辻惟雄のレビュー一覧

  • 奇想の系譜 ――又兵衛-国芳

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    ネタバレ

    著者の辻先生について、
    自分が結婚を世話した弟子に「早く身を固めろ」と言ったとか
    伊勢神宮で迷子になったとかの
    天然エピを目にしてからずっと気になっていた本。

    読んでみたら、面白かった!
    内容はもちろんなんだけど、語り口というか文章の切れ味にやられました。メロメロになりました。
    こんな文才迸ってる人が伝説級の天然ボケとは…萌えるじゃないか…

    取扱い作家は、岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曽我蕭白、長沢蘆雪、歌川国芳。
    『日本美術応援団』が好きな人には絶対オススメ!

    へうげものには岩佐又兵衛が出てきますが、
    村木道重の子だっていうのは絶対へうげ設定だと思ってた。ゴメンナサイ。

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    2011年12月11日
  • 奇想の系譜 ――又兵衛-国芳

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    現在の奇想画家ブームの火付け役の本。
    今や主流ではありますが。
    美術史のように堅苦しいものではなく、画家本人についてのエピソードや絵の解説なので、少しでも興味のある方なら読みやすい本だと思います。
    奇想画家がお好きな方は、是非一読をお勧めします。

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    2011年06月07日
  • 奇想の系譜 ――又兵衛-国芳

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     70年代にこの本を出したのは本当にすごいと思う。現在の若冲・蕭白ブームの立役者。(いいぞもっとやれ)
     あっさりすっきり地味にこぎれいにまとまって侘び寂びであることが特徴のように思われてしまいがちな日本美術ではありますが、決してそんなことはない! と判りやすく面白く導いてくれる入門書。

     そしてこれを読んだら、是非に是非に、近くの美術館へ出かけることを勧めたいのです。まったく違った世界がそこにはあるはずですから!

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    2010年10月03日
  • 奇想の系譜 ――又兵衛-国芳

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    歴史の闇に消えた絵師たちに、再び光をあてた名著。
    時間がながれても、その奇想の世界は今も私たちに衝撃をあたえる。

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    2009年10月04日
  • 奇想の系譜 ――又兵衛-国芳

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    岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曽我蕭白、長沢蘆雪、歌川国芳について紹介。
    伊藤若冲、今まであまり通ってこなかったけどリアリズムを超えた想像の表現力がすごいな。長年その事物と向き合ったからこそ見えてくるものを感じる。
    蘇我蕭白の奇抜なデフォルメと強烈な色彩も良かった。
    狩野山雪の「梅花遊禽図襖」は構図えぐい、この木の枝の荒々しさは実際見たいなぁ
    長沢蘆雪 応挙の弟子、犬可愛い

    勉強になる一冊でした

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    2023年11月30日
  • 奇想の系譜 ――又兵衛-国芳

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    若冲らを世に知らしめた何十年も前の歴史的名著ですが、ちゃんと読んだことはなかった。いま読んでも実に面白かった。

    それにしても、若冲、蕭白、蘆雪がいたこの時代の京都に一度行ってみたい!

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    2023年09月23日
  • 奇想の系譜 ――又兵衛-国芳

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    ネタバレ

    【憂世と浮世 岩佐又兵衛】


    【桃山の巨木の痙攣 狩野山雪】
    父・狩野山楽

    俵屋宗達が底抜けに明るいロマンティシズムを唄いあげる一方で、岩佐又兵衛や山雪の偏執と奇想が横行した寛永という時代は、なかなか一筋縄でゆかない時代だったようである。

    〈↓京都奇想派の3名〉
    【幻想の博物誌 伊藤若冲】
    彩絵

    アンリ・ルソー
    プリミティフの巨匠の系譜に仲間入り
    案外有効?

    【狂気の里の仙人たち 曾我蕭白】
    『群仙図屏風』
    清の上官周『晩笑堂画伝』の影響の可能性?

    曾我派

    癇癪持ちで傲慢な点、同時代の上田秋成に似たところもあったようである。

    雲龍図襖

    【鳥獣悪画 長沢蘆雪】


    【幕末怪猫変

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    2022年01月14日
  • 奇想の系譜 ――又兵衛-国芳

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    辻惟雄 「奇想の系譜」

    岩佐又兵衛 に始まり、歌川国芳 に至る奇想絵師の系譜をまとめた本。


    美意識とは何か考えさせられる。悪趣味にデフォルメされた美も、系譜の中で見ると。異端者の強烈なエネルギーであり、怪奇の中で美が強調されている


    残念なのは、カラーが少ないこと。けばけばしい配色も魅力の一つなのに。


    末尾にある画家年表がわかりやすい。さすが美術史家
    *岩佐又兵衛は年表上、狩野永徳の晩年に生まれ、狩野山雪と同時代を生きている。長谷川等伯とも重なる時期がある
    *伊東若冲、曾我蕭白、長沢蘆雪の活動は重なる時期があるが、お互い意識したのだろうか
    *若冲、蕭白、蘆雪が亡くなってすぐ、歌川国

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    2021年12月29日
  • 奇想の系譜 ――又兵衛-国芳

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    ネタバレ

    京博の「狩野山楽・山雪展」で観た、山雪の「雪汀水禽図屏風」を確認したくて再読。
    狩野派の屏風か障壁画で波が高い海の岩の上にいる鳥が描かれたものを探して。
    「ウルヴァリン:SAMURAI」にも「ぽい」のが登場してた。予告編にも映ってるのでもう一度観てみたけどやっぱり「ぽい」か。


