小早川明子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ストーカー関連書籍で有名な小早川さんの著書。本書も示唆に富んだ内容だった。
類似本を読んで得た知識だと、メンタルと脳科学は別のアプローチだ。メンタル側に寄ってしまうとスピリチュアルになりかねない。個人的には脳科学からの物理的アプローチの方が理解しやすい。
本書では依存状態を根性論で治すのではなく、脳の癖を技術て修正する方法を紹介している。一週間ほど試してみたところ、たしかに気持ちが軽くなった。数秒の所作を行うだけで間違った脳の回線接続が正しい場所へと修正されていくのは驚きだった。
何となくだが、「生理的報酬」とは「期待」という感情がベースになっている気がした。
<アンダーライン>
★★★★★
生理的報酬
★★★
刑法の理論では「第一信号系」はないことになっている
★★★
「第一信号系」は、過去に成功した行動を「反射」で再現し、失敗した行動は再現しなくなるシステムです。
★★★
「ハマる」とは、「条件付けられる」ことを言います。健全な「ハマり」も、悪癖や悪習慣と言われる「ハマり」も、いずれも後天的に「条件反射」が成立した状態です。
★★★★
「第一信号系」が一つの行動を何回も反復したときは、どうしたって「第一信号系」は「第二信号系」に勝るのです。
★★★★
「第二信号系」は「第一信号系」に負けると、「欲求」を正当化するために、いかようにもゆがみます。
★★★★★
自分を責めるということは、自分の「意思」(そんなものはないのですが)の全能性を信じ、「ハマっ」ている状態における自分の無力さを認めていないということです。もし、責任を感じるのであれば、「ハマって」しまう前に、引き戻るための手助けや手立てを探そうとしなかった自分について感じるべきです。「ハマっ」てしまった状態に勝てないことを責めてはいけません。
★★★★
刺激に過敏だと「ハマり」やすい
★★★★★
ストーカーは、「特定の相手に関心が固着」し、「接近欲求が止まらない」ということに「ハマっ」た人である。
★★★★
クレーマーとストーカーの違いは、クレーマーは相手に「ハマっ」ているわけではないということです。
★★★★★
ストーカーとは断られると発症します・ストーカーにならないためには相手から「断られないこと」です。そのためには、自分が「頼まないこと」です。自分が頼まなければ相手から断られません。断られなければストーカーにはなりません。
★★★★★
ヒトは死んでない限り、どのような辛い体験でも「防御」に成功し、そのときの環境からの「刺激」と防御する「反応」が「第一信号系」に定着してしまう -
Posted by ブクログ
■男性ストーカーが女性のプライベートな空間を攻撃することが多いのに対して,女性ストーカーは男性の公的な場面を狙う。
■お金と愛は別物というように金銭の話が出てきたら解決は早いともいえる。
■第一信号系とは防御,接触,生殖という次世代を作るための本能行動と適応行動をつかさどる。
・本能を満たす行動の結果,生理的報酬を得る
・これが繰り返し行動を成立させる
・「本能行動」が過度に作動すると過度な「防御」反応としてPTSD,パニック,反応性抑鬱,自傷行為,放火が現れる
・過度な「摂食」反応では過食,病的な賭博や窃盗などが現れる
・過度な「生殖」反応は露出,痴漢,強姦となって現れる
・「適応行動」が過度に作動すると,アルコール,ニコチン,覚せい剤などの物質摂取が現れる
■第二信号系とは思考の場であり他の動物にはない。
■思考もまた生理的報酬を作ることができる。
・何か目標を立ててやり遂げたときは最後に生理的報酬が生じ,その行動が反復されやすい
・つまり頑張り屋さんは次も頑張る
・悪い現象としては強迫症状
・こうしたメカニズムが「依存症」の正体
■ヒトが第二信号系の中枢,思考の場を持つこと自体に問題の根があるといえる。 -
Posted by ブクログ
■ストーカーの五類型
①拒絶型(Rejected)
・親密な関係の崩壊を背景に発生する。通常,被害者は,かつて性的に親密な関係にあったものであるが,家族,親友及びストーカーと非常に近い関係にあった者もまた拒絶型のストーキングの標的になりうる。
