小早川明子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ストーカー関連書籍で有名な小早川さんの著書。本書も示唆に富んだ内容だった。
類似本を読んで得た知識だと、メンタルと脳科学は別のアプローチだ。メンタル側に寄ってしまうとスピリチュアルになりかねない。個人的には脳科学からの物理的アプローチの方が理解しやすい。
本書では依存状態を根性論で治すのではなく、脳の癖を技術て修正する方法を紹介している。一週間ほど試してみたところ、たしかに気持ちが軽くなった。数秒の所作を行うだけで間違った脳の回線接続が正しい場所へと修正されていくのは驚きだった。
何となくだが、「生理的報酬」とは「期待」という感情がベースになっている気がした。
<アンダーライン>
★★ -
Posted by ブクログ
■男性ストーカーが女性のプライベートな空間を攻撃することが多いのに対して,女性ストーカーは男性の公的な場面を狙う。
■お金と愛は別物というように金銭の話が出てきたら解決は早いともいえる。
■第一信号系とは防御,接触,生殖という次世代を作るための本能行動と適応行動をつかさどる。
・本能を満たす行動の結果,生理的報酬を得る
・これが繰り返し行動を成立させる
・「本能行動」が過度に作動すると過度な「防御」反応としてPTSD,パニック,反応性抑鬱,自傷行為,放火が現れる
・過度な「摂食」反応では過食,病的な賭博や窃盗などが現れる
・過度な「生殖」反応は露出,痴漢,強姦となって現れる
・「適応行動」が過 -
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■ストーカーの五類型
①拒絶型(Rejected)
・親密な関係の崩壊を背景に発生する。通常,被害者は,かつて性的に親密な関係にあったものであるが,家族,親友及びストーカーと非常に近い関係にあった者もまた拒絶型のストーキングの標的になりうる。
・当初動機は関係を再構築しようとするか被害者が拒絶したことに対して復習をしようとするかのいずれか。
・被害者に対する明確な怒りを示し復習を望んだかと思えば,関係を取り戻そうとし被害者に対する相反する感情を示す
・殺人に至り世間を騒がせるストーカーの圧倒的多数がこの類型。
②憎悪型(Resentful)
・自分が酷い扱いを受けている,或いは何らかの不正の被 -
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別れさせ屋みたいだった。。けっこうストーカーに感情移入してしまう。著者の冷静さに圧倒されていたら、映画「刺青」の紹介のときだけやけにストーカーに入れ込んでしまってる著者にビックリ。読むうち自分もともすればストーカーになってしまうんじゃないかと思ってしまう。三鷹のストーカー殺人事件の池永チャールズトーマスが、殺人の直前まで、元彼女の家に忍び込んだことを後悔し、無事に帰宅したがっていたことに驚いた。
巻末のストーカー治療法は冗談抜きで勉強になった。自分の気持ちを沈める方法、相手にあったときのイメージトレーニングで、始めは殴ってしまう自分を想像していた加害者が、200回イメージを繰り返したのちには、 -
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もしかしたらこれは画期的かもしれない。
若干表現が硬くて前半の脳の仕組みの話はやや難しいけど、「条件反射制御法」と呼ばれるメソッドはとてもシンプル。
脳の第一信号系、第二信号系の違いと仕組みを利用して、やめたいのにやめられず苦しんでいることから抜け出せるという。
お酒、タバコ、万引き、SNS依存、ストーカーなど、強い依存を断ち切れた成功例がいくつも紹介されている。
犯罪になることではなくてもやめられずにいる悪癖は大小みんなあるもの。
私もさっそく試してみて今のところはうまくいっている感じ。
効果は2週間くらい続けて出てくるらしいので、期待したい。
まだ半信半疑だけど、本当に長年悩んでいた癖が治 -
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<感想>
ストーカーの心理を学ぶことで、執着心を捨てるヒントがあるのではと考えて手に取った一冊。逆自己啓発本というか、心が囚われた人間の行動を知ることができた。特定の誰かにつきまとうことは無いが、ストーカーが執着から離れて回復するきっかけや方法などは、妄想に囚われやすい人には参考になると思う。
見たい物だけを見る。納得できない現実は存在しないものとする。それがストーカーの心理のようだ。そのように現実を認識しているとどうなるかというと、周りの人間が間違った行動を取っているという「認知の歪み」が発生する。間違っている行動を是正させるため正しい行動がストーキングなのだろう。
「認知の歪み」が自分 -
Posted by ブクログ
ネタバレストーカーの加害者に積極的に接触し、対話した内容が書かれており、とても貴重な文献だと思う。また、ストーカーは病気だと定義されており、心理学や精神医療の面からの話が少し難しかった(用語をもっと知っていれば…)。著者が「ストーカーの被害者でもあり加害者でもある」人物だと言うように、冷静さを保てないとどっちにもなり得るのはなんとなく納得。具体的な事案の記述は大事なところ以外読み飛ばした。ストーカーの精神面の解説が興味深く、どんどん読んでしまった。人それぞれ自尊心を傷つけられるポイントが様々だし、被害者にも非がある例も見られた。「被害者は自分の人生を歩めなくなる」というのがストーカーの一番の問題である