早瀬耕のレビュー一覧

  • プラネタリウムの外側

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    未必のマクベスよりも面白かった
    会話の空気感がすごく心地良い。
    合わせ鏡の話も興味深い。
    未来はなくあるのは過去と今だけ

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    2026年03月21日
  • グリフォンズ・ガーデン

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    何とも不思議な余韻を残す物語でした。現実の世界とプログラムの世界を行ったり来たりしている間に、どちらが、現実なのかわからなくなりました。
    このかたの小説は、独特の佇まいがあり、私は気に入っています。

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    2026年02月23日
  • グリフォンズ・ガーデン

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    胡蝶の夢のような物語だった。現実世界と仮想世界を交互に行き来しながら、二組の恋人たちが楽しげに工学や数学、哲学、認知科学的な話を語る様が会話劇として魅力的。難解さを含みつつも言葉選びが詩的で心地よく、すらすらと読めてしまうので不思議。

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    2025年09月07日
  • プラネタリウムの外側

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    ネタバレ

    読書備忘録758号。
    ★★★★★。ちょっと悲しくなったので5つ。

    サブタイトルにあるように、グリフォンズ・ガーデンの後日譚短編集です。
    知能工学研究所(グリフォンズ・ガーデン)が閉鎖され、有機素子コンピュータは北大工学研究室に移譲された。
    そして型番がイッコ進んでいてIDA-Ⅺとなっている。
    コンピュータを構成するブレード上で会話プログラム(いわゆる自己学習型AI)が動作しているという背景設定で物語が語られる。コンピュータを管理しているのは南雲薫助教授。
    短編が進むに従い時間がちょっとずつ進んでいく形式。

    【有機素子ブレードの中】
    航空会社が運行する3泊4日の寝台特急。下関⇔釧路を走破する旅。この列車に乗り合わせた北上渉と尾内佳奈。
    二人は意気投合して旅を道連れる・・・。
    ただ、渉が時々つぶやく・・・。つまらん、とか、彼が設定してるとか・・・。
    この時点で気づく。どうやらこれはブレードの中の仮想現実の中。
    北大工学研究室のぼくがプログラミングしているようだ。"ぼく"は、助教の南雲薫とAI会話プログラムを使った出会い系サイトを運営しており、年商で億を稼いでいる。バレたら助教をクビになること必至!
    そして、仮想現実の渉はどうやら、自分がプログラムであり、プログラミングした"ぼく"を意識して行動している。"ぼく"はこのブレードだけ処理が暴走仕掛かっているのを気にしている。バグか?
    そして、バグに気が付く!そこは設定していない!

    【月の合わせ鏡】
    "ぼく"は突然死していた・・・。
    プログラミングを没入すると3日徹夜するような不健康な生活が祟り、バグに気が付いた時に心不全に陥ったみたいです。
    通信工学専攻の"ぼく"(前話のぼくではない笑)は鏡に写った世界は現在ではないことにこだわる。光には速度があるので、鏡で反射した世界が目に飛び込んでくる時には時間は進んでいると。過去が写し出されていると。
    この合わせ鏡を無限に繰り返すと・・・。
    "ぼく"は南雲のところを訪れ、ブレードにこの世界を構築する提案をする。南雲のところで契約社員として働いているのは尾内佳奈(笑)。"ぼく"と付き合っている。
    ただ、この短編の本当の物語は南雲がキーボードで会話している"ナチュラル"と呼んでいる会話プログラムの存在。南雲は突然死した唯一無二のパートナーであった"ぼく"をAI生成したのだ。その会話、友人との会話から離れられない南雲薫、過去に雁字搦めとなり前に進めない悲しさが主題だ。

    【プラネタリウムの外側】
    工学部の佐伯衣理奈。
    教授の藤野奈緒に会話プログラムを作りたいと相談する。ここで藤野奈緒登場!グリフォンズ・ガーデンで主人公の上司だった女性ですね。どうやら、主人公と結婚して幸せに暮らしている模様・・・。笑
    奈緒は、衣理奈に南雲のところに行けと指示する。
    そして、南雲は不承不承、衣理奈の要望を受けいれてブレードを一つ割り当てる。
    そこにプログラミングしたAIは自殺した友人、川原圭であった。衣理奈と圭は高校時代交際したが別れた。そして大学では恋愛以上の友人関係を構築した。そう、圭は同性愛者だった・・・。圭には気になる男性がいたが、そいつはどうしようもないやつ。告白したい圭を引き留める衣理奈。しかし、圭は告白してしまい、結果、瞬く間に圭が同性愛者であることが学内に広まった。
    そして圭は札幌駅で電車に飛び込んだ・・・。
    圭の自殺を思い留まらせたい!その一心で圭のAIと会話する衣理奈。しかし、なんどやってもプログラムは強制終了してしまう。要するにプログラムの自死。
    このままでは、衣理奈は永遠にこの無限ループから抜け出せなくなる。衣理奈を救うために"ナチュラル"が書き換えた。衣理奈を無限ループから救い出す。同時にそれは過去に雁字搦めになっている南雲を救うためでもあった。
    プラネタリウムという天動説の世界と、その外側である地動説の世界。う~ん!深い!

