ダンテ・アリギエーリのレビュー一覧

  • 神曲 地獄篇

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    地獄に住む魂たちの中にも、ダンテが共感や尊敬を抱いている人物たちが、幾人か登場します。
    第5歌のパオロとフランチェスカ、第10歌のファリナータ、第15歌のブルネット、第26歌のオデュセウス、等。

    そして誰より、ダンテを導いてくれる準主役のウェルギリウスがそうです。
    彼らが当時のキリスト教会の価値観では、天国に行けないという事に、必ずしもダンテは納得してなかったのではないでしょうか。

    ウェルギリウスは、天国に座を占めるベアトリーチェから頼まれて、ダンテを救済することになりました。
    しかし、地獄にいる魂は、神に見棄てられ、天国からその存在自体を完全否定されている者たちです。
    キリスト来臨という

    0
    2025年01月23日
  • 神曲 天国篇

    Posted by ブクログ

    ダンテの『神曲』は中世の人々の死生観を考える上でものすごく興味深い作品でありました。


    『地獄篇』『煉獄篇』『天国篇』と続けて読んできましたが日本の地獄と浄土と比べながら読むのもとても刺激的なものになると思います。

    0
    2024年08月21日
  • 神曲 地獄篇

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    私が『神曲』を初めて読んだのは大学三年生の頃でした。今から10年以上も前です。ですがこの地獄の最下層の氷漬けの世界を初めて目にした時の衝撃は今でも忘れられません。

    「キリスト教の地獄の一番底は氷の世界なのか!仏教と真逆じゃないか!」と私は仰天したのです。

    0
    2024年08月21日
  • 神曲 天国篇

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「天国篇」第三歌・第四歌についての記述。
    生前、神への誓願を破った為に、天国で一番低い天球「月光天」に割り当てられた魂の一人、ピッカルダ・ドナーティ。
    彼女を通して「足るを知る」事の幸福が、美しく描かれています。

    ダンテから、より上天を望むかと問われて、ピッカルダはしばし微笑むと、初恋の火に燃える人のように嬉々として答えます。

    「わたくしどもの意志は愛の力で静まるのでございます。
     おかげでわたくしどもはいまが持つものしか所望せず、
     ほかのものに渇きを覚えることはございません。」
    (「天国篇」第三歌70行~72行)

    しかしダンテは、天国の住人にも階級があることに疑問を感じます。
    それに

    0
    2024年03月03日
  • 神曲 煉獄篇

    購入済み

    読み返す

    ダンテの神曲。
    いろいろな訳を3から4種類持っていますが、何度も読んでいるのはこちらの平川さんの訳です。
    挿絵もきれいで読みやすく一番気に入っています。

    #怖い #深い

    0
    2024年02月29日
  • 神曲 煉獄篇

    Posted by ブクログ

    煉獄とはなんぞや?地獄行きを免れた死者が天国を目指し七つの大罪を浄める贖罪の山である。鬼滅の刃は知らん。

    地獄篇のビジュアルが印象強い「神曲」だが、煉獄篇も非常に映像的。地下に降りていった前篇から、今度は山を登っていくという流れになり、雄大かつ峻烈な風景が描かれる。おどろおどろしさは薄れるものの、罪を償うべく過酷な労働を強いられる著名人が続々登場し感情移入を誘う。ダンテの額に肉、ではなくて七つのP(罪)の文字が刻まれ、七つの大罪に対応した環道を通過するごとに一つひとつ消えていく、というのもマンガ的で面白い。
    先生との別れの情緒と、ようやく出会えた夫人から受ける叱責の強烈さが見事なコントラスト

    0
    2022年03月12日
  • 神曲 煉獄篇

    Posted by ブクログ

    地獄編同様、一日一歌コツコツ読んだ。
    『神曲』を読む上で、思いつきで実行してきたこの読み方は案外有効なように思える。なぜなら、地獄〜煉獄を巡ることがいかに大変なのかを追体験できるからだ。途上でダンテは何度も挫けるが、その都度ウェルギリウスに励まされ、歩を進める。私も何度か読むことが億劫になったが、その度に自分で喝を入れて読んできた。

