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五百人ものストーキング加害者と向き合い、カウンセリングなどを行ってきた著者が、彼らの思考パターンと危険度、実践的対応を多くの事例とともに解き明かす。今や「ストーカー」をめぐるトラブルは年間二万件。なぜ彼らは常識を踏み外すのか、警察は後手に回るのか、その時どう対処すればいいのか――老若男女を問わず、誰もが当事者となりうる時代の必読書。
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Posted by ブクログ
私とは考え方が違う点もあった。しかし、著者の言葉からは、現場の最前線に立っている人ならではの力を、現状を少しでも良い方向に変えたいと願う強い意志を、感じた。
■男性ストーカーが女性のプライベートな空間を攻撃することが多いのに対して,女性ストーカーは男性の公的な場面を狙う。 ■お金と愛は別物というように金銭の話が出てきたら解決は早いともいえる。 ■第一信号系とは防御,接触,生殖という次世代を作るための本能行動と適応行動をつかさどる。 ・本能を満たす行動の結...続きを読む果,生理的報酬を得る ・これが繰り返し行動を成立させる ・「本能行動」が過度に作動すると過度な「防御」反応としてPTSD,パニック,反応性抑鬱,自傷行為,放火が現れる ・過度な「摂食」反応では過食,病的な賭博や窃盗などが現れる ・過度な「生殖」反応は露出,痴漢,強姦となって現れる ・「適応行動」が過度に作動すると,アルコール,ニコチン,覚せい剤などの物質摂取が現れる ■第二信号系とは思考の場であり他の動物にはない。 ■思考もまた生理的報酬を作ることができる。 ・何か目標を立ててやり遂げたときは最後に生理的報酬が生じ,その行動が反復されやすい ・つまり頑張り屋さんは次も頑張る ・悪い現象としては強迫症状 ・こうしたメカニズムが「依存症」の正体 ■ヒトが第二信号系の中枢,思考の場を持つこと自体に問題の根があるといえる。
被害者と加害者の命を守ろうとする著者の覚悟に感服しました。 「ストーカー病」になってしまうと、特に理由がない限り、何年経ってもその想いが弱まることはないと。確かに強い想いは簡単には消えない。自分の中にある原因と向き合い、未来の自分について考えていかないといけない。心の病と全く同じですね。
ストーカーという最近できた問題に開拓者的に対処しているNPO「ヒューマニティ」理事長による解説 ストーカーの思考は、世間一般常識を逸脱していて、そして私個人の思考ともかけ離れていて、話の予測ができないため、非常に読み難く感じた。 カウンセリング、精神医療、警察、支援団体、法律などの社会的な仕組みや...続きを読む問題が勉強になる。
ストーカー行為から殺人にいたるケースは数パーセント。報道されないほうが多い。 ストーカーに苦しんでいる人は想像以上に多い。そして誰にも被害者、加害者になる可能性がある。怖い。
ストーカーをするひと、されていたひと、それぞれの心理を知る事ができた。 命に関わる最悪の事態になる事があるんだと改めて認識した。 やはり人は、ある意味、怖い。 理性や良識があるようで、所詮、動物。 本能で動く時もあるんだ。 感情が最優先される時が多々あるんだ。 人と安易に出会わないようにする。 ま...続きを読むずいと気づいたら早めに物理的に距離をとる。 まずはここから。
<感想> ストーカーの心理を学ぶことで、執着心を捨てるヒントがあるのではと考えて手に取った一冊。逆自己啓発本というか、心が囚われた人間の行動を知ることができた。特定の誰かにつきまとうことは無いが、ストーカーが執着から離れて回復するきっかけや方法などは、妄想に囚われやすい人には参考になると思う。 見...続きを読むたい物だけを見る。納得できない現実は存在しないものとする。それがストーカーの心理のようだ。そのように現実を認識しているとどうなるかというと、周りの人間が間違った行動を取っているという「認知の歪み」が発生する。