赤松啓介のレビュー一覧

  • 夜這いの民俗学・夜這いの性愛論

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    童貞や処女のいない昔の村社会…ファンタジーのような理想郷ではないか。少なくとも男性には(笑)。近所のお姉さんやおばさんの性教育で15の辺りの若衆には包茎もいなかった(驚愕)。眉に唾付けても読む価値あるよという上野千鶴子の解説も面白い。赤松先生晩年のブレイクは大月隆寛さんが仕掛けたってあのBSマンガ夜話の? 

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    2016年03月29日
  • 夜這いの民俗学・夜這いの性愛論

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     昔の農村は男女ともセックスしまくりの時代だったという著者の聞き取り調査+体験の話。刺激的でおもしろい。爆笑しながら読んでいた。

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    2015年05月09日
  • 夜這いの民俗学・夜這いの性愛論

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    今の山村の風景や日常の暮らしから、昼間の往時の暮らしを想像するのは難くない。
    秋祭りや地域の念仏など柳田的な行事は今でも形を変えて存在している。
    しかし、夜の暮らしがどうであったのかまでは想像できない。
    そのため興味を持って読み始めた。

    読み終わって脳裏をよぎったのは、太宰治の「人間失格」。
    あれって確か主人が2階にいるにもかかわらず、階下で女性が不義を働いたシーンがあったよなと。
    その時に違和感があった。女性は激しい抵抗をした描写もなく、太宰に通報した友人も面白そうにしているのだから。
    つまり太宰ひとりが深刻に捉えるのとは対照に、周囲はとてもあっけらかんとしていたのだ。
    もし、私の理解が正

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    2017年09月05日
  • 差別の民俗学

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    最近社会学とか民俗学の本を読まなくなって久しいが、ひょんな事から昨日購入して早速読み始めたら非常に読みやすい。この手の本を一日で読み終えたのは久しぶりです。

    古文や漢文のところや、色んな用語の意味がわからないことが多々あるが、そのあとの解説で全体として今でも主張が理解できるのは素晴らしいことだと思う。

    第3章が特に読み応えがありました。同著者の夜這いの民俗学とか非常民の民俗学も読んでみたくなりました。

    追記:沖浦 光赤著『幻の漂泊民・サンカ』文春文庫を引き続いて読んでいますが、赤松啓介先生の主張は少し行き過ぎの感があります。例えば、
    時代や状況など考慮する要素はあるにしても、柳田国男先生

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    2012年07月24日
  • 夜這いの民俗学・夜這いの性愛論

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    ネタバレ

    民俗学の父とされる柳田国男は「性と差別と犯罪」を排除してきたといい、
    明治維新以来の教育勅語的政策、その処世法の大衆化・普及に手を貸し手先となってきたのが柳田民俗学だ、と痛罵し、
    或いは「性とやくざと天皇」を対象としない「常民の民俗学」柳田国男に対し、「非常民の民俗学」を標榜した赤松啓介は、'90年代、時ならぬ注目の人となった。
    すでに80歳代の高齢にして、その著書は矢継ぎ早に出版され、また文庫化され、広く読まれることとなるのだが、本書巻末の解説において上田千鶴子は、この現象を「赤松ルネサンス」と賞揚する。

    私は以前に「差別の民俗学」を読んでいるのだが、本書は「夜這いの民俗学」と「

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    2012年02月23日
  • 夜這いの民俗学・夜這いの性愛論

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    現代の性愛倫理観というのが、いかに近代的・人工的産物であったかを痛感する。童貞必読の書。上野千鶴子の解説も良い。

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    2010年11月22日
  • 差別の民俗学

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    差別というものは、非抑圧な「一般」が張り切ってするもので、少数者にいたってはもう必死にするものなのだ、という当然なんだがあまり言われないことを、自分の体験を語るなかで述べている。中盤に、同じ説話についての3人の論文というのが載っていて、ここに南方熊楠のものが採録されていた。

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    2009年10月04日
  • 差別の民俗学

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    「夜這い」で有名な赤松氏の論集.柳田民俗学を痛烈に批判し,そこから漏れ落ちた非差別部落を初めとした差別の重要性を,著者が地べたを這いながら収集した様々の習俗から説き起こしている.

