黒岩祐治のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
一冊の本を三年間かけて読み込む。
作中に出てきた単語や、表現、気になることがあれば徹底的に調べ、横道に大きくそれながら学んでいく。
まさに知るを楽しむといった授業。
とても面白そうな授業です。
私も学生の頃、こんな授業を受けたかった、と思います。
また、先生自身が学ぶことが好きで、凝り性で、そして子供が好きなのでしょうね。
全力でぶつかってきてくれる先生なら、生徒だって本気で向かい合うのではないでしょうか。
やる気なく教科書を読むだけの先生を尊敬することはできませんから。
橋本先生のような先生が各学校に一人でもいれば、そしてその先生のやり方をおおらかに見守れる環境があれば、生徒にとって学校は -
Posted by ブクログ
兵庫県で生まれ育った自分にとって、灘中は雲の上の存在だった。目指すことすらはばかられて、そこに入った児とか出ようもんなら、物凄い騒ぎになっていた気がする。これ読んでて、名門たる理由の断片が垣間見えた気がした。国語って、特に才能に負う部分が大きくて、努力とか学習ではどうにもならん印象が強いけど、こういう授業を受けたら、本当の意味での地力みたいなのが養われるだろうと思う。でもおそらく、エリート集団だからこそ成り立っているのも確かで、ピンきり全員に対して教科書なし、ってのはあり得ん話だろうけど。国語の学び方として、これもひとつの選択肢だろうとは思いました。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ「灘中 奇跡の国語教室」
橋本武の伝説の授業は、中勘助「銀の匙」一冊を中学3年間かけて読み込む。
遠藤周作、東大総長、多くの医師などを育てたこと、灘の東大合格日本一に貢献したこと、この2つだけでも十分に凄いし、単純にただただ尊敬の念。しかし、この2つ以上にインパクトが大きいのは、橋本氏の教育への情熱と姿勢です。
例えば、授業の本質を含みながら、現在注目されているような「楽しみながら授業を行う」ということを「銀の匙」1冊を用いて、数10年前から実施していたこと、それを灘という日本No.1の中学校で貫いたことも勿論だけど、ガリ版での教材作製(草仮名もつくっちゃうw)に関しては、本当に凄いし -
Posted by ブクログ
【恩師】
灘中で50年間教鞭をとられた国語の先生の話です。
文部省検定の教科書を一切使用せず、自作の教科書を使用し、結果的に東大合格日本一を達成しています。自作教科書の内容がいいか悪いかはよくわかりませんが、先生の情熱を感じます。その情熱が生徒たちにも伝わり、すばらしい結果をもたらしているのでしょう。
この本を読みながら、小学校から大学までの先生を思い浮かべていきました。小学校の先生はかなり思い出すことができましたが、高校時代になると担任の先生すら思い出すことができません。なんと悲しいことか。
思い返すとわたしには「恩師」と呼べる人がいません。これは、良い先生にめぐり逢わなかったというだけ -
Posted by ブクログ
本書は、原発事故後の今後のエネルギー転換を見通す内容で、よく整理された構成と簡潔な説明で再生可能エネルギーの「創エネ」、スマートグリッドなどの「省エネ」、蓄電池やEVなどの「蓄エネ」の内容を理解する入門書として最適です。各種のデータや情報を集めているので、コンパクトなデータ集や事例集として手元に置いておくのもよいかもしれません。
個人的には冒頭部分の知事就任までのストーリーはあまり斬新さを感じませんでした。その意味でも創エネ・省エネ・蓄エネの解説をしている後半が有用だと思います。また、全体として歯切れの良い内容ですが、最後の送電分離論などは電力会社(東電)や産業界に配慮した姿が行間に垣間見え -
Posted by ブクログ
「恩師の条件」の増訂復刊.「銀の匙」を中学3年間をかけて読む授業の紹介.伊藤氏貴「奇跡の教室」が授業自体の紹介に関して物足りないので,実際にその授業を受けた著者によるこの本は貴重.
授業の内容を知るには一章から三章までを読めば良い.簡単に言えば,銀の匙の基本的な読解をするとともに,文章に出てきたことからその背景にある日本の文化や歴史を掘り下げていく授業ということ.準備には膨大な時間がかかるし,調べた知識を自分のものにして,生徒に伝えるにもまた努力と時間がかかる.その上,生徒には本を読んで書く宿題を頻繁に出し,それにすべて目を通すというのだから,頭が下がる.
しかし,よく考えれば,ある一つのテキ -
Posted by ブクログ
恩師としての条件とは?
① 期待に応えられる教師たれ 子供の興味、関心を引き出す授業ができること。
子供を適切に評価し、伸ばしてくれること。
②労を惜しまず、独創性、個性、工夫、笑い、脱線、味わいのある授業
③常に挑戦者たれ
④自分の世界をもて
⑤遠回りも厭わず二十年後に役立つ授業を
⑥確固たる信念と炎の情熱をもって生徒にぶつかれ
勉強というのは、自分でやりたいという気持ちになることが大切です。
人から強制されて勉強したって身につきません。
その気になるまで、やりたいことをやればいい。
大事なのは、自分がどんな目標をもち、何に興味を引かれるかです。それさえ見つかれば後は早い。
教育とは、教