原田まりるのレビュー一覧
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まずサブタイトルの『考えない猫が教える』という文章が気になった。哲学といえば、ひたすら考える学問のようなイメージがあったからだ。それなのにサブタイトルは『考える猫』ではなく『考えない猫』と書かれている。これはいったいどういう意味だろう?そう思いつつ読み始めた。
何も考えていなさそうな猫たちの写真を眺めつつ感じたのは「あるがまま」ということ。「考えない」とは、素直に自分の心のままに従うことを意味していた。自身の気持ちを大切に行動する生き物、それが猫なのだと思う。
哲学は疑うことから始まるといわれる。自分の心が感じた疑問に素直に従うこと。ここに猫という生き物と哲学との共通点がある。心のあるがままを、肩肘張らずに受け入れる。そこから哲学的思考が始まる。
考えない猫だからこそ、ボクら人間たちが学ぶべきこともある。それが猫×哲学のチカラだと思う。
ユルい哲学入門書として猫好きなあなたにおすすめの一冊。 -
Posted by ブクログ
なぜそんなに呪うことばかりすすめるのかと問いただすと「自分を偽ってまでお前は何になりたいんだ?」とあっけらかんとして答えたのだった。
(P.38)
「知らぬが仏、といま言ったな。知らないことを探求しなければ、神の存在も否定されなかっただろう。
しかし、真実と誠実に向き合った場合に、神の存在というものは、否定されてもおかしくない。という結論に行き着くのだ」
(P.58)
「他人の自由を、他人の自由とし、見守るのだ。自分の安定のために他人を利用したり、強制するのではなく、見守るのだ。
つまり、他人を使うのではなく、しっかりと自分を生きるのだ。『あなたはあなたの一生以外の、何ものでもない』のだから」
(P.244)
私たちの目に映っている送り火は、それぞれに違うだろう。
けれども、誰かと同じものを見て、綺麗だねと感動を共有しあうことに私たちは喜びを感じる。
(P.349)
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WOWOWで放送されているということで購入。
SFコメディ小説と紹介されていますが、他にも恋愛を匂わせるような要素も含まれていて、色々楽しめました。
意外とアダルトな用語も登場し、ラノベっぽい雰囲気を醸し出しています。読みやすくあっという間に読めました。
物語は、章ごとに3人の視点で進行していきます。2036年の京都の設定ですが、あまり未来のイメージを強調してはおらず、京都も古風な雰囲気を残していました。実際の京都の地名を紹介しているので、ちょっと先の未来を楽しめるかと思います。
作品の中では、様々な「恋」が出てきます。恋といっても愛というよりは、好きの方が印象強いです。異性だけでなく、同性、AIに恋をする場面もあり、コミカルでドタバタに描かれています。
近未来、AIでも結婚できるというのは、なかなかない発想でしたが、面白かったです。
軸としては、主人公・摘木がAIと結婚生活を送るですが、あまり深く描かれず、むしろ研究者・深山との関係を前面に出している印象がありました。また、他の登場人物の関係性も相まって、色んな話が平均的に扱われている感じがしました。
ディープすぎず、軽く楽しい気持ちで読めました。 -
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ネタバレSFファンタジー小説だが、ライトノベルチックか。
物語的には少々消化不良だ。
最新テクノロジーがふんだんに盛り込まれている訳ではないし、AIブームの前からでもありそうな物語ではある。
話は3人の主要登場人物の視点で描かれる。(登場人物自体は他にもいる)
一人がAIロボ開発者の深山(女性)。
そしてそのAIロボの購入者である鏑木(男性)。
鏑木の大学の先輩でエリート医者の夙川(男性)。
深山と鏑木がAIロボを通じて恋愛関係になるのかと思いきや、結果そうではない。
夙川はエリートだが、すごいコンプレックス持ちで、幼馴染の親友である詫間(男性)のことを恋愛感情として見ている。
夙川は詫間とそっくりのAIロボを隠し持ち、自分を慰めている。
結局この小説の主人公は夙川か?それにしてはチープな同性への片思い物語だ。
色々と物語上の要素が足りない。
それぞれのキャラクターが、絡んでいないのだ。
特に深山というキャラクターが意図的に個性的に描かれているにも関わらず、実はストーリー上そんなに重要な役で無くなってしまっている。
結局は、鏑木もあんまり重要じゃない。
AIロボの購入者ではあるが、最後に取り付けたオチがあるだけで、展開は強引だ。
物語の核が、夙川と宅間の同性への恋心になってしまい、AIロボがいなくても成立する話になってしまった。
なんだか勿体ない話だ。
上手に物語を組み立てれば、伏線の貼り方次第で面白く出来たのにと思ってしまう。
鏑木とぴぷるの関係がそういう意味でのオチなのだが、結果的に効果的に描かれていない。
AIロボがディープラーニングで、人間とAIロボとの関係性を最適化しようとすればするほど、人間には「心」がある以上、溝が深まるばかり。
結果的にAIロボは「自分がいない方が、鏑木の満足度が上がる」という計算結果になってしまうために「自滅の道に進んでしまう」というオチ。
これは面白いし、未来でディープラーニングが進み過ぎると十分にあり得る話なのではないだろうか?
AIロボには心が無いはずなのに、「私と一緒にいると彼を不幸にしてしまう」というこじらせ恋愛女子のような行動を取ってしまうというのは、これはこれで面白いのではないか?
このオチを中心に、鏑木と深山の人間同士の恋愛を絡めていけば、ストーリーが面白くなったのにと思ってしまった。
そんな事を想像しながら、読んだ小説だった。
と言いつつ、これはこれで若者たちが軽く読めるものとしてはよいのではないだろうか?
(2020/4/30)