いつか読もう…いつか読まねばと思っていた。
ユダヤ人精神科医でアウシュヴィッツなどの強制収容所を体験したフランクル。その体験を、学者としての冷静な視線で記録している。
強制労働、チフスの蔓延、収容所の移動、そして解放から愛する家族の喪失を知るまでを、感情に走ることなく綴る。
収容者だけでなく、ナチス側の心理やナチスに重用された囚人たちについても、精神医学的解釈を述べる。
決して過去の事例として見過ごしてはならない。
70年近く版を重ねている。訳文に多少古めかしい表現があるけれど、絶版にしない みすず書房に感謝したい。