    だからこそ、ダンテがベアトリーチェに再開するまでどれだけ苦労したのかが、現体験を通じて感じることができる。

    閑話休題、煉獄編で特に惹かれたのはやはり美しい情景表現だ。第一歌から感動で鳥肌が止まらなかったのは鮮明に覚えている。これも地獄編をコツコツ読んできた後だ

    0
    2020年10月07日
  • 神曲 地獄篇

    購入済み

    好きこそ物の上手なれ

    訳者の平川さんは、ダンテ の神曲を原語イタリア語で読みたい訳したいという子どもの頃からの願いを持ち続けて、その夢を果たされたと記憶しています。
    神曲大好きという思いがヒシヒシと伝わってきて、ほんと読みやすいと思います。訳してくださってありがとうございます!といった感じです。

    0
    2020年08月14日
  • 神曲 地獄篇

    Posted by ブクログ

    2009年1月16日~17日。
     右のほほを打たれたら相手の左のほほを殴り返せ!
     というキリスト教の教えの本(キリストはそんなことはもちろん説いていないが)。
     自意識過剰男ダンテ(作者が作中の登場人物)が自分の気に入らない人間を地獄に落として呵責に苦しませている。
     そんな感じ。
     つまらなかったか?
     いやいや、物凄く面白かった。
     詩的な文章はそれこそ「文学!」って感じがするし、なによりもダンテ(作者としても、登場人物としても)が人間臭くて。

     それにしても、キリスト教ってのも自己中心的な教えだなぁとも感じた。
     洗礼を受けなかっただけで地獄(ま、辺獄ではあるが)に

    0
    2018年01月06日
  • 神曲 煉獄篇

    Posted by ブクログ

    2009年1月19日~20日。
     面白さからいったら地獄篇の方が上かも知れない。
     それでも、これは面白い。
     ベアトリーチェってのもかなり自惚れが強い女性だし、ダンテも案外傲慢で情けなくて、甘えん坊。
     キリスト教ってのもどうなの?
     結局は神の復讐の訳でしょ。
     なんて読み方はやはり邪道だろうか。

     訳者の平川氏の功績がやはり大きいと思う。
     この作品を盲目的に賛辞するのではなく、きちんと俯瞰してダメなところはダメ、首を傾げるところはおもいきり傾げる。
     そして懇切丁寧な注釈。
     大抵は注釈なんて斜め読みするんだけど、ここでの注釈は本当に役に立つ。
     痒いところにき

    0
    2018年01月06日
  • 神曲 地獄篇

    Posted by ブクログ

    崇高すぎて敷居が高く敬遠していたが、ドラマ「BORDER」の謎解きに出てきたので読んでみた。ダンテがラテン語ではなくトスカーナ方言で書いたのは、より多くの人に読んでもらいたかった故だろうし、分かりやすい平川訳で読んで正解だろう。
    「神曲」というタイトルは森鷗外の紹介文からきていて、原題は「喜劇」という意味の「Commedia」だそうだ。当時の人物名をバンバン出し、地獄で大変な目に遭わせ糾弾するというジャーナリズム的な意味もあったらしい。知識があればもっと面白く読めたろうに残念。
    大食らい、吝嗇、浪費、異教異端、暴君、自殺、男色、女衒、阿諛追従、聖職売買、魔術魔法、汚職収賄、偽善、窃盗、権謀術策

    0
    2014年06月08日
  • 神曲 地獄篇

    Posted by ブクログ

    いやあ楽しかった!ーー

    目の前に現れるリアルな地獄の凄絶なこと!
    おびただしい罪人がさまざまな苦行を強いられて、苦しんでいる。
    それをただただ目にし、目的地へそぞろ歩いていく。
    ダンテのおののきがこちらまで伝わってくる。

    読む前はもっと抽象的で難解な作品だと思っていた。
    それぞれの歌の前に訳者による「内容紹介」と、本文あとの注解により理解が進む。

    とにかく情景が具体的で生々しい!その情景を見るだけで読書の醍醐味を与えてくれる。

    おびただしい人名は読み飛ばして、ひと息に目を通しながら文章を味わうだけで大きく満足できる作品。

    よーし、煉獄篇天国篇もサクッと読んでいくぞ!!

