
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