・当初動機は関係を再構築しようとするか被害者が拒絶したことに対して復習をしようとするかのいずれか。
・被害者に対する明確な怒りを示し復習を望んだかと思えば,関係を取り戻そうとし被害者に対する相反する感情を示す
・殺人に至り世間を騒がせるストーカーの圧倒的多数がこの類型。
②憎悪型(Resentful)
・自分が酷い扱いを受けている,或いは何らかの不正の被害者であったり屈辱を受けていると感じることで発生する。
・被害者は酷い扱いをしたとみなされた見知らぬ人か知人である。犯人が被害者に対して誇大妄想的に考えを広げ「復讐の」方法としてストーキングを行う場合,重度の精神疾患が原因となっていることがある。
・初期動機は復讐又は「仕返し」への欲求であり被害者の恐怖心から誘発される支配感と征服感とによって持続される。
③親しくなりたい型(Intimacy Seeker)
・孤独感及び相談できる親しい相手の不在により発生する。通常被害者は見知らぬ人か知人である。
・しばしば被害者に対する妄想観念を含む重篤な精神疾患によって助長される。
・当初動機は恋愛感情と親密な関係を構築することである。親密人繋がっているという確信からもたらされる満足感によりストーキングは持続される。
④相手にされない求愛型(Incompetent Suitor)
・孤独感又は性欲を背景として発生し,見知らぬ人か知人を対象とする。しかしながら「親しくなりたい型」とは異なり,その初期動機は恋愛関係の構築ではなく相手と会うか一時的な性的関係を得ることにある。
・通常短期間であるがその行為に固執する場合は通常ストーカーが無分別であるか,被害者の苦痛に無関心であることで自閉スペクトラム症や知的障害に起因する認知限界や社会的スキルの欠如に関係することが多い。
⑤略奪型(Predatory)
・常軌を逸した性癖と興味を背景として発生する。
・通常犯人は男性であり,被害者はストーカーが性的興味を抱いた見知らぬ女性である。
・ストーキング行為の多くは性的な満足を獲得する手段として始まる。
・ストーキングは普段用心していない被害者を対象として得られる支配感と征服感とを楽しむ手段であり,満足感でもある。
■ストーカーの定義
・正当な理由なく故意に悪意を持って繰り返し相手を付け回し,待ち伏せや監視などによって意思を伝達しようとすることで相手に不安や恐怖を与える行為。
■拒絶型の加害者の代表的な特徴
①確固たる心理的動機があり自分の正当性を妄想的に信じ込む。
②相手を一方的に追いつめ苦しめていることを自覚しながらも相手に好意を持たれるという望みを抱く。
③②の望みが絶たれたとき心のバランスは憎しみに反転し自殺又は相手を殺害することもある。
■定位反射の消滅理論
・「なんだろう反射」とも呼ばれ新規の刺激に自動的に反射することをいう。
■ストーカーに伝える3つの鉄則
①相手は自分(ストーカー)を嫌う自由がある
②自分の感情は自分で100%処理する
③違法行為は行わない
■ストーカーの心理レベルでの危険度と対応
①ポイズン
・脅迫,暴力,住居侵入,名誉棄損など
・存在そのものが毒
・直ちに避難
・隔離が必要
②デインジャー
・批判,攻撃的な文句,待ち伏せなど
・危険度が高く第三者の介入など手を打つ必要がある
③リスク
・やり直したいなど
・危険になる可能性がある
・リスク管理が必要
■ヒトの脳には二つの中枢があり,
・一つは「防御」「摂食」「生殖」という生命を保ち次世代を作るための本能行動と適応行動をつかさどる中枢で,パブロフは「第一信号系」と呼んだ。動作,自律神経,気分などの生きることをつかさどる中枢。
・もう一つは「第二信号系」と呼ばれる中枢で「思考」の場。
・本能を満たす行動をとった結果,生理的報酬(安らぎ,満腹感,快感とは異なるがそれらと同時に生じることが多い)を得,これを獲得すると,その前の神経活動を定着させるために「繰り返し行動」が成立する。
・過度な「防御」反応は,放火,PTSD,パニック,反応性抑鬱,自傷行為として現れる
・過度な「摂食」反応は,病的賭博,病的窃盗,過食として現れる
・過度な「生殖」反応は,露出,痴漢,強姦として現れる
