赤松啓介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
かつてこの国のさまざまな村で見られた「夜這い」について、自身もその記憶を有する著者が、その実態を明らかにしている本です。
柳田民俗学における「性」というテーマの欠如は、たとえば南方熊楠との対話のなかでも浮かび上がっていましたが、著者はみずからの実践体験にもとづいて、たとえば「常民」という概念の抽象性を批判しており、たしかに民俗学にとって重要な問題提起になりえていると思います。もちろんそれは、民俗学に実践的な裏打ちがなければならないということではなく、民俗学という学問そのものの性格について正しい自己認識をもつためのきっかけになるという意味ですが。
こうした習俗があったという体験者の語りをみず -
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Posted by ブクログ
夜這いをテーマに、日本の性風俗(主に東播地方)についてまとめた1冊。
柳田氏の民俗学が表ならば赤松氏の民俗学は裏に当たるだろうか。赤裸々な庶民の性について詳しく書かれています。この本で説かれるのは夜這いの「開放」と「統制」の両立。どちらにもしっかりと理由があり、お国が掲げた貞操観念よりも合理的で人間的な仕組みであった事がうかがえる。もちろん、ヒトとヒトの事だからのっぴきならない事態も起こっていたのだろうが、現代人が想像するような野蛮な乱交劇で無かったことは確かなだ。出産、娯楽、信仰、…様々な要素を矛盾なく内包した我が国の性文化は、現代と違った意味で豊かな面をもっていた様である。
もともと2 -