平川南のレビュー一覧

  • 全集 日本の歴史 第16巻 豊かさへの渇望
    14巻同様、多分に一面的・主観的なところや錯誤があるが、戦後の社会問題・社会運動史をまとめたような一冊。

    一斉就職と終身雇用、性別役割分担はどのように誕生したか。セーフティネットへの関心の低さや競争主義、自力解決主義がなぜ浸透したか。公共政策より経済政策重視のあり方が生んだのは何か。戦争や公害など...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第14巻 「いのち」と帝国日本
    「いのち」の序列化を主題に明治中期から大正期を扱う。どういう背景から「いのち」は序列化されたのか、どのような抵抗があったのか、戦争や政治・思想・文化に分け入り解明する。現在にまで通じる事象も明かされ価値ある一冊と思うが、この本には限界がある。徹底した弱者視点により、権力の影の部分を極大にして描いてい...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第16巻 豊かさへの渇望
    環境庁時代の頭を下げる石原さんが印象的。戦後社会運動についての広く浅い概説かんはぬぐえない。中卒業人口の大量就職は徴兵がないことからもいままでにないものだというのはなるほどと思った。また産児制限でベビーブームが終息していた。
  • 全集 日本の歴史 第9巻 「鎖国」という外交
    本書によると鎖国と言う言葉は幕末に作られたという。江戸幕府は鎖国していたわけではなく、きちんと海外と交流していたようだ。ただ、家康は秀吉の外征の影響で朝鮮との国交回復には苦慮したようだが。従来の日本近代史観を変えることのできる本と思う。
  • 全集 日本の歴史 第4巻 揺れ動く貴族社会
    律令制が崩壊し、地方政治が乱れ武士が登場した平安時代。地球温暖化、自然災害や疫病、戦乱が多発し人々の生活を脅かし、常に死と隣り合わせだった時代背景からも、死後の世界へのあつい信仰心や、新しい仏教が広く普及したのもうなづける。

    ところで武士はなぜ発生したのか?地方豪族や有力農民が、自分たちの所領を守...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第2巻 日本の原像
    「日本の原像-全集 日本の歴史2-」の読書会 
    日付:2014/1/9 作成者:とことこ(大塚 拓)         
    〇感想
    ・(P46)天皇の語源(宇宙を統治する天帝)と中国世界からの自立の意味。
    ・(P59)日出ずる国、日神(大日如来)の国。説は色々あるが、これも中国世界からの自立。
        ...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第6巻 京・鎌倉 ふたつの王権
    院政の成立から鎌倉幕府の滅亡まで、結構な広範囲を取り扱う。通史ものでこの時代を読んだのが初めてなので、正直なところどういうところが特色なのか評価しにくいですが(取り扱う時代の範囲が特色なのかもしれませんが)、わかりやすい構成と内容だと思います。
  • 全集 日本の歴史 第10巻 徳川の国家デザイン
    装丁の美しさと、タイトルの良さに惹かれて手に取りました。
    よくよく見たら、歴史大全ものの1冊だときづいたものの、出版社の売る気満々的な雰囲気が伝わり読む事に。

    ちなみにアートディレクションは、原研哉。

    内容的には、戦国末から江戸初期(四代家綱)までの国政・地方の城下町・村・臣民などに分けて解説し...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第4巻 揺れ動く貴族社会
    政治や外交、宗教に文化と多方面から平安時代にスポットを当てており、読み応えがあります。和歌を元に当時の世情を探るという発想が面白いです。
  • 全集 日本の歴史 第3巻 律令国家と万葉びと
    奈良時代あたりを中心に当時の人々の生活文化を中心に描いている。個人的には当時の政治状況が知りたかったから、ちとミスマッチだった。
  • 全集 日本の歴史 第2巻 日本の原像
    前回が古墳時代辺りまでについてかかれてたんで大和朝廷辺りのことが書かれ手いると期待していたら、まったく別で、古代の文化や生活等について書かれていた。個々の話は面白く、稲の品種分けが1200年前にはされていたことには驚いた
  • 全集 日本の歴史 第1巻 列島創世記
    旧石器から古墳時代にかけての数万年を一人の著者が述べるという野心的な歴史書。まだ文字をあまり使わない時代であるため歴史の詳しい部分を語ることができないのはもどかしいが、異物や遺跡を通して断片的ながらと応じの状況を垣間見えることができる
  • 全集 日本の歴史 第7巻 走る悪党、蜂起する土民
    昨年から読み始めた小学館刊行の歴史もの。一年かかってようやく七巻目。今年中に読み終えることができるかどうか?がんばる。
  • 全集 日本の歴史 第14巻 「いのち」と帝国日本
    [ 内容 ]
    日清・日露戦争で序列化された人びとの「いのち」。
    帝国主義の発展と重みを失う一人ひとりの生命。

    [ 目次 ]
    はじめに 「いのち」の序列化
    第1章 「いのち」と戦争(向田邦子の祖父の体験;日清戦争―文明国への「入学試験」 ほか)
    第2章 「いのち」とデモクラシー(川岸きよの米騒動;足...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第10巻 徳川の国家デザイン
    [ 内容 ]
    戦国時代に終わりを告げた徳川の治世。
    徳川社会の成立には政権づくりの巧みな手腕があった。

    [ 目次 ]
    はじめに 徳川の日本人
    第1章 京都と天下人
    第2章 首都と城下町の建設
    第3章 村づくりの諸相
    第4章 神国日本と「国民」
    第5章 農と自然の風景
    第6章 内国のネットワーク
    ...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第7巻 走る悪党、蜂起する土民
    歴史好きというと戦国、幕末がメインのようだが、通が好むのはだんぜん鎌倉末期である(←根拠なし)。が、読み物としておもしろいというものではないし、内容にも「おお!」と思わせるものがなかった。タイトルがけっこうドラマティックなだけに残念である。やっぱり読むものはおもしろくないと。全体に教科書みたいな感じ...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第16巻 豊かさへの渇望
    自分が生きてきた時代の歴史というのは
    案外、灯台下暗しである。
    中学校、高校の日本史でもたいがい現代史のところは
    ほとんど時間が足りなくなって、はしょられることが多い。
    同時代の価値を定義することは、なかなか難しい。

    小学館の「全集 日本の歴史 全16巻」は
    小学館創立85周年記念出版。
    新視点で...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第5巻 躍動する中世
    五味先生の中世史総括本。政治の仕組みとしての談合の役割、特に評定から寄り合いへの政治の型の変化を見ていると、昨日までの民主党内閣の成立を見ているよう。それでも、自民党のように官僚制度の外側でインナー(談合仲間程度の意味です)を形成し、党・政府分離型の意思決定をした自民党に対し、(小沢氏を除いて)内閣...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第7巻 走る悪党、蜂起する土民
    小学館のシリーズは講談社に比べ内容が子供向けなのだろうか。新視点というより落ち穂拾いの感あり。
    それでも、寺社や日記を中心にした資料の精査は良かった。
    体系的に何かを論じる書物ではなかったが、「見えないところに光を当てる」という側面は十分に感じされた。
    体系的ではないが、時系列を追っているので、教科...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第7巻 走る悪党、蜂起する土民
    個人的にはあまり評価は高くありません。

    講談社の該当分野の方が評価としては圧倒的に良い様に思います。
    1時間ほどであっさり読んでしまいました。さっくり通史を当たっていますが、それ以上でもそれ以下でもないというのが感想です。