間違っている行動を是正させるため正しい行動がストーキングなのだろう。 「認知の歪み」が自分に向かえば鬱になり、相手に向かえばストーキング行為になる。 「自分だけは違う結果になるはず」という妄想は、仕事上でよく見かける風景だ。そういう角度で読むと、自己啓発の示唆に富む一冊であった。 <アンダーライン> ・ストーカーは相手に対して「疑問」や「疑念」、「要求」を抱いていて、その回答を相手から直接得ようとして「追及」している。その現われがストーキング行為 ・彼らが渇望しているのは一般的な正論「一般解」ではなく、相手からの個別で具体的な回答、つまり「特殊解」なのです。
自らのストーカー被害の経験からストーカー被害を削減するためカウンセラーとして活動している人の書かれた本。 生々しい話が多いので、被害に遭われている人は生きた心地がしないんだろうなと感じた。危険度の評価の線引きの難しさなど、よくわかった。被害者にも非があるようなエピソードもあるので、建前の話だけではな...続きを読むいのでリアリティを感じます。
ストーカーについて考察した本です。 ストーカーを犯罪とするだけではなく、病気として捉える視点は興味深かったです。 警察は法を犯した人を捕まえますが、秩序の維持のためであり別に治療を目的とはしていません。そして、ストーカーは精神病とは診断されにくい現状にあることが書かれていました。 警察側でもストー...続きを読むカーに関する知識や意識が人によって異なり、対応に差が見られ、ストーカー被害の拡大に繋がっていると述べています。 また、ストーカーへの対処方法や警察との連携の仕方などが載っているので参考になるかと思います。
今日は病院で検査だったのでこの本を持っていく。 2時間ぐらいで終わると思ったのに、全部で6時間もかかってしまった。 当然長い待ち時間、読み終えて院内の書店に行く。 スマホもあるけど待合でギリギリまで読めないので、こういうときは紙の本がいい。 院内の書店には、「医者に殺されない〜」とか「ふ...続きを読むくらはぎを」とか、医者要らず系ベストセラーが並ぶ。いいのかな。結局、読んだ本か、どうでもいい本ばかりで、すごすごと戻って、この本を何度も読む。 というわけで、長い前振りでしたが。 著者自身もストーカー問題の当事者でもあったことがあり、今はカウンセリングをストーカー被害の加害者、被害者両方に行うという珍しいスタイルをとっているという。 ストーカーの被害者と加害者は火が着いた家の中で、気付かずに二人で争っているようなものだと。誰かが「火事だ!」と叫んで飛び込まなければ出てこない。著者は加害者にもあって、一緒に出かけたりして気持ちを落ち着かせたりもすれば、花を持たせたり、ちょっと強硬かな、という言葉を使うこともある。中には残念ながら被害者が殺害されるにいたったケースもある。 だからこそ、そこに至らないためにどうするか。 ストーカーのスイッチの入り具合は人それぞれではあるが、そのスイッチが見えづらいところが怖い。僕だって自分のスイッチがわかっているわけではない。 ストーカー被害者は女が多い、というイメージがあるが、相談されるのは決してそんなわけでもなくて、男が追いかけられることも多々ある(「座敷女」を思い出しちゃった!)。 それから、ストーカーになる人って、公務員や教員や会社員や、いろいろいるけれど、農家など自然相手の人は不思議といないって(まあ、農業人口の絶対数の問題もあるだろうが)。 いやねえ、人間関係って。 警察はストーカー対策もあって人数を増やすらしい。だが警察に至る前にいろいろなプロセスがあって、それぞれの段階での対処方法があるのだ。時に警察も必要だが、警官が増えたところでストーカーのスイッチが切れるわけでもない。 ストーカーのことはまだ僕には自分事としての実感はないが、アルコール依存も類似だといわれると、なんだかわかる。 ところで療養中は禁酒である。マジか。 よい本でしたが、自分の状況を書きすぎました。スンマセン。
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