平山優のレビュー一覧

  • 戦国の忍び

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    戦国武田氏や真田氏の研究で大好きな平山優さんが戦国の忍びについて書いたもの。我々一般人のイメージする忍者と実際の忍びの者との乖離を埋める研究で、豊富な資料と実例から、忍びが偵察や夜襲、城の乗っ取り、放火、略奪などの任務に当たっていた、大名に雇用されたアウトロー、悪党だったということがわかった。
    忍びの話だけではなく、中世において夜が別のルールが作用する無縁の世界であったという研究の紹介も面白かった。

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    2021年05月08日
  • 武田氏滅亡

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    長篠の戦い以後の武田氏について詳しくまとめてあり、決して滅亡一直線ではなかったことが分かり、感銘を受けました。

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    2020年11月07日
  • 真田信之 父の知略に勝った決断力

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    ネタバレ

    真田信之を通じて、教科書では洗う事のない江戸初期の政治事情・風土が分かる
    まだ、戦国を引きずる武将が多くいるじだいは、行政を行う立場は大変な事と想像できる
    大河ドラマ大泉洋を重ねてはイケないが、生真面目に法理主義を貫く一方で戦国大名の気性が垣間見れるのは、平山先生の筆力のおかげかも知れない

    徳川方についたタイミングとかが通説とちがうとなると、行動の理由がガラリと変わる
    江戸初期の豊臣家と徳川家の態度は今まで習った歴史と違う、考えればそうかなと思う事もあるが、家康の晩年も豊臣政権だったと言えなくもない

    浅間山噴火や飢饉によりヒドイ状態からの経営だった
    松代藩を見すぎて藩をつぶした、騒動もおき

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    2020年10月23日
  • 真田三代 幸綱・昌幸・信繁の史実に迫る

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    2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」時代考証に名を連ねる平山優の著作。
    放映開始時に購入していたのですが、積ん読のまま、ようやく今読みました。
    昨年(2017年)のNHK大河ドラマ「おんな城主直虎」で穴山信君が「あなやまのぶただ」と呼ばれていたのが気になりましたが、本書ではこの読みの訂正の経緯が示されていて「歴史学の進歩は著しいのだな」と目から鱗が落ちた思いでした。
    (1988年のNHK大河ドラマ「武田信玄」の続編であるところの新田次郎作新装版 武田勝頼(一)陽の巻 (講談社文庫)では「あなやまのぶきみ」とルビが振ってあったように記憶しています。)

    1988年の「武田信玄」放映中に山本勘助

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    2019年03月25日
  • 戦国大名と国衆

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    戦国大名の領国は、軍事侵攻で制圧した直轄支配地域と、彼らに従属した「国衆」(先方衆とも)が排他的に支配する「領」(「国」)とでモザイク状に構成されていた。この戦国期固有の領主はいかに誕生し、大勢力の狭間で翻弄されながらも、その傑出した実力で戦国大名の権力構造にどのような影響を及ぼしていたのか。武田氏を主軸に、史料渉猟から国衆の成立・展開・消滅の歴史を追い、戦国大名の領国支配と軍事編成の本質を総括・通覧する。(2018年刊)
    ・はじめに
    ・第一章 戦国期の国衆と先方衆
    ・第二章 室町期国人領主の成立と展開
    ・第三章 国人領主から国衆へ
    ・第四章 戦国大名領国下の国衆「領」(「国」)
    ・第五章 国

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    2019年01月14日
  • 真田信之 父の知略に勝った決断力

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    真田丸において、『苦労』のみがコミカルに強調されすぎた感のある真田信之、彼の苦労は…真田丸に描かれた様な『軽い』ものでは無かった!!
    『犬伏の別れ』で父、弟と袂を分かって徳川方について以降、苦難に次ぐ苦難。難局に次ぐ難局。
    ・九度山に流された父・弟への仕送り
    ・浅間山の度重なる噴火
    ・内政を重視しようにも、災害が続いて農民が逃げ出す。<身銭を切って連れ戻したり!
    ・そんなこんなだから藩の財政は大変です!
    ・松代へ転封されたら、一部家臣が集団で離反したり
    ・御家騒動(それも、息子が先に亡くなっての御家騒動×2
    ・領内でのキリシタン問題まで!
    etc.etc.
    よくぞこれだけの難局を乗り切って真田

