佐々木融のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
為替についての本・・・
いくら世界の景気が悪いからって・・・
日本経済のほうがもっと悪いんじゃないの?
低成長で・・・
超低金利・・・
国の借金だってハンパないし・・・
原発だって・・・
少子高齢化も進んで人口も減り始め・・・
政治も混迷を深めるばかり・・・
なのに!
こんな日本なのに、何で円が買われて円高になっているの?
ええ・・・
これ読めばスッキリです・・・
結構分かりやすいし・・・
よく分からないところはすっ飛ばしても内容は理解できる(はず)・・・
為替相場は国力の違いを反映する・・・
経済力の弱い国の通貨は売られる・・・
人口減少がその国の通貨の下落に繋がる・・・
なんてのは間 -
Posted by ブクログ
為替変動の原理に、完全納得。
一般向けの経済書で、為替変動の原理をここまで解明してわかりやすく書いた本はないのでは。
国力が強いと通貨も強くなる。なのになぜ円高なのか。日本は強いのか。
日本人の多くが抱くそんな疑問を見事に表したタイトル。
しかし読んでみると、国力と通貨の強弱は全く関係ない、とバッサリ。
ニュースで語られる為替変動理由のいい加減さも痛烈に指摘。
要は、通貨と通貨の間でお金がどう流れているかで為替相場は決まる。
つまり、アメリカは経常赤字(貿易赤字)だからドル安になって当たり前。
中長期的には、物価上昇=通貨の価値下落。
つまり、日本は他国よりインフレ率がずっと低かったので、 -
Posted by ブクログ
昨年購入して「積ん読」してる間に安倍政権になって円安がガンガン進んじゃって、時期を逸したかな〜と心配しながら読みましたが、全然そんなことなかった。
外国為替のメカニズムについて、たいへん分かりやすく学ぶことができました。
「少子化で国力が衰退する国の通貨が高いのはおかしい」
「こんなに莫大な財政赤字を抱えている国の通貨が買われるわけがない」
「大震災の直後なのに円が買われるのは何故だ?」
巷間云われるこういった言説がナンセンスであることが解説されます。
通貨の相対価値は「国力」などという曖昧な概念で決まるわけでない。
為替市場はあまりに大きな市場で、多様なプレーヤーがそれぞれ異なる動機に基 -
Posted by ブクログ
人気アナリストによる為替相場の解説書。著者は、長年、日銀やモルガンチェース銀行で為替取引に従事した知識、経験から説得力ある話が展開している。為替市場のアクターをはじめ、為替レートが動くメカニズムが理解できた。
「円という通貨は、投資家のリスク回避志向が高まり、世界的に株価が下落するような時には最も強い通貨となる一方、投資家のリスク選好度が高まり、世界的に株価が上昇するような時には最も弱い通貨となる」p41
「日本の物価上昇率が、他国の物価上昇率を下回り続けるなら円高方向、逆に日本の物価上昇率が、他国の物価上昇率を上回るようになるなら円安方向である」p99
「今のように巨額な財政赤字を抱え、し -
Posted by ブクログ
筆者は、"為替について、間違った情報、浅はかな情報が多いことに危惧し、つとめてわかりやすく書いた本"という。私は1度読んだだけでは、深い理解はできず2度読んだ。それでも全部理解できたかわからないが、基本中の基本の知識がついて、良かったと思う。
・国力、人口の増減は為替に関係ない。シンプルに、その国の通貨で物の売買をするから、為替の取引が発生する
・世界の景気が良いと円安、ドル安へ → もっともお金を持つ国の人(米、日)が、自国通貨を売って株等に投資するから。
・為替は「実質実効レートで考える。(物価上昇率も勘案したレート)
・日本は資金の出し手である。日本にnegative -
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2011年、円が70円台後半で推移していた頃に書かれた一冊。為替ストラテジストの立場から、為替と国力が相関するといった為替に関する様々な誤解を説明する。
ドルと円だけみていても為替相場はわからず、複数の通貨の動きを見る必要があることや、為替取引は巨大な市場であり、投機的な動きの他に、純粋にその通貨での支払いや利益確定が必要だからという企業などの動きも反映される。そのため、国による市場介入は無意味というような点は、目から鱗だった。
円安がよいか円高がよいかという論点は、まさに現在のアベノミクスを巡ってなされている議論の中心。議論はわかれるところだろうが、本書のような為替の専門家の意見はもっと紹介 -
Posted by ブクログ
為替相場は国力を現すものではなく交換レートであることを改めて認識した。
「(為替相場は)中長期的には主に貿易や資本のフローがどちらに向かって流れているかで決まり、長期的には主に物価の上昇率の差で決まる。であるから、本当に円高傾向を止めたいのであれば、第1にデフレを止めること、第2に日本の投資家・企業がリスクを積極的に取れるような環境をつくり、対外投資を進めやすくすることである。」(p.236)という著者は無理やりインフレを起こすくらいならデフレの方がマシとのことで「(問題は)活発に消費が行えない消費者と、リスクを取って事業を拡大しようとしない企業のほうにある。そしてそのような状況をつくっている