ミック・ヘロンのレビュー一覧
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TVドラマを観て、原作を読みたくなって読みました。
イギリスのスパイ機関MI5の落ちこぼれ(Slow horses)が集まるスラウハウス(泥沼の家)、その面々がいつの間にか世間を揺るがす大事件に巻き込まれる話。落ちこぼれが活躍する話は日本人は大好きだと思う。ドラマではよく分からなかったキャサリンと死んだ男性の関係、リヴァーの昇進試験の裏事情とかが描かれていて何とも怖い世界だなぁ、と。スパイだから日常的に裏切り、裏切られるの世界なのかなぁ。そんな中でも、ボスのジャクソン・ラムのSlow horsesたちに対する、表面上は投げやりで冷たいけど、奥底での深い愛情に救われる。
このシリーズは長編8巻、 -
Posted by ブクログ
「遅い馬」シリーズというべきか、「窓際のスパイ」シリーズというべきか、MI5、保安局の左遷組たちと、その長ジャクソン・ラムの活躍を描くシリーズの第3作。
相変わらず保安局内の権力抗争に「遅い馬」たちが巻き込まれる。
遅い馬の良心、母親的役割のキャサリンが何者かに誘拐され、犯人からリヴァー・カートライトに対して保安局=リージェンツ・パークの地下にある書庫から、機密文書を盗み出すように指示が出る。
しかし、実はこの事件こそが保安局の支配を目指す内務大臣ピーター・ジャドが仕組んだもので、外部の会社に委託して保安局のセキュリティ体制を試す「タイガー・チーム」と呼ばれる者たちによる犯行だった。
しかし -
Posted by ブクログ
イギリスの旧MI5は現在は内務省の中の保安局と呼ばれる部門。国内の治安を守るための諜報活動を担当する。
リヴァー・カートライトは保安局の若手エージェント。だが、大きな失敗をしたために、ロンドンの辺鄙な土地にある「泥沼の家」と呼ばれるセクションに左遷される。
「泥沼の家」はリヴァーの様になんらかの失敗をしでかし、免職ができなかった者たちが左遷されてくる溜まり場。そこに属する者たちは「スロー・ホース(のろまな馬)」と呼ばれている。
「泥沼の家」をまとめるのはジャクソン・ラムという男。嘗ては敵国にも潜入していてらしいベテラン・エージェントだったが、今は太鼓腹の中年でデリカシーにも欠けている嫌味な男だ -
Posted by ブクログ
ネタバレ一人の元スパイが心臓発作で死んだ。その死に疑惑を抱く者はいない…ジャクソン・ラム以外は。スパイは死ぬまでスパイだ。スパイが死んだなら、そこには必ず何かがあるはずなのだ。はたせるかな男はメッセージを遺していた。ただ一語“蝉”―それは旧ソ連の幻のスパイにかかわる暗号名だった!ラム率いる“泥沼の家”の落第スパイたちが、動き出す。『窓際のスパイ』に続く会心の痛快作。英国推理作家規会賞ゴールドダガー賞受賞!
あっさりレギュラーが退場したり、「ダイ・ハード」ばりののアクションがあったりと、いろいろな意味で「ひょうひょうと」裏切られる感じ。でも悪くないです。 -
Posted by ブクログ
失敗から閑職に追いやられた落ちこぼれスパイ(遅い馬)たちの活躍を描く第二作目。
今回はかつて英国の下っ端のスパイだった老人が心臓発作を起こしてバス内で無くなったことに端を発し、それが旧ソ連時代、ベルリンの壁崩壊時に生き残る場を探して西側で冬眠することになったKGBスパイの残党(蝉)の捜索に発展していく。
読み終わって振り返ってみると、結構ページ数の多い作品なのだが、最初の半分はほとんど動きがなく、死んだ老スパイの地味な背景調査とロシアの要人警備の話。それでもぐいぐい読ませる。
主要な登場人物、泥沼の家ので長であるジャクソン・ラム、遅い馬の一人リヴァー・カードライト、同じく遅い馬のメンバーであ -
Posted by ブクログ
落ちこぼれの個人やグループが千載一遇のチャンスを機に奮闘、大逆転劇を演じて栄光を勝ち取るという設定は、娯楽映画/小説では常套のため、よほどの新機軸を盛り込まないと「またか」という印象になりかねない。本作は〝泥沼の家〟と揶揄されている英国諜報機関の吹きだまりでくすぶるスパイらの物語。スパイスにユーモアを振りかけることで、ひと味違う仕上がりにはしているが、手掛ける事件そのものが組織内部の汚職という地味なもので、展開も抱腹絶倒とはいかないところが物足りない。主人公の薄い存在感と、アクの強いメンバーの描き分けが中途半端で、多数登場する割りには、個性が際立っていない。
ただ、誰にも増して冴えないリーダー