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    2018年10月14日
  • 武田氏滅亡

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    勝頼が武田家を継いでから滅亡するまでの約9年間を資料に基づいて丁寧に著述している。平山さんの本はみんな好きだがその中でも群を抜いた名著。
    勝頼の失策として例えば長篠の戦いや御館の乱での動き、高天神城見殺しなどが挙げられると思うんだけど、その背景に勝頼のどのような思惑があったのかがわかる。遠交近攻の地理的な難しさもわかったし、滅亡の直前まで信長も北条氏政もあんなに呆気なく武田家が滅びるとは信じていなかったことも面白い。
    滅亡時にまともに戦ったのが高遠城だけで、勝頼は最期まで武田家の勝頼ではなく諏訪勝頼だったのか。

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    2017年08月15日
  • 武田氏滅亡

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    平山先生渾身の著です。武田勝頼は無能だという話も多いですが、それだけでは片付かない武田氏滅亡の謎。
    これを読めば様々な岐路があったにも関わらず最終的に滅亡へと進んでしまったという戦国ならではのロジックがわかるのではないでしょうか?
    しかし、武田氏滅亡のわずか80日後に本能寺の変が起きて信長自身が亡くなってしまうとは・・・
    やまはり戦国時代は学ぶことが多いですし、1575年頃から1590年の15年間の戦国時代は濃い時代ですね。

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    2017年06月05日
  • 真田信之 父の知略に勝った決断力

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    戦国時代を代表する知将・真田昌幸の嫡男真田信之は、父や弟の信繁と別れて徳川側につき、真田家を守り抜いた男として知られる。父子の別れの場面である「犬伏の別れ」での筋を通した決断力は、晩年の「真田騒動」を解決する際にも発揮された。関ヶ原の合戦後、信之は相次ぐ浅間山噴火や戦災で荒廃した領国の復興に取り組む。その後、徳川家にとって重要な藩であった松代藩に転封。やがて「天下の飾り」と呼ばれ、徳川将軍が隠居を許さない存在となった。義を重んじた男の九十三年の生きざまを、真田家研究の第一人者が綴る決定版。(2016年刊)
    ・はしがき
    ・第一章 信之の生い立ちと家族の群像
    ・第二章 武田氏滅亡の衝撃と天正

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    2016年10月02日
  • 真田信繁 幸村と呼ばれた男の真実

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    真田研究の第一人者が、新たな信繁像を打ち立てる。図版や資料も充実した最新研究のすべて。大河ドラマ「真田丸」時代考証担当者の書下ろし最新作。
    豊臣秀頼を滅ぼした徳川家康の意外な真意とは。信繁たち大坂方の浪人は、大坂の陣でどんな役割を果たしたのか。彼らの活躍は両陣営の戦況と政策に如何なる影響を与えていたのか。勝者と敗者を分ける「その時」を捉えなおし、真田信繁像や大坂の陣論に、新たな視座を提示する。(2015年刊)
    ・序「不思議なる弓取」と呼ばれた男
    ・第一章 真田信繁の前半生
    ・第二章 父昌幸に寄り添う
    ・第三章 関ヶ原合戦と上田城攻防
    ・第四章 九度山での雌伏
    ・第五章 真田丸の正体
    ・第六章 

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    2016年01月02日
  • 大いなる謎 真田一族 最新研究でわかった100の真実

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    真田一族の実像を知ろうとすると、多くの空白や闇が立ちはだかる。失われた故郷を取り戻した幸綱、武田家滅亡の大混乱から一躍大名となった昌幸、豊臣家に殉じた信繁、卓越した政治手腕で家名を守り抜いた信之。彼らは戦乱の世をいかに生き、なぜ日本人の心を揺さぶり続けるのか。真田一族にまつわる100の謎を最新研究で解き明かし、その真の魅力に迫った決定版。文庫書き下ろし。(2015年刊)
    ・はじめに
    ・第一章 真田幸綱編
    ・第二章 真田昌幸編
    ・第三章 真田信之・信繁編
    ・おわりに