    【忘却のワクチン】
    経済学部の"ぼく"。高校時代の彼女だった香織のリベンジポルノがネットに拡散された。
    "ぼく"はなんとかそれを消したい。どだいそんなことは無理。いろいろ相談したが、無理と断られる。唯一無理と言わなかったのは工学部の佐伯衣理奈。
    南雲と相談する。南雲はナチュラルと相談する。
    消去の方法はあった。それは人間が記録をコンピュータに依存し、それを元に記憶を保っている構造を逆手に使った驚くべき方法。ウィルス+対処ワクチンによる記録の消去と、人々の記憶の改竄であった。
    これはAIが人間の心に踏み込む禁忌であった・・・。

    【夢であう人々の領分】
    出会い系サイトを運営する南雲と佳奈と衣理奈。
    3人は社員旅行として、釧路から下関の寝台特急を楽しむことにした。しかしそれは別の目的もあった。
    偶然ではなく乗り合わせた奈緒。
    AIがヒトの心の領分に踏み込む禁忌を危惧し、出会い系サイトの閉鎖と、IDA-Ⅺの初期化の命令であった。
    そして初期化。南雲はつぶやく。ここは設定しているか?と。

    素晴らしい幾何学的恋愛小説でした。
    現実と仮想現実がフラクタル構造になっており、工学系の読者の心を鷲掴みにする。それでいて、切ない恋愛小説。なかでも表題作が圧巻。
    ただ、男がモテすぎるのがちょっと嫌ですね!笑

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    2023年08月22日
  • グリフォンズ・ガーデン

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    現実世界とコンピュータ内に作られた世界が交互に語られる。
    工学、認知、哲学、いろんなやりとりがロマンチックに聞こえる不思議。
    そして早瀬さんが書く女性が魅力的なんだよ。そうなんだよ。(こんな人いるわけないじゃん、というツッコミは無視します)

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    2023年06月02日
  • プラネタリウムの外側

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    なぜか本棚に飾ったままになってた本。『十二月の辞書』を読んだので、いい機会だと思って読んでみたら、ちゃんと好きだった。
    たぶん知識的なところは半分も(もっと)理解できてないけど、出てくる登場人物が魅力的に見えることだけは間違いない。
    何かを失って、それでも誰かに支えられながら進んでいく姿は美しい。
    あと主人公モテて羨ましい。

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    2023年05月29日
  • プラネタリウムの外側

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    初めて読むジャンル。
    有機素子コンピュータ関連など、やや難解な内容も多分にあるところ、そのあたりが実際よく分からなくも、なぜか透明感のある恋愛の記憶が、合わせ鏡のように連なる感覚がある。
    明確な理解以上に、感覚として、人の記憶が記録に動かされている不透明さと、それを頭で感じながらも、目の前の人の手をとる純粋な人間らしさみたいなものが、絶妙な文章表現を通して伝わってくる。

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    2023年01月09日
  • プラネタリウムの外側

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    有機素子コンピュータがつないでいる、
    とんでもSFという印象。
    グリフォンズ・ガーデンを先に読んでいてよかった!!!と思ったが、
    読み終わった頃には、逆で読んでいたらそれはそれで面白そうだと思った。
    ここまで影響力のあるAIの存在、また人間の本質的な記憶に対する問いかけはハッとさせられる。

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    2022年02月18日
  • グリフォンズ・ガーデン

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    未必のマクベスから早瀬耕に入り、購入。
    圧倒的に相性のいい書き方。
    テンポも工学的な話がつらつらと、
    そしてSF的に進んでいく話はすらすらと読める。
    よき。

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    2022年02月18日
  • プラネタリウムの外側

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    とても好きな物語だった。
    専門的なことは難しくて完全には理解できなかったけど、物語の設定、題名がとてもよかった。もう一度読みたい。

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    2021年03月04日
  • グリフォンズ・ガーデン

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    ネタバレ

    繋ぎ留められている、のか、
    繋ぎ留めてくれている、のか。


    大学の頃、「女の子と会話してると選択肢が見えて、その選択肢の中からどれを選べばこの子とのルートに乗れるのかが直感的に解るんだ。バックグラウンドで動いてるプログラムが俺には見える」と云っていたバイト先のM君。
    エロゲのやりすぎで頭おかしくなったんだと思ってたけど、実は彼はもっと凄いことを云ってたのかもしれない。
    …いやいや。ルートに乗るってなんやねん。


    さてさて。
    なんてロマンチックなんでしょうね、これは!
    恋愛小説としても勿論、なんていうか論理的ロマンに溢れているというか…
    もちろん全体の構造と、それによって提示されるミステリ的な魅力も大きくあるのだけれど、
    んーなんというか、そのへんはもう、思考の先にある必然で。
    論理を突き詰めた先にあるものが、それがどれだけ馬鹿げて見えたとしても真実である、という言葉を思い出しました。

