池谷孝司のレビュー一覧
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自ら張り巡らせた壁の中に閉じこもってそこから出てこない。なんとなく彼の気持ちは想像できる(気がする)。意地なんて張らない方が楽に生きられるのに…とも思うが、これが"障害"であり、そう容易く矯正することのない性質なのだとしたら…。アスペルガー症候群と診断される(こともある)山地と、彼の犯した重い重い罪。この本から浮き上がってくるのはその罪を徹底的に糾弾する"正義"の姿勢ではなく、こうしたことが二度と起きないにはどうすればよいのかという、未来を見据えた目だ。
母親を殺し、少年院を出てから起こした二度目の犯行は、山地とは全く関係もない姉妹を残虐に殺したもの。山地に下された死刑判決、そしてその執行。こ -
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連続殺人犯の山地悠紀夫の生い立ちと事件の概要を紹介した本。
母親の殺害と女性2人(姉妹)を殺害した事件内容なので、概要としてはシンプルで、また、本人があまり語る事が少なかったという事で事実にまつわる部分は情報量が少なく感じました。
本書はどちらかというと、アスペルガー症候群や発達障害など、精神疾患が事件を起こさせる可能性と、後天的な生い立ちの要素が特異な事件を引き起こす可能性があるのか、といった犯罪者を生み出す原因を考える事が主体になっています。
また再犯の可能性や出所後のケアの必要性が重点的に語られていて、誠実で、問題提起が明確な内容なので非常に分かりやすかったです。
ただ憶測や想像 -
Posted by ブクログ
学校内で行われる生徒に対して行われるセクハラ。
読んでいると、もはやただの犯罪。
何故、このようなことが繰り返されるのか、何人かの当事者たちの話から浮かび上がるもの。
多くの人は普通に真面目な教師だったはずなのに、何がきっかけでそうなってしまったのか。
こうした犯罪だけに関わらず、大体の犯罪なんてものは、そんな人じゃないと思われる人も手を出してしまうものなのだろうな。
教師というとどうしても人を指導するという点から人を支配するというか上から見てしまい、いいなりにしてしまう。学校という閉鎖された環境だからこそ、それが当たり前だと思ってしまう。
読んでいて、なんでそれがおかしいと思わないのだろ -
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腑に落ちない……といった感想を持ったのが正直なところですねぇ…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
結局、これを読んでも山地の内面に迫れなかったのがしっくり来ない原因でしょうかね…彼は弁護士と度々接見? を重ねていますが、どうも本心を話しているように思えないんですなぁ…
それで結局そのまま死刑になっちゃった、みたいな…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
でもまあ、彼の生い立ちなどを知れたのが良かったですかね。後半の、何やら精神科医やらその手の”専門家”が登場してくる紙面は要らなかったかな…必要なことなんだろうけれども、一読者としては退屈でしたねぇ…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズ -
Posted by ブクログ
ネタバレ日常生活で発達障害の人と関わっている機会は自分が知らないだけで実はけっこういっぱいあるはず。病院で診断は受けていないが、高齢となった私の父は発達障害だと推測している。(いろんな本を読んであまりにも当てはまるので)
父は一見、普通の人と変わりないけど、関わるとものすごくストレスを感じ、心底疲れる。障害と分かれば優しくもなれるかもしれないが、一緒に生活するのは大変な苦痛を感じる(私は1人暮らしを始めてから楽になった)
昔は発達障害なんていう言葉すらなかったけど、私が小さい頃にこういう障害がある事を分かっていて、もっと福祉が充実していたら、父も私達家族も少しは心を保ちながら生活できたかもしれない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ福祉とはなんだろう。ここ10年ぐらいでアスペルガー症候群の知名度はかなり上がったけど、先天的な要素が強いらしいので昔からあった病気だろう。昔はそんなに若い子が凶悪な事件を起こすってなかったよなぁ。必ずしも犯罪につながる病気ではないらしいし、今よりも人間関係が濃くて、フォローしてくれる人も多かったんだろうな。
なんでもかんでも福祉っていうのはちょっとどうなのかな、と読み終わってから思ったけど、そこしかないのかな、とも思った。
便利な世の中になったけど、その分確実になにかを失ってる。それを補うのってやっぱり福祉になっちゃうんだろうな。
内容は濃くて、読んでて面白かったけど、著者たちの