    文庫本ながら濃密な1冊でオススメである。Q&A形式で読みやすく、知りたい項目が探しやすい。大河ドラマ関連の本としては、何

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    2015年09月15日
  • 真田三代 幸綱・昌幸・信繁の史実に迫る

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    緻密さと正確を期す感じが良い。
    幸綱(幸隆)、昌幸、信繁の三代を新しく発見された資料を織り交ぜて書く。信濃と上野の距離感とか、武田家の信濃攻略の詳細とか、武田滅亡後の武田領のことだとか、勉強になった。大阪の陣では信繁への感情移入が窺えて面白かった。

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    2012年05月06日
  • 新説 家康と三方原合戦 生涯唯一の大敗を読み解く

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    三方が原の戦いを面子や国衆の支持ではなく(もちろんそれもあるのだが)補給や援軍の視点で解説した本。前置きは1/3くらいで終わり、残りは信玄が動きはじめて死ぬところまでに割かれている。まさに合戦に集中して書かれた本。

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    2025年10月18日
  • 小牧・長久手合戦 秀吉と家康、天下分け目の真相

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    よ・・読み終わった。やっと。
    『天下分け目の関ヶ原』とよく言われるが、本当の天下分け目は小牧長久手だったこと。
    そして小牧長久手を戦ったことが徳川譜代のアイデンティティとなっていること(関ヶ原じゃない)。
    信雄、それなりに力はあったと思うけど秀吉が1枚も2枚も上手だった。
    信雄にハシゴを外された後の家康、大変だったね。

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    2025年05月19日
  • 戦国の忍び

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    ネタバレ

     忍法を駆使する忍者はフィクションであるという認識は一般的だと思うが、その元である忍びの者はどのような存在であったかを、戦国時代の研究者である作者が丹念に多くの資料を探勝して明らかにした研究解説本である。
     忍びの呼び名も、地域や役割などで多彩であり、したがって実態がつかみにくくなかなか全貌は把握しにくい。しかし、全国各地の古文書をこれでもか、という感じで紹介し、実例を多く挙げることにより素人の読者でも少しずつイメージができ上っててくるように思う。
     巷間に伝わる特殊技能の持ち主で派手な振る舞いの忍者イメージと異なり、武士にもなれず百姓にもなれないアウトローの集まりであって、危険な汚れ仕事をや

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    2025年01月05日
  • 小牧・長久手合戦 秀吉と家康、天下分け目の真相

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    小牧・長久手の戦いは歴史の授業で必ず出てくるが、あっさりとしか書いてなく、戦い自体は引き分けだったが、なんやかんやで秀吉が家康を従えることに成功したという認識しかなかった。

    だが著者は、小牧・長久手の戦いは織田体制の崩壊こそが本筋で、家康は織田家との同盟に従って行動したと見ている。

    もちろん、これも著者の説であり、今後の研究が待たれるところではあるが、興味深い内容であった。

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    2025年01月01日
  • 戦国時代を変えた合戦と城 桶狭間合戦から大坂の陣まで

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    東海地方に住む私にとって、身近な城や合戦が多く、城の知識についても学べ、城跡巡りの参考になる本だった。

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    2024年10月30日
  • 徳川家康と武田勝頼

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    武田信玄死後、その子勝頼と家康との十年に及ぶ抗争を追う内容。長篠以降における角逐の詳細や、徳川家が武田家から継承した人的・物的遺産の影響などが興味深かった。近年の研究が整理された信康事件の解説も分かりやすい。

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    2024年09月03日
  • 徳川家康と武田信玄

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    家康の自立から信玄の陣没まで、両者の関係を軸とした詳述を通して、東海地域の戦国史における構造変化が描かれている。北条や上杉といった周辺勢力を含めて繰り広げられた虚々実々の駆け引きが興味深い内容だった。

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    2024年08月15日
  • 新説 家康と三方原合戦 生涯唯一の大敗を読み解く

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    家康の生涯唯一の大敗について、様々な角度から再検証を試みる内容。通説と近年の研究成果の整理が分かりやすく、浜松城の補給線を担った浜名湖水運を重視する視点から見る開戦過程の検討が興味深い。

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    2024年08月07日