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札幌の研究所に就職した青年は、有機素子コンピュータの中にひとつの世界を構築する――3月刊『プラネタリウムの外側』前日譚、大幅改稿のうえ26年ぶりに文庫化。
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Posted by ブクログ
胡蝶の夢のような物語だった。現実世界と仮想世界を交互に行き来しながら、二組の恋人たちが楽しげに工学や数学、哲学、認知科学的な話を語る様が会話劇として魅力的。難解さを含みつつも言葉選びが詩的で心地よく、すらすらと読めてしまうので不思議。
現実世界とコンピュータ内に作られた世界が交互に語られる。 工学、認知、哲学、いろんなやりとりがロマンチックに聞こえる不思議。 そして早瀬さんが書く女性が魅力的なんだよ。そうなんだよ。(こんな人いるわけないじゃん、というツッコミは無視します)
未必のマクベスから早瀬耕に入り、購入。 圧倒的に相性のいい書き方。 テンポも工学的な話がつらつらと、 そしてSF的に進んでいく話はすらすらと読める。 よき。
高校生の時に読んだ時より三割増ぐらいで理解できた。一つの世界が終焉に向かう虚ろな感覚が、多分、現実世界に住んでいるハズの自分をゾッとさせた。読んでいるうちに自身の存在に疑いを抱くまでがこの物語の真価。
先日未必のマクベスで初めて早瀬耕作品に触れ、過去の作品も手にとってみました。これが大学の卒論として書かれた作品ですか。すごいな。
難しいのに、すらすらテンポがいいので夢中で読めた。 しかも、これって1992年に発表されたんですね! 無限の物語なんてあるのかな、、、 エントロピーが高い物語でした。
世界は所与なのかな、、、 どうであれ楽しく生きれればなんでもいいけど、そんな楽観的な阿呆にいろいろ考えさせてくれたこの本に感謝。未来においてインプットされた記憶!って頭でずっとぐるぐるしてる!ずーっとぐるぐるしてる!
崩壊する世界と自己組織化により構築される世界、互いの境目が次第に曖昧になって循環する様がとても綺麗。
繋ぎ留められている、のか、 繋ぎ留めてくれている、のか。 大学の頃、「女の子と会話してると選択肢が見えて、その選択肢の中からどれを選べばこの子とのルートに乗れるのかが直感的に解るんだ。バックグラウンドで動いてるプログラムが俺には見える」と云っていたバイト先のM君。 エロゲのやりすぎで頭おかしくな...続きを読むったんだと思ってたけど、実は彼はもっと凄いことを云ってたのかもしれない。 …いやいや。ルートに乗るってなんやねん。 さてさて。 なんてロマンチックなんでしょうね、これは! 恋愛小説としても勿論、なんていうか論理的ロマンに溢れているというか… もちろん全体の構造と、それによって提示されるミステリ的な魅力も大きくあるのだけれど、 んーなんというか、そのへんはもう、思考の先にある必然で。 論理を突き詰めた先にあるものが、それがどれだけ馬鹿げて見えたとしても真実である、という言葉を思い出しました。 奇書、と呼ばれるものの多くが、論理的にありとあらゆる可能性を追求する迷宮のような構造をしているのに似ているようでいて、 その迷宮が、実は恐ろしく身近にあるものなのだと知らされてぞっとする。 けれど、そのぞっとする感覚には続きがあって。 日々の暮らしの中で、どうにか騙し騙し宥め賺している違和感―疎外感? ちょっと違う。乖離している、ズレている、という感覚。此処に居るのだけれど、此処に居ない感覚? 浮遊感、というのがいちばんしっくり来るかもしれない、そんな感覚、に、そのぞっとする感覚が繋がったとき、 自分が全く逆の意味でぞっとしていたのだと気付いてしまったり、して。 ……はふう。 とにもかくにも登場人物がまったく、なんていうか浪漫武器で、その会話と云ったらもう、読んでてにこにこしてしまいました。 きっと何度も読み返すんだろうなぁ、と久し振りに素直に思えたので☆5です(そういえば元々そんな基準だったような気がしてきた。) General-Purpose Humanの章とMiniature Gardenの章がいまのところお気に入り、ですが、きっと読み返すタイミングに依って変わるのでしょう。単行本から削られてる部分もあるとか云われるとそれも気になる…うーむ。 ちなみに現代のGoogle日本語入力はふいんき、で雰囲気に変換してくれます。便利さは罪か?
専門用語と難解な会話が多すぎて、半分どころか九割方理解できていないような気がするのですが、それでも嫌になることなく読み進めていける不思議。主人公はじめ、いかにも理系らしい、「めんどうくさい」考え方が、見ようによってはとても純粋で可愛らしいです。 このお話も、リアルと非リアルの境界が曖昧で、白昼夢...続きを読むや幻覚めいた世界に浸るのがまた楽しい。せめて半分理解出来たらな……もっともっと面白いんだろうけどなぁ……。
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