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    2009年10月04日
  • 夜這いの民俗学・夜這いの性愛論

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    公に語られてこなかった世界が見えてくる。赤松さんは、橋本壽賀子さんの「おしん」と同じ時代を生きた人。地域は違えどムラの最下層のリアルな生活を感じられ、特に筆おろしや水揚げ、柿の木問答、盆踊りの大掃除など通過儀礼の仕組みに感心した。個人が尊重される現代人の感覚で読んだら、虐待でしかないけれど。

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    2025年11月08日
  • 性・差別・民俗

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    150ページめちゃくちゃ同意。
    やはり今の日本はそれまでの性規範と明治以降の純潔貞操観念の悪いところ混ぜた悪魔合体なんだと改めて思った。

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    2025年10月09日
  • 夜這いの民俗学・夜這いの性愛論

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    こういうふうに語られずに忘れられていく文化が無数にあるのだろう……
    今とは乳児の死亡率が桁違いだっただろうし、性行為が「必須」だったことは理解できる。
    この本に書かれていることを現代の価値観で評価するのは、あまり意味がないと思う。ただ、現代の価値観とあまりにも違いすぎるため、そこそこ眩暈がした。
    もう無理だけど、女からの視点も知りたかった。その時代のムラやマチを生きた女が「記せる」状況にはなかったと思うから、悔しい。タイムスリップしたい。

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    2025年04月17日
  • 夜這いの民俗学・夜這いの性愛論

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    タイトルのパワーワードが示す通りなかなかインパクトのある内容です
    論文のようなものを2冊まとめた本なので全体的に長いのと読みづらさはどうしても感じます
    著者の方が実際に夜這いのある地域に暮らし経験した内容をまとめたものなので、そのリアルさや生々しさは一読の価値アリと思います。
    現代に生きる我々とは全く違った常識のある世界に触れることができ、著者が学者としての目線から「それは〇〇であることが起因している」という分析を添えてくれているのでこちらも「なるほど」と感心させられました。

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    2024年06月21日
  • 夜這いの民俗学・夜這いの性愛論

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    他の口コミにも多いけど、確かに重複するところは多くて、この話さっきも聞いたよ〜っていうお爺ちゃんの話聞いてる感覚、笑

    でも確かに思うのはお爺ちゃんの話って今では考えられないようなキテレツなことも多くてとても面白い。

    これを読んで疑問に思ったことは明治以前からも、初物が好まれるということ。なぜ男はそんなに女の初めてをもらいたいのかわからない。自分の種だとわかるからなのか!?
    でも夜這いが性教育として行われてた時も、初物は好まれると書いてあるが…
    なぜだ!!!!!!

    明治政府になり統制されて、「戦後のお澄まし顔民主主義」という表現は笑った。そのおかげで確かに、開放的すぎた性とは真逆に裏で事件

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    2020年12月07日
  • 夜這いの民俗学・夜這いの性愛論

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    民俗学の専門家が、夜這いをはじめとする戦前の性風俗について、実体験を基に書いたもの。長年にわたり関西を中心に体験したことが基になっており、ある一面と言えるかもしれないが、当時の実態をうかがい知ることができた。性に関しては、今では考えられないほどおおらかで、あけっぴろげだったことがわかった。一夫一妻制や、結婚まで貞操を保つといった風習は、明治以降の教育によって植えつけられ、広がっていったもので、戦前には地方を中心に夜這いは普通に行われていたと主張する著者の意見には説得力がある。性風俗を語らず民俗学の権威とされる柳田國男を強く批判している。参考になった。
    「婚姻の調査についても、柳田らがわかって

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    2018年10月21日
  • 夜這いの民俗学・夜這いの性愛論

