【感想・ネタバレ】千のプラトー 中 資本主義と分裂症のレビュー

あらすじ

かつてないスタイルで思考の極限を実験し、様々な領野のラディカルな創造を触発してきた驚異の書。中巻では、脱領土化、逃走線、そして生成変化という本書の核心的概念をベースに、顔貌性、秘密、ミクロ政治学、マイナー性などを論じ、あらゆる出来事を連結する存立平面を定義しつつ、宇宙的な力と民衆に開かれるリトルネロ音楽を讃える。

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Posted by ブクログ

記号の発生から、記号を脱したアナーキーな領域の多様性までを語る『千のプラトー』シリーズの中巻。脱記号化と、カオスからの非記号的なものの発生を語るパート。
単に記号的なものを否定的に語るだけじゃなく、記号そのものの成立と非記号的なものの成立自体を描き出すことによって記号に対して批判的な立場を取るというやり口は、ドゥルーズの面白いところ。おそらく、そういう仕方で対象を肯定することこそが、もっとも批判的でありうるのだと思う。寄り添い存在することはそれ自体差異の共存であり、批判的創造的なんだろう。(そうした存在性について述べられるのが下巻)

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2017年06月29日

Posted by ブクログ

「生成変化」「リトルネロ」および、既出ではあるが幾度もリロードされアップデートされる「(脱/再)領土(化)」の3つの概念が中巻においては差し当たり極めて重要。その周囲に彼らの独創的ではっとするようなテリトリーがあり、おそらく彼らの予想を越えた含蓄がある(その予感が「文学をひきあいにだしすぎる」と非難されながらも[上p ]、文学性に近づけた動因ではないだろうか。その美しい表現は、まわりくどく曖昧ないいかただととらえることもできるだろう。しかし、「すべてを曖昧にしておくのは容易だなどと考えないでほしい。」[p64])。

第7-9章は、それらの重要な概念をもちいた実践例。「顔貌性」や「切片性」といった概念は触発される美しい概念ではあるが、周辺機器であり、実践の結果細分化されたもの。ただし、「此性 hecceite」は散発的で短命(※その前後で表立たない)だが、重要[p208「人称や主体、あるいは事物や実体の個体化とはまったく違った個体化の様態がある。われわれはこれを指して<此性>hecceiteと呼ぶことにする。」]。そうはいっても、ひとによって、気分によっては有用性がありうる。

馴染みがないひとは、事前に「原子」「分子」「モル(状)」「質量[料]」「コード(化)」「強度」「速度」などについて調べて、自分なりに考えておくとつまずかない。メタファーに馴れないと翻弄される。こんな絵画的な書物はない。いや、地図的な書物だ。たとえば、「存立平面」「緯度」「経度」といったなぞらえは、「地図化すること」に基づいて理解できる[p207「存立平面の上では、一つの身体はもっぱら経度と緯度によって定義されるのだ。」]。地図はつかうことができる(車のナビ…)。それはリゾームともたとえられる。それが「千のプラトー」全体を貫く原理であり、この書物が目指された姿。

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2012年12月29日

Posted by ブクログ

ついに中が発売!

僕がこの本を読む理由は、難物にぶつかれという寺山さんの意志をついでいるからなのです。また、カオスから身を守るための哲学としてドゥルーズを利用したいのです。

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2011年09月03日

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