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    2009/11/09
    ☆☆☆☆

    信楽のMIHO MUSEUMで開催中の「若冲ワンダーランド」の予習として。

    2009 11 09 225556

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    2021年09月30日
  • 奇想の系譜 ――又兵衛-国芳

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    当方でさえというくらい、今やここに取り上げられている画家全員の名が知れ渡っていることを考えるに、この作品は日本美術史研究上の金字塔と言っても差し支えないんでしょう、多分ですけど。
    絵そのものもそうですが、画家それぞれのエピソードがすごい面白い。印象派ではないですが、画家の人生に対する知識・理解が間違いなく絵画鑑賞の土台になってきます。そういう意味で、見る側の教養も問われとるんでしょう。あんまり下手なことをつらつらと書いてると、当方の凡庸さが浮き上がってしまうので、この辺で。

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    2021年03月21日
  • よみがえる天才1 伊藤若冲

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    若冲って、作品は好きで機会あるごとに見てきたけど、人物については、てんで知らなかった。
    こういう場合にプリマー新書はありがたいよね。とっても分かりやすい。
    生前から名声を欲しいままにしながら、死後は美術界から忘れられていた存在だったなんて、今の人気からは考えられないよね。何より初めて知って驚いたのは、若冲こそが芸術家の嚆矢たる存在だったってこと。かの動植綵絵は若冲が自分で描きたくて作られた作品だったこと。これって実は凄いことだよね。

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    2021年01月10日
  • よみがえる天才1 伊藤若冲

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    ネタバレ

    「私は理解されるまで1000年の時を待つ」

    江戸中期 元禄時代の後 1716年 京都生まれ
    家業の青物問屋を放棄して山にこもる。
    20代後半から絵画を始める。
    様式化が進み、派閥の様式から外せない。
    狩野派→土佐派→中国絵画? 40歳で職業画家へ
    50~60代の作品が少ない

    裏彩色
     絹本の裏からの彩色
    「升目画」モザイク図
      西陣織がヒント? 

    「仙人掌群鶏図」唯一の金箔背景、主題の鶏とサボテンのみ
    「蓮池図」その裏面の墨一色の図

    工房制作
     弟子に描かせ、良いものに落款を付け売る。
    1800年9月10日没 85歳

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    2020年08月18日
  • よみがえる天才1 伊藤若冲

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    若冲に関するまとまった本を探していたので、絵の分析から、数少ない資料からの生涯のまとめなど、とても楽しめました。
    かなり前の展示会には行けなかったので、次こそは本物を見たい。特にハート型の鳳凰の羽とか。

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    2020年07月27日
  • よみがえる天才1 伊藤若冲

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    若冲がここまでメジャーな存在になるのに、著者の功績大なのは首肯されるところであろう。本作では、代表作の「動植綵絵」を中心に、若冲の生涯をたどりながら、表現様式や作品の意味合いを分かりやすく教えてくれる。フラクタルや精神医学の研究から見た若冲などの紹介があるのも面白い。

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    2020年05月15日
  • 奇想の系譜 ――又兵衛-国芳

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    取り上げられているのは、岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曾我蕭白、長沢蘆雪、歌川国芳。
    展覧会に行く前にどうぞ。

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    2019年03月17日
  • 奇想の系譜 ――又兵衛-国芳

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    奇想の系譜を読み、『奇想の系譜展」を観覧してきた。
    個人的には岩佐又兵衛狙いだったのだが、本書を読んで思っていた感覚と実際に見た感覚には少し乖離があった。

    彼等は決して奇をてらってあた訳ではなく、時代背景や伝統からくる様々な制約という殻を破り、人々の生活や感情、もっと言えば人間の本質を描きたかったのではないかという事を強く感じた。

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    2019年03月13日
  • 奇想の系譜 ――又兵衛-国芳

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    岡田秀之「かわいい こわい おもしろい 長沢芦雪」新潮社の対談もやっておられた辻惟雄先生の著書。岩佐又兵衛、伊藤若沖、曾我蕭白、長澤芦雪、歌川国芳という流れを「奇想」という言葉で定義し、「異端」でなく「主流」中の前衛として再評価した本。若沖でさえ、どこかで観たことあるレベル、ましてや取り上げられている芦雪の他の画家らはあまり知らない人も多く、中の絵にも好きな物、あまり好きでないもの色々だったが、当時のそれまでの絵と何が違うのか、何をどう描こうとしたのか、俯瞰できた。

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    2017年12月30日
  • 奇想の系譜 ――又兵衛-国芳

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    50年近く前に書かれたとは思えず、とても興味深く読めました。
    著者の感性を通して説明される絵の1枚1枚のどれも実際に目にしたくなり、好奇心がビンビンと刺激されます。
    ついこの前、国芳の展覧会を観てきましたがら折しも今は若冲の展覧会もあるので行かねば。
    でも題材になった画家の中では蕭白のが一番観たいなぁ。

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    2016年05月11日
  • 奇想の発見―ある美術史家の回想―

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    伊藤若冲を再評価したことで有名な辻惟雄氏が自分の生い立ちから数々の業績を綴ったものだ.自伝を自分が書いているからだろうが、苦労して勉強した件はあまりないが、見えない所でかなりの努力をされているに違いない.運も良かったと述懐されているが、運も実力だ.楽しい自伝だ.

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    2015年02月16日
  • 奇想の発見―ある美術史家の回想―

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    自伝のようで作品論でもあり、非常に面白かった。日本の作品を見るために、アメリカまで行かないと駄目なのは、少し寂しいことだ。でも、ブライス夫妻のような人のおかげで作品もいい状態で残ったのかもしれない。

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    2014年10月03日