■男女間のストーキングは生殖という本能行動を促進する反射連鎖が基盤にあると言われる。つまり交際を開始したい対象や交際を続けたい対象に連絡や追跡を反復するのは対象に接近し生殖するという先天的な反射連鎖の一部が現れたもの,あるいはそれに加えて過去交際していた時に成立した「接近する」という後天的な反射連鎖であると説明される(平井医師)
■連絡や追跡を反復するだけでなく攻撃的になる人がいるのはなぜか。第一信号系は対象に接近して生殖行動を行う方向に進んでいるのに,それに対する相手の不同意を第二信号系の反射網が把握し,第一信号系と第二信号系の間に作動の方向において摩擦が生じる。この摩擦はとても苦しいために怒りに結び付き,初めは好意を持っていた対象を標的とする攻撃的な作動に転じる。
■元来「モラール」(la morale)はフランス語で「道徳,倫理」をいい,「モラル」(le moral)は「士気,意欲」をいうが,両者はアメリカに伝わったときに逆になってしまい「モラール」(morale)が「士気,意欲」,「モラル」(moral)が「道徳,倫理」という意味になった。 -
Posted by ブクログ
別れさせ屋みたいだった。。けっこうストーカーに感情移入してしまう。著者の冷静さに圧倒されていたら、映画「刺青」の紹介のときだけやけにストーカーに入れ込んでしまってる著者にビックリ。読むうち自分もともすればストーカーになってしまうんじゃないかと思ってしまう。三鷹のストーカー殺人事件の池永チャールズトーマスが、殺人の直前まで、元彼女の家に忍び込んだことを後悔し、無事に帰宅したがっていたことに驚いた。
巻末のストーカー治療法は冗談抜きで勉強になった。自分の気持ちを沈める方法、相手にあったときのイメージトレーニングで、始めは殴ってしまう自分を想像していた加害者が、200回イメージを繰り返したのちには、相手が立ち去るのを黙って見送れるようになる(イメージ)という。私も人を忘れるのに2年以上かかった。自分は会わなくて大丈夫、もう会わないと繰り返すことの威力。何気なく、口癖のように「あー会いたい」と言うことは負の力を持っているのだろうなと考える半面、そこまで強く気持ちを断ち切ることにさみしさを感じてしまった。ストーカーはおそろしいのに自分のこととなるとこうなのだ。ストーカーを憎む全ての人に、かなしい別れを経験した全ての人に読んでいただきたい本。 -
Posted by ブクログ
ネタバレストーキングにおける、加害者側◦被害者側◦第三者(警察やカウンセラー)それぞれの問題点と対策を、著者のカウンセリング経験から述べている。
著者のカウンセリング経験談では、事件に発展したものもあり、ストーキングが発生する過程のリアルを体感した。
ストーキングが発生する原因(本書では主に男女間の諍いを取り上げていた)を備忘としてまとめると、加害者側は怒りや嫉妬といった感情のコントロールが効かなくなる心理的要因がある。
そして、被害者は相手を罵ったり、金銭トラブル等、お粗末な別れ方をしてしまっている点が挙げられた。
第三者、この場合は警察側の原因としては、被害者からの相談を他の警察署にたらい回ししてしまう等、組織全体の統治に難ありだった。
本書を読んでストーキングに対する見方が変わった。ストーキングは加害者側からの一方的なものだと想像していた。(例えば、特に関係性もないのに相手をつけ回す等)
しかし、被害者からのお粗末な縁の切り方で加害者側の怒りを買う等、被害者側にも非があるものもあるんだなと思った。特に、金銭トラブルは、男女間の話に留まらない話と思った(異性から金を搾取して、取れなくなったら縁を切るようなロマンス詐欺もありますもんね) -
Posted by ブクログ
もしかしたらこれは画期的かもしれない。
若干表現が硬くて前半の脳の仕組みの話はやや難しいけど、「条件反射制御法」と呼ばれるメソッドはとてもシンプル。
脳の第一信号系、第二信号系の違いと仕組みを利用して、やめたいのにやめられず苦しんでいることから抜け出せるという。
お酒、タバコ、万引き、SNS依存、ストーカーなど、強い依存を断ち切れた成功例がいくつも紹介されている。
犯罪になることではなくてもやめられずにいる悪癖は大小みんなあるもの。
私もさっそく試してみて今のところはうまくいっている感じ。
効果は2週間くらい続けて出てくるらしいので、期待したい。
まだ半信半疑だけど、本当に長年悩んでいた癖が治ったら、星5にする!