江口研一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
p.79 人は教わって学ぶことなどほとんどない。ただ自分で見つけるしかないのだ。
p.80 狂気とはね、自分の考えを伝える力がないことよ。まるで外国にいて、周りで起こってることは全て見えるし、理解もできるのに、みんなが話してる言葉がわからないから、知りたいことを説明することもできず、助けを乞うこともできないようなものよ。
自殺を決めたベロニカが精神病院へ入れられて、そこでゼドカやマリー、エドワードといった精神病患者たちや医者、看護師とすごすことで様々な知見を得るストーリー。
詩的な表現が多く、ハッとする文章に出会う。ただ、当時の人たちの精神病患者への差別意識を見ることもあるので、鬱病の発 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読み終わって、これはベロニカだけでないベロニカとそばにいた彼らの話なのだとわかる。だから読んでいる途中、マリーやゼドカの話が入ってくるがうまく入り込めなかった。ただ終盤のエドアードの話はとてもよくて、素直な自分でいようとする彼と父の会話は自分にも置き換えて読んだ。
けどこの話の本筋は現代で生きなくてはいけない人たちがどうやって自分を存在させて生きていくかというところだと思い、置き換えてしまうと少し小説とはずれる。パウロ・コエーリョは彼にしか描けない輝きに満ちた言葉を放てる作家で、読むと共感とともに思い切り背中を押してくれるような小説をこれまで読んだ。ベロニカは死ぬことにした、はたしかに共感はあ