ヘンリー・ジェイムズのレビュー一覧

  • ねじの回転(新潮文庫)
    果たして幽霊は居るのか?居ないのか?
    126年前に描かれた怖い話。純真無垢な子供が
    不気味。見えてるの?見えてないの?謎は深まっていく。
    両親と死別し、イギリス郊外の古い屋敷に暮らす聡明な兄妹。離れて暮らす伯父に雇われ、赴任してきた家庭教師である「私」。
    可愛く従順な子供達と屋敷を仕切る事となった「...続きを読む
  • ヘンリー・ジェイムズ傑作選
     1874-1892年の作品を収めた短編小説集。
     高校生の頃岩波文庫の『ヘンリー・ジェイムズ短篇集』に出会って大きな衝撃を受けて以来、ジェイムズは私が偏愛する作家の一人で、書店で見つけ次第購入して読んできた。
     岩波文庫のそれには、ジェイムズ中期から後期にかけての「曖昧法」を用いた精妙な作品が4作...続きを読む
  • ねじの回転(新潮文庫)
    『物語の解釈は、あなたに委ねられています』

    幽霊話?心理ミステリー?
    あたかも幽霊の話をするかのような前振り。
    読み進めていくうちに、あれ、何か違うぞ!
    そして、最後の衝撃!
    いったい、この話は、何だったんだ? という解釈が読者に委ねられた古典名作。
    ん?妄想?
  • ねじの回転(新潮文庫)
    不思議な小説だった。それは、クリスマスイブ、イギリスの古屋敷に集まった男女に向かって、今は亡きダグラスが彼の妹の家庭教師の手記を語った物語。でも、このお話は、それを聞いた私が書写した控えである。そして、その内容は、イギリス郊外の古屋敷に住む男の子マイルズと女の子フローラの家庭教師として雇われた私の体...続きを読む
  • ねじの回転(新潮文庫)
    恩田陸さんも以前『ねじの回転』というタイトルの長編小説を発表しており、タイムスリップSFモノだったので本作もそっち系なのかと思っていたのですが、全然違うお話でした。もっとも、本作の特徴である説明しすぎず解釈を読者に委ねる趣向は恩田さんも得意とするところなので、何かしらのオマージュは捧げているのかなあ...続きを読む
  • ねじの回転(新潮文庫)
    おもしろかった。
    文庫裏側あらすじの「私が幽霊なのか?」にだいぶ惑わされたんだけど、読み終わってもはっきりした解答は得られず、ひたすら不思議な話だった。作者がいろんな趣向を凝らして、いろんな憶測ができるよう考えて書いたことがわかる。
  • ワシントン・スクエア
    わっ、ヘンリー・ジェイムズだ。

    映画にもなった『ある婦人の肖像』は、ひとりのイザベルという女性のいわく名伏し難い人生を表した作品でしたが、これもまた平凡な女性キャサリンに起こるさまざまな出来事を、人のこころの奥底まで見通した巧みな表現でドキドキはらはら見事に描いた秀作です。

    悲劇のヒロインを自分...続きを読む
  • ねじの回転(新潮文庫)
    モダニズム文学の先駆者ヘンリー・ジェイムズの伝説的ホラー小説。
    ある屋敷に宿泊する人たちが百物語のように一夜ずつ怪談を語っていく集いを開いており、そこで語られる一つの話がこの『ねじの回転』