    奇書、と呼ばれるものの多くが、論理的にありとあらゆる可能性を追求する迷宮のような構造をしているのに似ているようでいて、
    その迷宮が、実は恐ろしく身近にあるものなのだと知らされてぞっとする。
    けれど、そのぞっとする感覚には続きがあって。
    日々の暮らしの中で、どうにか騙し騙し宥め賺している違和感―疎外感? ちょっと違う。乖離している、ズレている、という感覚。此処に居るのだけれど、此処に居ない感覚? 浮遊感、というのがいちばんしっくり来るかもしれない、そんな感覚、に、そのぞっとする感覚が繋がったとき、
    自分が全く逆の意味でぞっとしていたのだと気付いてしまったり、して。


    ……はふう。
    とにもかくにも登場人物がまったく、なんていうか浪漫武器で、その会話と云ったらもう、読んでてにこにこしてしまいました。
    きっと何度も読み返すんだろうなぁ、と久し振りに素直に思えたので☆5です(そういえば元々そんな基準だったような気がしてきた。)

    General-Purpose Humanの章とMiniature Gardenの章がいまのところお気に入り、ですが、きっと読み返すタイミングに依って変わるのでしょう。単行本から削られてる部分もあるとか云われるとそれも気になる…うーむ。
    ちなみに現代のGoogle日本語入力はふいんき、で雰囲気に変換してくれます。便利さは罪か?

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    2019年06月13日
  • プラネタリウムの外側

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    AIを扱ったSF小説なのだけれど、恋愛小説なんだと思う。大学の研究室で作成した会話ソフトを利用して行なっている内緒の副業、疑似恋愛のチャットサービスを巡る物語。どこまでが現実なのか、AIに誘導されているのではないかと、読んでいて境界が曖昧になってくる面白さ。

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    2019年05月22日
  • プラネタリウムの外側

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    ネタバレ

    自動会話プログラムを中心にした短編集であり、かつ一連に繋がったストーリーで、テーマも「無」や「過去」のような抽象的なものからから、「リベンジポルノ」というような現代的なものまで題材になっていて多様性も感じた。何となく古い感じがするのが不思議だったが、20年以上前のデビュー作のテーマを継承していると知って、その影響もあるのかなと感じた。機会があればデビュー作も読んでみたい。

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    2026年03月01日
  • プラネタリウムの外側

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    フラクタル的な世界観とメタ的視点が重なって独特な雰囲気の作品。
    著者の早瀬耕さんは、青春、恋愛、労働、SFなど様々な要素をブレンドして物語を編成する力がすごい。小説としてのロマンがあるし、どこか普通とは一線を画しているなと思う。

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    2025年07月07日
  • プラネタリウムの外側

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    一話目難しすぎて挫折しかけたけど、二話目からはだんだん世界観にはまってきて、表題作がとにかく切ない。語彙力が追いつかずうまく表現できないのがもどかしい…

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    2024年09月01日
  • プラネタリウムの外側

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    全体的に良かったが、少し難しい内容であった。
    最後の終わり方は、南雲と佐伯が結ばれる描写なのだろう。元カノとは誰なのか。なぜ佐伯と繋がっているのか、三千万の家とは?グリフォンズガーデンを読むと謎が解決するのだろうか?

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    2024年06月10日
  • プラネタリウムの外側

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    温かい血の通った幾何学的恋愛小説。めちゃくちゃ面白かった!もっともっとAI化が進んでいったらそれこそ記憶は無くすことは意外に簡単で記録が真実に変わって、何がなんだからわからなくなりそう。もう分からないともならないのかな。悲しいからわたしだってノートに鉛筆で書き留めるし、交換日記なんかもしてやろうかなと思った!

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    2023年05月12日
  • プラネタリウムの外側

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    グリフォンズ・ガーデンの後日譚とのこと。
    グリフォンズ・ガーデンは昔に買って捨てられない本の一冊。
    グリフォンズ・ガーデンをもう一回読み直してみようと思う。文庫版は大幅に加筆修正されているみたいなので。
    コンピュータ内に世界があってそこに住む人の話、よくあるようでいてこの筆者の作品は、雰囲気が違う、それが良い。
    グリフォンズ・ガーデンの後に長く本を出されていなかったようだが、少し前から執筆を再開されていたらしい。嬉しい。

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    2022年01月04日
  • プラネタリウムの外側

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    最初は意味不明で読み進めるのが大変だったが、AIを使って死者とチャットをする内容が理解できて興味深く読めた。
    確かに思考論理をディープラーニングさせれば、生者と死者の会話も将来的に可能になるかもしれない。

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    2021年10月28日
  • プラネタリウムの外側

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    月から地球まで、光は2秒で届く。では、地球と月で合わせ鏡をするとどうなるか?気になった方は読んでみてください。

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    2021年04月16日