著者のプロフィール、信州大学医学部特任教授、北アルプス医療センターあづみ病院非常勤医師、・・・信州大学山岳科学総合研究所部門長、・・・中国・天山山脈の未踏峰・ボゴダオーラ峰に医師として同行し自らも登頂、などなど凄すぎる経歴を拝見し、それだけも本書の内容が真実であることを信じるわけですが、自身が文系だからなのか、科学的センスがないからなのか、消化不良だからなのか、正直のところ、期待したほど面白くなく、わかりにくかったです。
10年以上も本書の主題である「インターバル速歩」を研究されてきた著者であるならば、もっとわかりやすく、もっと面白く書けたはずと感じます。
以下、自分で理解できたと勝手に思っている部分。
・運動生理学的にいうと「体力」は、「持久力」と「筋力」で確認できる。
・その「持久力」が高い人というのは、大気中の酸素を体内に取り込む肺などの呼吸器系の能力と、その酸素を筋肉に運搬する能力を併せ持っている。
・「持久力」は、「最高酸素消費量」で能力評価できる。
・富士登山のデータを見ると、「最高酸素消費量」と登場にかかる時間との間に逆相関がみられる(多いほど、短時間で登頂できる=持久力あり)。
・一方「筋力」のほうは、筋肉に「速筋」と「遅筋」というのがあり、100m走のような無酸素運動では、「速筋」を要するのに対し、マラソンのような持久力を要するスポーツでは「遅筋」が必要なようである。ウォーキングは「遅筋」のほうのようだ。
ウォーキングでよく言われる「1日1万歩」について、これが体力アップにつながるかデータ分析されたようですが、血圧が少し下がるのと、血液が少しサラサラになるくらいで、体力の顕著の向上は見られなかったという結論が書かれていました。その理由は、この一般的な歩き方では、運動強度が低い(つまり負荷が少なすぎる)からということでした。
1日1万歩あるいている人は、負荷をかけずブラブラと、あるいはダラダラと歩いているだけだから効果がないんだというような言い回しです。
それに対抗するのが、インターバル速歩で、最高酸素消費量×70%以上の速歩を3分間、続いて最高酸素消費量×40%以下のゆっくり歩きを3分間。それをワンセットとして1日5セット、それを週4日以上、そして5か月継続することで効果ありとのことでした。
70%以上の速歩とか、40%以下のゆっくり歩きなんて、数字を示されてもわかんないですよね。コレ読んでも、せいぜい自分の感覚で速歩3分、ゆっくり3分を繰り返すのが精いっぱいで、あんまり科学的じゃないなぁと感じるわけです。
なぜ5セットなのか、なぜ週4日以上なのか、なぜ5か月継続なのかの根拠も明記されていなかったように思うのです。
運動形態を問わず個人の最高酸素消費量を60%の強度を目標に、30分/日、3~4日/週、3~6か月やれば、年齢、性別、初期体力に関係なく、最高酸素消費量が初期値に比べ10~20%向上するという実験結果が書かれていたので、それが根拠ということなのでしょうか。
インターバル速歩は、うつ病にも効く、認知症にも効く、関節痛の改善にも効く、骨粗鬆症にも効く、と良いことづくめで書かれていましたが、何かデータの裏付け説明が科学的には感じられなかったです。データのサンプル数も少ないし。ちょこちょこっとできる範囲でデータとって、結果を誘引したように見えないこともない(そんなことはないと信じてますが)。ともかく、タイトルが「科学」なのに、ブルーバックスなのに、少し手抜きっぽく感じてしまいました。
それでも、(速歩3分+ゆっくり歩3分)×5セット×4日以上/週×5ヶ月を実践し、乳製品(プロセスチーズやヨーグルト)を摂取すれば、最高酸素消費量というのが向上し、それによって心機能が向上し、基礎代謝も向上し、血圧が下がり、心筋梗塞や脳疾患、循環器系疾患の予防に役立つのだろうということは、著者の経歴と研究の期間から確信できます。
意識は「負荷」をかけることですかね。いつでもどこでも手軽にできそうなので、実践してみたいと思います。