    作中作という形で語られる話であるが、主人公はいわゆる”信用できない語り手”で、幽霊の目撃談を始め、その幽霊に...続きを読む
  • デイジー・ミラー(新潮文庫)
    新潮文庫の新訳版。訳者は小川高義さん。
    O.ヘンリーの訳の時も感じたが、クセがあるけどなんか食べたくなっちゃうセロリ、みたいな翻訳だなぁと。すきです。
  • ねじの回転(新潮文庫)
    果たして、それは本当にいたのか?兄妹の家庭教師を頼まれた、女が徐々に狂気的になっていく様を彼女の手記を通して読み進めていく。最初はこの子供たにはなんと素晴らしいんだろう!と朗々と語っていたが、有る瞬間を境にそれは乱れていった。最初から少し子供の素晴らしさを手記に書き散らしていたときからかなり妄信的だ...続きを読む
  • ねじの回転(新潮文庫)
    誰が悪いのか??? 最後まで読み、あとがきを読み、少しして結末を読み直し落ち着いた。こどもは餓鬼ともいうほど残酷なところがある。大人の裏をかくこともあるし残酷なこともする。だからどうやって子供たちが幽霊を演出し、仕掛けたのかを考えながら読んでいたから裏切られた気持ち。だからかな、読み終わった後に、な...続きを読む
  • ねじの回転(新潮文庫)
    新訳ということで、読みやすくなった(わかるようになった)と期待していたんですけど……

    しょっぱなから延々4行にわたって続く一つの文に(しかも続けて2文章)、思わずうめいちゃいました(笑)
    いや、その後はそれほど長い文章はなかったんですけど、まあ、それでも読みづらい、読みづらい。
    ただ、それは訳のせ...続きを読む
  • ねじの回転(新潮文庫)
    アンソロジーに入っていた短編が面白くて、ヘンリー ジェイムズの本を読んでみた。

    これは面白い!
    翻訳のせいなのか原文のせいなのか、最初読みづらかったけど、慣れてくるとグイグイ入り込める。

    ヘンリー ジェイムズって思わせぶりが凄く上手で読んでる最中も先が読めない。

    他の作品も読んでみたいけど、ね...続きを読む
  • ワシントン・スクエア
    財産しか取り柄のない女の子が、財産めあてらしきイケメンに言い寄られ、結婚を決意するものの、お父さんに猛反対されてどうするどうなる?という話。皮肉で殺伐としたストーリーのようでもあり、その一方で、人間のゆたかさや奥深さも伝わってくる感じがして・・面白いです!
  • ねじの回転(新潮文庫)
    読みやすいのだが、とても難しい話だった。結局、幽霊はいたのかいないのか。子どもたちは無垢だったのか邪悪だったのか。
    いろんな解釈ができるホラー。訳者あとがきがとても興味深かった。幽霊が見えていたとしても見えていなかったとしても、子どもたちや屋敷を支配したい(それは最終的に雇い主であるこどもたちの叔父...続きを読む
  • ねじの回転(新潮文庫)
    自分が好きな感じの話ではあったんだけど、読んでいて、どうにも馴染めなかった……。訳がどうとかそういうのではない。

    少し時間置いて再読しようかな。色々な翻訳者さんたちのがあるから読み比べてみるのも面白そうだ。
  • ねじの回転(新潮文庫)
    古屋敷に住む子どもの兄妹に女性の家庭教師が雇われ、子どもたちに纏わる幽霊に果敢に挑み、奮闘する。難解に感じた。2023.3.24
  • ねじの回転(新潮文庫)
    一見、若い家庭教師がお屋敷で起こった幽霊事件を語る手紙。子供への接し方の難しさを幽霊のせいにし、延々と嘆く。ミサへ行く教会があるのだから、牧師さんなり何なり相談すればいいのに?いや、きっと雇い主に良いカッコしたいからできないのよ、と、うわべだけ読むとこんな感じ。
    とにかく、一人の人から見た物事なので...続きを読む
  • ねじの回転(新潮文庫)
    うーーーーーむ難解だった…

    文章自体は難しくなくむしろ起こったコトを誰かが客観的に喋るようなスタイルでさくさく読める。

    でもさまざまな意味で解釈できるシーンやセリフが多すぎる上、場面外で起こっていることを読み手に想像させる、委ねるような表現のオンパレード。

    そこが楽しかったです。映画もちょっと...続きを読む
  • デイジー・ミラー(新潮文庫)
    アメリカ人の青年がスイスの保養地で一目惚れしたアメリカ娘を再びローマで出会う。彼女は当時の常識から逸脱した奔放さで現地の伊達男と付き合い、青年をやきもきさせる。青春期をそっと吹き抜けていった風のような淡い体験。2022.3.4