ラノベなのだが、本書は紛れもなく怪作である。第36回ファンタジア大賞受賞作。
日比谷焼き討ち事件を端緒とする言論統制を目的とした政府による作家に対する権力の横暴。そして社会主義者による暴力に対して漱石は武装組織「木曜会」を立ち上げる。そして漱石は個人主義を大義に掲げ、暴力には暴力で対抗した。
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そんな中で漱石は暗殺され、その脳が冷凍保存されていたかつての婚約者樋口一葉の体に移植される。それを手配したのは森鴎外。そして執刀したのは野口英世である。
その頃、作家たちを襲い脳を持ち去るという事件が起きていた。この猟奇的殺人犯「ブレインイーター」とは何者か?その目的は?
そして漱石は樋口夏子と名乗り、夏目家の元女中禰子を護衛として女学校に教師として赴任するのだが…
ラノベ侮れませんね。いや面白い。新聞の書評欄で見て、このぶっ飛んだ設定にワクワクしました。歴史上の人物やら文豪がたくさん登場してきます。作者は文豪たちについて、よく勉強されていると思いました。