平川新のレビュー一覧
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戦国日本というどちらかというと内部での闘争に明け暮れた時代という描かれ方をする時代に対して一石を投じるような本だった。5だと盛りすぎなので4.5くらいかなと。
特に、秀吉の朝鮮出兵の意図を再解釈したところが特に面白かった(だからといって他国へんの侵略を容認するわけではないというのが筆者の主張でもある...続きを読むPosted by ブクログ -
一般的な歴史教科書でも書かれ、しかし詳しくは説明されない豊臣秀吉・徳川家康の外交政策の目的やブレ、それが世界史的観点では腑に落ちる説明ができると分かった一冊でした。社会科の話の題材に使わせてもらいます。Posted by ブクログ
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戦国期、ポルトガルとスペインは世界を征服しようとしていた。
キリスト教伝来はその流れの中での出来事であったが、日本は強かったから征服されなかったというのが本書の主張。
そこには秀吉や家康の巧みな外交戦術があった。
歴史の教科書にはさらりとしか書かれない朝鮮出兵やバテレン追放例、禁教令、さらには伊達政...続きを読むPosted by ブクログ -
勉強する時は、日本史世界史一緒に同じ時系列て学んだ方が、何故それを行ったか論理的に覚えられる。
戦国時代。日本国内だけで内戦してるばかりじゃ、そりゃないよなぁ。
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目からウロコの本。内向きな「日本史」ではなく、巨視的な観点から日本の位置づけを論じている。
1494年のスペインとポルトガルによるトルデシリャス条約による「世界領土分割」体制の影響を当時の日本も影響を受け、ポルトガル・スペインから宣教師が来航。これらに対抗し、軍事力を誇示するために秀吉は朝鮮出兵を...続きを読むPosted by ブクログ -
いやあ面白かった!
大航海時代の西欧が日本も侵略しようという明確な意図があり、それに秀吉や家康がどう対応したか。
戦国から江戸初期に、まるで幕末かのようなグローバルな躍動的面白さ感じた!Posted by ブクログ -
旧石器時代・縄文時代・弥生時代・古墳時代それぞれにおける、人々の思想的な営みがよく理解できた。本書で扱う原始時代という時代は、文献資料がない時代ということで、古代以降の歴史と比べて当時の人々の理性的・人間的な部分を軽視してしまいがちな時代であると思う。しかし、そこには人間の理性の萌芽ともいえる「文明...続きを読むPosted by ブクログ
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戦国時代(世界史としては大航海時代)、ポルトガルやスペインがヨーロッパで覇権を握る中、アジアにもそれらの国が迫ってくる。ザビエルをはじめとするカトリック宣教師が来日したのは、偶然なのか、はたまた必然なのか。なぜスペインは日本に手を出そうとしたのか、日本を侵略してどうしようとしていたのだろうか。当時の...続きを読むPosted by ブクログ
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本書は、1930年から1955年の25年間の歴史を、著者が聞き取りをした5人の人々の経験と照らし合わせながら考察する日本史の通史書である。
政治に目を向けがちだった戦中・戦後史に、庶民の人生を反映させることで、当時の時代背景がよく理解できた。
本を読み、史料を読み解くだけでは分からない、聞き取り...続きを読むPosted by ブクログ -
めっちゃ面白い。秀吉は、朝鮮を攻める10万の大軍を動員した時、マニラのスペイン総督府を恫喝した。総督は、もしかしたら、朝鮮は陽動作戦で、マニラに攻め込んで来るのではと恐れていた。
ポルトガルとスペインが勝手に世界を二分して、東西に進んで侵略を続けると、地球は丸く、出会った地の果てが日本だった。両大...続きを読むPosted by ブクログ -
目からウロコ。
こんな視点で日本史(世界史)を見たことがなかった。
日本史と世界史を分ける弊害というか、
その横断的な視点が必要なんだなと思った。
秀吉の朝鮮出兵は、
たんにモウロクしたじいさんの思い付き、
と思ってたけど、
秀吉の頭の中では
緻密な世界戦略があったのかもしれない。
失敗と言われる慶...続きを読むPosted by ブクログ -
「鎖国」というカッコ付きの表現が使われるようになって久しい。江戸時代の日本は実際には国を鎖ざしてはいなかった。ではなぜ鎖国という概念で江戸時代が語られるようになったのか? 実態はどのようなものだったのか? 朝鮮通信使を利用する幕府、海外の情報収集に熱心な幕府、吉宗の輸入品国産化プロジェクト、異国人に...続きを読むPosted by ブクログ
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「鎖国」と教えられたのとは全然違う実態。
徳川家康、伊達政宗を中心に、西欧諸国との関係をどのように構築し、主導権を保ったか。目を見開かされた。Posted by ブクログ -
授業準備の一環で読みました。どこまでこの内容を反映させることができるか、まだわかりません。
研究授業に結びつけることができたらいいなぁと思います。
近世初頭の日本の外交政策を、東アジア史を超えた世界史の中で捉えるのは、とても興味深いです。Posted by ブクログ -
圧倒的5つ星。
これまで謎だった
・日本はなぜ西欧の植民地にならなかったのか
・なぜ秀吉は無謀な朝鮮出兵を強行したのか
への疑問が氷解した。政宗と家康・秀忠とのやりとりも臨場感を持って伝わってくる。これまで読んだ新書の中でもベストの一つ。
同時に、もし当時の日本が武士の世でなかったら、もし承久の乱で...続きを読むPosted by ブクログ -
世界史の中に戦国末期の日本を位置づけると、秀吉の朝鮮出兵が何だったのか、それがその後の世界の歴史をどう変えたのかといったことがわかる。
ポルトガルやスペインも日本の植民地化を考えていたが、その考えを改めさせたのが秀吉の朝鮮出兵だったと。自分的にこの時期はインドやフィリピンのヨーロッパ人たちに意識を向...続きを読むPosted by ブクログ -
秀吉も家康も、日本国内の「天下」だけを見ていたわけでは無く、欧州列強とのゲームをプレイしていた。
家康の対外貿易方針/キリスト教対策の変遷
家康・秀忠と政宗との間の熾烈な駆け引き、情報戦
国内問題であり、対外問題でもあり。
世界を分割線としていたポルトガルとスペイン
そのスペインから独立し、アジア...続きを読むPosted by ブクログ -
中国を中心にした東アジアの枠組みではなく、スペイン・ポルトガルの世界支配の枠組みの中で、信長・秀吉・家康・政宗の対外政策を見ていくとどうなるか、という内容。
特に秀吉の朝鮮出兵や明の征服は、東アジア支配をもくろむポルトガル・スペインへの反抗だという評価が一番印象的。
秀吉の「天竺を切り取る」という...続きを読むPosted by ブクログ -
考古学者である著者が、ヒトの確かな足跡が発見される旧石器時代から、巨大古墳が築かれる5世紀までの4万年の日本列島の歴史を文字の記録に頼らず、物質資料のみで描いた大作。
何より新鮮だったのが、歴史科学の再生において「認知科学(ヒューマンサイエンス)」をベースにし、人の心の普遍的特質から人の行動を考古...続きを読むPosted by ブクログ -
文字による記録がほとんどない5世紀までの日本古代史について書かれた本。
文字資料がない、つまり物質資料しかない時代における社会のあり方や人々の心を読み解こうというのが、本書の趣旨となる。認知考古学という学問があるというのを初めて知った。読み物として非常に面白い。まさにこんな本を読みたかった。
た...続きを読むPosted by ブクログ