加藤恭平のレビュー一覧
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殺人事件は、基本的にコメディ。
クラリサは、死体を見つけた。どうやら夫の前妻の子が手を下した可能性がある。もう少しで夫が外交上の要人を連れてくる。隠すしかない! 叔父や友人に協力を頼んで死体を隠したものの、謎の人物の通報により警察がやってくる。死体を隠した扉を開けられてもう終わりかと思ったら、そこに死体がなかった。さあ、クラリサはうまく警察をごまかせるのか?
人が1人死んでいるドタバタ劇。出てくるキャラクターのクセが強いのはクリスティーのお約束。手がかりはちゃんとセリフやト書きの中にあり、犯人がわかってから読み返すとなるほどと思う。どこかで上演してくれないかな。 -
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ネタバレクリスティーの小説はとても読みやすい。そしてその読みやすい話のさりげないところに伏線や手掛かりを隠し、読者を煙に巻いてくるのにクリスティーらしさがある。その手法は小説だけでなく戯曲であるこの作品でも遺憾なく発揮されている。
小説ではセリフだけでなく地の文の中に重要な情報を隠すことができるが、演劇として上演されることが前提である戯曲では地の文には小説ほどには頼ることができない。使えるのはセリフやト書きとして登場人物の行動の中に忍ばせる方法だ。他にも舞台装置になにかを仕込むという手も考えられるが、あくまでプロットと登場人物で勝負して、高いレベルで読者をだますことのできる仕上がりになっているところ -
Posted by ブクログ
ネタバレ弁護士ウィルフリッド・ロバーツ卿のところへ弁護の依頼にやってきた好青年レナード・ボウル。
彼は街で偶然知り合ってから親しくするようになった高齢女性を撲殺した容疑をかけられ困っていた。
裁判が始まり、検察のマイアーズが証人として高齢女性の家政婦や死体を解剖した医者などを呼ぶ中、レナードの妻のローマインが呼ばれ、レナードに不利な証言をしたことでレナードの立場は厳しくなっていく…。
戯曲(台本)形式で書かれていて、舞台の様子が想像しやすい。
事件自体はシンプルだし、シーンも事件現場と弁護士事務所と法廷だけしか出てこないけれど、はられた伏線が最後の方に何重にも効果を発揮して驚いた。
アガサクリステ -
Posted by ブクログ
戯曲なので頭の中で
舞台を想像しながら読むのも楽しい。
誰々が上手から登場、とかね。
外交関係の仕事をしている夫の
前妻が結婚した男が書斎で死んでいた。
彼はその直前、前妻の実娘を連れ戻すと
おどしをかけに来ていたのだ。
犯人はその娘に違いないと思ったクラリサは
なんとか隠蔽しようとするのだが。
と、倒叙モノっぽく始まって
死体を隠したところで
誰かの通報で警察がやってきて
あっさり発見されちゃう。
ところが事情聴取をしている間に
その死体がまた消えてしまうのだ!
セットは客間と死体を隠す奥の書斎だけなのに
こんなスラップスティックな話ができるんだ。
もちろん見えていないところでも
事件