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    高度成長期直前まで各地に残っていた夜這い慣行、自身の経験と聞き取りで語る。農村におけるきつい肉体労働、都市下層民の階層と役割の中で、共同体を維持するしくみだったこと。

    これから、時代劇を見たり小説を読んだりするときの見方が変わります。今と同じじゃないんだ、ということを常に念頭に置かなくては。

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    2017年11月25日
  • 夜這いの民俗学・夜這いの性愛論

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    ネタバレ

    昔の日本人は性に対してとても開放的であったのだなと思う。夜這い然り。混浴も然り。でも、田舎ではどこでもそんなに頻繁に夜這いが行われていたのかと驚いてしまう。赤松氏は民俗学の泰斗である柳田國男は夜這いを知っていながら、いっさい触れることのなかったことを「農政官僚だった柳田が夜這いをはじめとする性習俗を無視したのも、彼の倫理観、政治思想がその実在を欲しなかったからであろう」非難している。また、赤松氏は夜這いを肯定的に捉えているが、この風習の悪影響は多々あったと思われる。世の変化とともに消滅して良いのだと思う。

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    2016年07月16日
  • 夜這いの民俗学・夜這いの性愛論

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    本書は「夜這いの民俗学」と「夜這いの性愛論」が一緒になったものであるが、そのため内容が少々かぶっており、先ほど読んだ内容とほとんど同じ内容がまた繰り返されるということがある。その点が非常に煩わしかった。

    しかし内容については非常にためになり、少し低俗な民俗学にも見えるかもしれないが、実際フィールドワークを通じての事実であり、過去の日本の民衆の生活を知る上で非常に効果的だ。

    夜這いというタイトルだが夜這いだけにとどまらず、実際の当時の民衆の生活模様が詳細に描かれている。
    農村から都市への人口流出などの原因、当時の様々な職業の方々の生活など、セックス文化と生活が密接に関わりあっていることが少し

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    2015年08月23日
  • 夜這いの民俗学・夜這いの性愛論

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     ムラの性風俗、「夜這い」については宮本常一の『忘れられた日本人』にも印象的に記録されていたが、赤松啓介のこの本はもっと徹底している。
     乱交と言うほかはないような、相手を問わず、愛だのなんだのという暇さえない性の営みが、共同体を支える実体として、執拗にえがかれていく。かなりむき出しの、赤裸々なエロスの横溢である。この「性」エネルギーは凄い。半端でない。まじめな一昔前のヨーロッパ人がこの本を読んだら、
    「日本人はついこないだまで破廉恥な性の野蛮人だった! Oh, my god!」
    と絶叫するだろう。ジョルジュ・バタイユも村上龍も、この本に比べたら可愛いものだ。奔出するエネルギーの凄まじさにかけ

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    2012年12月16日
  • 夜這いの民俗学・夜這いの性愛論

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    昭和初期まで残っていた「夜這い」を中心とする様々な性風俗を、自らの経験を交えながら詳細に書き記した一冊。

    「一夫一婦制」を中心とした明治の性イデオロギー、近代日本の「恋愛=結婚=性交」イデオロギーが最近創作されたものであり、普遍的な歴史的事象ではないことを示し、柳田民俗学を中心とする体制迎合的なきれいな民俗学を批判する。

    この本は語りの文体をとりつつ、叙述されていくが、氏はもと「講座派」の正統派の民俗学者でもある。わざとこのようなくだけたスタイルで文を綴っているのは、整った学術的な文体自体が、表層しか探らないきれいな体制イデオロギーに迎合するものであるとの考えに立って書かれているからである

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    2012年07月30日
  • 夜這いの民俗学・夜這いの性愛論

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    ジジイの女遍歴昔語りか民俗学か…。全てを鵜呑みには出来ない内容だけど、現在の性規範のようなものが、日本の近代化・西欧化の中で、権力によってリードされたものであることがわかったような。ま、むずかしいとは抜きにして、おもしろかった。

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    2011年05月24日