松本茂のレビュー一覧

  • 海外M&A 新結合の経営戦略

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    ー 企業経営のセオリーとして、買収は戦略を立てた後に実行すると考えがちである。しかし、実際には戦略と買収は相互に影響を及ぼす関係にある。

    そもそも、買収は非連続な企業行動であって、計画できるものではない。たとえ、中期計画に買収による海外市場拡大を描いていても、対象会社の株主との交渉が不調に終わるかもしれないし、競合他社の手に渡ることもある。買収は企業にとって既存の成長戦略上にあるものではない。

    それに、いったん買収を実行して新たな経営資源を手に入れると、競争の局面は大きく変わる。買収で市場占有率が拡大する、垂直結合で調達が安定する、生産拠点や販売網の補完が進む、現地に根ざしたブランドや魅力

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    2022年07月30日
  • 海外企業買収 失敗の本質―戦略的アプローチ

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    結構当たり本。成功失敗を定義してそれぞれの例から共通点を引き、間にケースを交えるというまあスタンダードな作りで、読み物として面白い。学術書としては、例えば教訓として経営者が10年以上在位していることが海外M&A成功の秘訣の一つに挙げられているが、因果関係が逆である可能性は?といったところなど。また、サンプル数が取れないので確かさにはやや弱さが。この分野では仕方のないことですが。

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    2015年02月22日
  • 海外M&A 新結合の経営戦略

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    2002〜2011年の日本企業の海外M&Aの成否割合は、139件中17件と2割に満たない


    米国企業を対象とした研究によると、両利きの経営が最も必要とされるのは、企業が戦略的に新しい事業機会を狙うときに、その事業が既存の中核的な資産やオペレーションの組織能力から恩恵を得られる場合であるという。

    成功した両利きの経営に共通するのは、探索を目的とする組織が、深化を目的とする既存組織の資産を活用して、それを競争優位につなげたことだという。

    水平型の買収=同一製品やサービスを提供する事業を一体化し、規模を拡大すること

    垂直統合の買収=三菱商事によるローソン買収や、伊藤忠商事によるファミ

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    2023年07月15日
  • 海外M&A 新結合の経営戦略

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    印象に残ったポイント

    ・企業は生き残りをかけて寡占を目指す

    MAの目的は寡占形成にあると断じている点が印象に残った。ウェルチの#1, #2戦略ではないが、企業は生き残るために寡占形成に向かわざるを得ない。そのための一つの手段がMA。この説明は、すっきりと腹に落ちた。

    ・戦略は買収に従う

    この変化の早い時代に、数年単位の中期計画に沿って、戦略、組織、MAを計画、実行、評価することに、違和感を感じていたが、著者の「戦略は買収に従う」という言葉が響いた。

    グーグルに最初から大戦略があった訳ではなく、買収を繰り返しながら、市場を広げていったという指摘は面白い。

    ・MAと組織論

    戦略は買収

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    2021年06月14日
  • 海外企業買収 失敗の本質―戦略的アプローチ

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    かなり丹念に事例を集めて丁寧に紹介している部分は良いのだけれども、それで終わっている。
    多数の事例紹介の本に留まっている。

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    2020年04月28日
  • 海外企業買収 失敗の本質―戦略的アプローチ

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    失敗例も成功例もそれぞれ。失敗例が圧倒的多数であることは定説どおり。
    あげられている成功要因のうち、後続の買収案件有無は因果関係が逆ではないか。
    一貫した戦略と、環境変化に合わせる柔軟性と。

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    2018年11月05日
  • 海外企業買収 失敗の本質―戦略的アプローチ

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    松本茂著「海外企業買収失敗の本質」東洋経済新報社(2014)
    *海外M&Aで経営者が謳う5つの利点。
    (1)時間を買う、(2)世界市場占有率を獲得する、(3)シナジーを生む、(4)現地の有能な経営者の獲得、(5)円高を利用する。
    *海外M&A成功判定基準
    ・買収後4年目を始点として、対象事業セグメントと地域/海外セグメント営業利益両方で最高益更新率50%以上を実現したケースを成功とする。
    ・買収後に自社が破綻、あるいは買収した事業を売却、撤退したケースは失敗とする。
    *時間軸を買う
    成功例:10年の長期で持続的な利益成長に照準
    失敗例:買収後の短期的な株価や業績を重視
    *10年

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    2014年12月03日