    0
    2013年11月13日
  • 神曲 地獄篇

    Posted by ブクログ

    僕の予想に反し、結構わずかな時間で読み終えた。面白かったというのもあるし、訳がよかったのも大きいと思う。地獄で苦しんでいる人の描写が、人間的で生き生きしてるのが楽しい。煉獄編もこの勢いで読めてしまうかも。

    0
    2013年08月19日
  • 神曲 地獄篇

    Posted by ブクログ

     2000年のロンドンの「タイムズ」紙で「過去千年間の最高傑作は何か」というアンケートで選ばれた、700年以上も前の作品。

     ダンテがウェルギリウスの案内によって地獄・煉獄・天国への旅に出る。そこで様々な地獄絵図に遭遇する。

     蛇に巻かれた男が出てきたり、自分で自分の首を取って手で持ち歩く男がでてきたり・・・日本では出てこないような地獄の発想ばかり。

    0
    2013年06月05日
  • 神曲 地獄篇

    Posted by ブクログ

    ダンテの想像力、構成力に脱帽。それを大変解りやすく訳し、そして注釈をつけている、平川氏に感謝です。

    当時のイタリアで、l知りうる限りの歴史、自然、天文、数学などをふんだんに散りばめて死後の世界を描いてあり、おどろおどろしい場面がたくさんありながらも、楽しんで読めた。

    注釈のなかに『往生要集』がでてきたが、仏教の地獄絵巻とかなり重なる部分もあり、比べながらでも面白いかもしれない。

    先達のウェルギリウスが知的で包容力があって、素敵すぎます。
    続いて煉獄編を読みます。

    0
    2013年04月27日
  • 神曲 地獄篇

    Posted by ブクログ

    想像よりもずっと読みやすい。近所のに住む嫌いな人に対して、地獄に落ちているという描写をしてしまう、なんとも俗な感じがたまらん。面白い。

    0
    2012年10月18日
  • 神曲 天国篇

    Posted by ブクログ

    眩しいばかりの光で目が眩みそうだった。
    神学理論は難解で理解に苦しんだ。
    ベアトリーチェの美しさは抜きんでていた。
    聖母マリアの慈愛は心を溶かした。
    聖母の助けによって至高天に昇った時、全てがわかった。

    地獄を下り、煉獄の山を登り、天国で神の玉座まで上昇していく。
    「神曲」という建築物を駆け上ることができたのは、平易な現代語訳があればこそであった。
    ゴシック建築は立体的な聖書と言われるが、高校時代の無神論者であrと公言していた師が、フランスに旅行に行った折、シャルトル大聖堂に入り、思わず跪いて神に祈ったと語ったことが忘れられない。
    たとえ全てが理解できなくともこの3冊を読み通すと同じように神

    0
    2010年05月29日
  • 神曲 地獄篇

    Posted by ブクログ

    ずーっと読みたかったもの。難解なのかなと思っていたけれど、翻訳が良いのか面白い読み物として読めた。(叙事詩なので小説扱いではないと思う)続きがとても気になる。地獄は七つの大罪に関するもの。

    0
    2024年12月18日
  • 神曲 地獄篇

    Posted by ブクログ

    ようやく読み終えたという感じ。
    かなり読みにくい印象。
    キリストを裏切ったユダや、カエサルを暗殺したブルータスやカシウスが地獄の底にいるのはわかるが、マホメットさえも地獄にいるのには驚き。
    ローマカトリックのようなキリスト教の立場からすれば異教徒であるマホメットは大罪なようである。
    善悪で人を捌くこの本だが、個人的には好き嫌いで物事を見る方が好きだ。
    しかし、地獄の様はなかなかに激しい。
    天国を見る前に、しばらく地獄篇で休暇になりそうだ。笑

    0
    2022年08月17日
  • 神曲 煉獄篇

    Posted by ブクログ

    文学的美しさにおいては、平川祐弘訳の右に出るものなし。これをたった35歳の弱冠で訳し上げた平川先生はやはり学者としては超一級。

    0
    2021年12月13日