平川新のレビュー一覧
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ネタバレ面白かった!世界史地理選択だったので、日本史を最後にやったのは高校1年の時で、23年大河に向けた勉強の一貫で読みました。
最初はキリストを「大日」と訳し、仏教の一派と勘違いされながらキリスト教が布教されたこと、カトリック国/プロテスタント国、武将それぞれの思惑、タイミング。かつてポルトガルに留学していた頃、大好きだったリスボンの美術館にもNamban Artと称し、当時の煌びやかな財宝が展示されていたのを思い出しました。
群雄割拠の戦国時代が克服される過程を目の当たりにしたヨーロッパ列強諸国から、当時神聖ローマ帝国に対してしか用いられなかったImpério(帝国), Empero(皇帝)の呼び -
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論旨明快で引用される資料も多く一気に読ませる。けれども、EmperadorやImperioをめぐる議論にはひっかかってしまう。秀吉や家康が西洋諸国からEmperador(皇帝)と呼ばれるようになったことについて、「日本の国家としての格は[帝国」であり、その君主は[皇帝」‥だった」「当時、世界最強を自負したスペインの国王はRey(王)‥、イギリスもオランダもフランスも王国であり、国王であった。一方、当時のヨーロッパにおける皇帝は神聖ローマ皇帝であり‥、EmperadorやImperioと称された徳川家康や日本は、それと並び称される存在として認識されていた」と論じ、そのような西洋諸国からの評価や畏
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おそらく、現時点で最も信頼のおける(最近の研究を元にした)歴史シリーズ。『全集 日本の歴史』も12巻になって、いよいよ江戸時代末期の対外関係と開国について書かれる……のだけれど、面白いのは後半の庶民剣士をテーマにした章だった。
江戸時代は唯一の暴力機構である『士』が『農工商』を支配した時代、という単純な図式は崩れつつある。徳川幕府は世論に左右され、庶民が剣術に励み、国政に参与したなど、暴力国家としての側面よりも教諭国家としての側面がより強調されている。面白いのは江戸末期の名だたる剣術家のほどんどが武士階級の出ではなかったということ。新撰組の近藤や土方が農民上がりだったというのは割と有名だが、 -
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[ 内容 ]
開国は蝦夷地から始まった。
迫りくる異国と政治を動かす民衆、新時代を生む幕末。
歴史が未来を切り拓く。
本書では、日本の近世を環太平洋史の視点から再解釈する。
[ 目次 ]
第1章 環太平洋時代の幕開け
第2章 漂流民たちの見た世界
第3章 鎖国泰平国家から国防国家へ
第4章 世論政治としての江戸時代
第5章 天保という時代
第6章 庶民剣士の時代
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振 -
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織田信長、豊臣秀吉、イエズス会、徳川家康、三浦按針、フランチェスコ会、スペイン国王フェリペ3世、伊達政宗、徳川家光、支倉常長、ローマ法王パウルス3世といった面々が、日本史と世界史のボーダーなんかお構いなしに知略謀略の限りを尽くすというお話…じゃなかった歴史書。
テーマは、大きく分けて、大航海時代において日本が当時の最強国スペイン等の植民地にならなかったのはなぜかと、伊達政宗はなぜあのタイミングで慶長遣欧使節団を送り出したのか、の2つ。
1つ目のテーマについて、文禄・慶長の役は秀吉が耄碌したためではなくてスペイン・ポルトガルを掣肘するための戦争だったという説には度肝を抜かれるものの、トルデシ -
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ネタバレ<目次>
序章 戦国日本から「海国」日本へ
第1章 大航海時代と世界の植民地化
第2章 信長とイエズス会
第3章 秀吉のアジア征服構想はなぜ生まれたか
第4章 家康外交の変遷
第5章 伊達政宗と慶長遣欧使節
第6章 政宗謀反の噂と家康の情報戦
第7章 戦国大名型外交から徳川幕府の一元外交へ
終章 なぜ日本は植民地にならなかったのか
<内容>
今までの戦国期から江戸初期の外交の考え方に違う視点を与えてくれる本。ただその信憑性はわからない。私にはややオーバーに感じた。ただイエズス会の記録などを丹念に読み込み、そこから推論を重ねていく視点は面白い。終章にある「日本が植民地にな