古谷敏のレビュー一覧
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初代ウルトラマンのスーツアクター古谷敏氏の回顧録。
メロドラマ映画の主役を目指し、役者の世界に飛び込んだ若者が顔を見せない配役に選ばれる。その葛藤はこの本だけでは語り尽くせないと思う。それでも、彼は仲間や子供たちの笑顔に支えられ、自分だけのウルトラマンを創り出す。
しかし、彼のピークはそこまでだった。
ウルトラマンが終了後の俳優業引退、起業、結婚、消息不明のことについて、多くを語っていない。つらい、不器用な人生を送ってたんだろうと察する。
でも、彼はウルトラマンでの苦労があったから、昔の仲間の後押しで、再び表舞台に帰ってくることができた。その結果が、この本だ。
不本意な仕事・人生だったけど、その努力は誰かが見てくれている。ウルトラマンの撮影秘話も興味深いが、彼のおとぎ話のような人生に感動した。 -
Posted by ブクログ
ウルトラマンスーツアクターの古谷敏、漫画家やくみつる、ライター佐々木徹による楽しい対談。
ウルトラマンといえば、子供の時、ソフビで手に入れたテレスドンや、今回取り上げていたゴモラ、ジラースのような恐竜よりの怪獣が好きだった。ダダやバルタン星人、メトロン星人は怖かった印象がある。
そんな怪獣とウルトラマンの戦いにフォーカスを当てた本書。古谷さんの当時の感想や裏話が興味深い。
「鬼滅の刃」が敵役にもやむに止まれぬ背景、理由があるエピソードを取り入れたと、高い評価が言われているが、その本家本元はウルトラマンではないか。
人類の身勝手さによって生まれたり、連れてこられた怪獣たちに罪は無く、勧善懲悪ではなく、悲哀を表しながら戦っていく。日本人の優しさを1960年代から子供向けに作っていた意義を感じた。 -
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初代ウルトラマンのスーツアクター、ウルトラセブンのアマギ隊員役としてウルトラマンに関わった古谷さんの自伝。
スーツアクターなんて言葉がなかった時代、スタッフと試行錯誤してウルトラマンを作り上げる様子は読んでいて興奮させられる。映画に憧れ東宝ニューフェイスとしてデビューしテレビ作品に鞍替えした著者から見た当時の映画界やテレビも興味深い。
著者はウルトラセブン後に俳優を引退しイベントプロを立ち上げるが残念ながら失敗。そのあたりはまだ人に話せるほど気持ちが整理できていない様子。いつか話せるようになるといいな。
幼少期からこの本を書くきっかけのウルトラマン俳優たちとの再開まで、全編通して著者の素朴な人柄が伺える爽やかな文章で気持ちの良い読後感にさせてくれる一冊。 -
Posted by ブクログ
・初代ウルトラマンが好きで、三回変化したウルトラマンのマスクが判別できて、スーツアクターがセブンのアマギ隊員ってことぐらいを知ってる人なら楽しめる。さらにマニア度が高い人ほど、本書の面白みを味わえるだろう。
・ウルトラマンを、世界観やら社会風刺やらという側面から捉えた著作は数多いが、編著者が自負する通り、戦いそのものにフォーカスをあてたものは、これまでになかったように思う。幼少期に視聴していた頃は、そのシーンこそが楽しみであったはずなのに、虚をつかれた感じだ。
・タイトル通り、名勝負が10番、取り上げられているわけだが、戦いそのものに焦点をあてているので、その顔ぶれには「?」と感じるものもあるかも知れない。それがまたよい。そして、その時にどんな感情が現場にはあったかを、実際にそこにいたスーツアクターの古谷敏が語るのだから素晴らしすぎる。しかも、ブルース・リーがジラースの回を参考にしていたかも知れない、なんてエピソードまで飛び出したりして、初代マン好きな人にとってはちょっと「奇跡」のような本です。 -
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今年はウルトラシリーズ誕生から45年です。
ボクらの世代では、やはり、オリジナルウルトラマンです。初代というか、第一次というか。
で、その中の人であったのが、この著者、古谷敏さんです。
読んでいて思うのは、俳優としては不遇だったのかもしれないけど、もぉ、いい人すぎるんじゃないの?ということ。
行間からいい人汁があふれてきてるのです。淡々と衒いなく活写されている、昭和40年代のあのころが、懐かしい。
誰かの悪口などはありません。が、一箇所だけ、古谷さんに対して態度の超悪かったスタッフのことがでてきますが、それは本人が怒る前に尊敬する監督が叱ってくれたということで、監督へのお礼になっています。
その他、イデ隊員の二瓶正也さんやアラシ隊員の石井伊吉さん、アキコ隊員の桜井浩子さんのことなどが、お礼の言葉とともに語られます。
タイトルからもわかるように、スーツアクターであっても、主役であり、これまでのウルトラマンを初め、その亜流までもの流れを決定づけたマンのことに紙数がさかれています。
アマギ隊員役で出演していたウルトラセブンのことは、あまり書かれてはいません。
といっても、自分がオリジナルであり、魁であるというようなエラそうなことは一言も書かれていません。やはり、繰り返されるのは失敗と葛藤と周囲への感謝の言葉。
苦労と言っても、ウルトラマンの水中撮影でスーツの中に水が入ってきて死にかけたとか・・・。
熱中症でいつも吐きながら演技をしていたとか・・・。
(ボクも学生時代にかなりやったので、身を持ってわかります)
ほんとは、俳優を廃業し、成功していた会社も倒産し・・・もっと辛かったことは山ほどあったのだとおもいます。
でも、そんなことは全くスルーされています。
本当に心優しいヒーローだったんだなあ。
YouTubeで古谷敏さんの出版記念パーティーが観られます。
これを観ただけで、彼のすばらしさがわかります。
まだまだ、格好いいんで、俳優として観てみたいです。 -
Posted by ブクログ
・著者(楽手ブックスより)
古谷敏(フルヤサトシ)
1943年東京生まれ。俳優。1966年、初代ウルトラマンとして伝説となる数々の名シーンを演じ、その後のウルトラマンのアクションやポーズの原型を作り上げた。
「ウルトラセブン」でアマギ隊員を演じた後、俳優を休業。株式会社ビンプロモーションを設立し、イベント運営にたずさわった。
・本書について(楽天ブックスより)
伝説の初代ウルトラマンのスーツアクター、古谷敏の初めての回想録。スペシウム光線やファイティングポーズの由来など全ウルトラマンの原型を作り上げた1年間の真実を、新たに発掘された写真と共に語り尽くす!
・お薦め度
☆☆☆☆
私はウルトラのプチおたくである。だから本書のお薦め度合いは高い。
古谷さんは、ウルトラマンというよりはウルトラセブンのアマギ隊員にイメージが強い。たしかアマギ隊員は名古屋出身だった。
本書はどちらかというとアマギよりはウルトラマンに関する内容が多くを占める。
ウルトラマン自体が初めてのことで、誰もノウハウがない時代に、試行錯誤を重ねながら撮影していた箇所は読み応えがある。
中に入っているのも相当な負荷があったようで、辞めようと決心したこともあった。
しかし偶然乗り合わせたバスの中で子どもたちが話すウルトラマンを楽しみにしている会話を聞き、辞めることを思いとどまる。
40年以上前のことをよくここまで覚えているなと関心するが、相当に苦労したからなのだろう。
後段のアンヌ(ひし見ユリ子)とのやりとりも読んでいて興味深い。
ところでアマギってどんな漢字で書くのだろう。子どものことからの疑問だのだが。