井上尚弥のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【所感】
日本ボクシング史上最高と呼ばれるボクサー井上尚弥氏の哲学が詰まった良書。今の時代に一流に求められるものが何たるか少し分かった気がした
【覚えておきたいポイント】
命をかけて闘志を燃やしてリングで闘うのではなく、冷静に勝つためのデザインを描き、神経を研ぎ澄ましてミリ単位で計算するインテリジェンスな作業が理想のボクシング。怒りや憎悪の感情はその邪魔になる
リング上でのパフォーマンスがすべて。そこに付随する物語の必要性はプロとして感じない。人生の苦労などない方がいいに決まっている
自分は自分、人は人。他人と比べることをしなければ、誰かを嫌いになることはない -
Posted by ブクログ
「真っすぐに生きる。」に続いて、「怪物」プロボクサー・井上尚弥の本を読む。
井上尚弥に興味があったのは、もちろん、その強さが衝撃的なこともあるけれども、私が数年前まで、井上尚弥の生まれ育った神奈川県座間市に住んでいたからだ。住んでいた頃には既に世界チャンピオンだったし、座間市役所に行くと、井上尚弥応援のポスターが貼ってあったりする。
前作の「真っすぐに生きる。」が世界チャンピオンになる前に発行されたものであるのに対して、本書「勝ちスイッチ」は、2019年発行、井上尚弥が既に世界チャンピオンになった後に発行されたものである。
家族について、練習について、試合について、減量について、自分の性格について、友人について、等、数多くのことが書かれている。読後の感想は、「井上尚弥という人は、とても真っ当な人だ」ということである。
家族を大事にする、礼儀を持つ、挨拶をする、等、人柄として真っ当なことはもちろん、これほど衝撃的な勝ち方を続けているボクシングに対しても真っ当な感覚を持ち続けている。
「僕には天才と呼ばれるほどのセンスがない」「質の高い練習を毎日、1万時間以上積み重ね、結果が出たときに、やっと天才の"て"くらいに言われるようになるのかも」「(試合でパニックにならないのは、思いつく限りの)100%の準備をして作り上げた自信(があるから)」「自信は過信に変えてはならない」など、「やれる努力はすべてやる」ことが、勝ち続けている理由だということを、繰り返し、本書で語っている。
本書の中で、井上尚弥は35歳で引退する予定であることを述べている。それは、2028年4月になり、あと5年弱だ。まだ無敗の井上尚弥が、それまでにどのような試合を続けていくのは見ていきたいし、是非、もう1-2冊、このような本を発行して欲しいと思う。 -
Posted by ブクログ
ボクシングWBSSの初代王者で無敗の戦績を誇るモンスターこと井上尚弥選手のボクシング観や家族についてなど自身のことについて書かれた一冊。
ボクシングに懸ける想い、リング上での流儀など試合だけではわからない井上選手の心の内を本書で知る事が出来ました。
出版時までの18戦の試合中の心境や減量時の苦悩や食事へのこだわりやオリンピックとプロ転向時の思いなど赤裸々に書かれていてボクサーの生活面のことも深く知る事が出来ました。
そして、ガウンやグローブやトランクスなど試合で身につけるものについても強いこだわりがあることを知理ました。
また、トレーナーである父や同じプロボクサーの弟の拓真選手を中心に家族への想いや試合時や減量時のことも書かれており、井上選手の素顔も知ることもできました。
父とのスパーリング時のやり取りなど練習段階から本番を想定した緻密に計算された練習をしていたり、減量後の食事も試合につながるように計算して採っていたりと試合だけではなく日常生活から常にボクシングを意識して生活されている事がわかりました。
WBSS以降コロナ禍もあり、2020年9月現在で試合は行っていないですが本書を読んで井上選手のことを深く知り、リング上での闘う姿から想いを感じることができ、井上選手だけでなくボクシングの魅力も強く感じることの出来た一冊でした。 -
Posted by ブクログ
井上尚弥は4階級を制したボクシングの世界チャンピオン。元々アマチュアの強豪選手であったが、2012年にプロデビューを果たし、それ以来、25戦25勝(22KO)という、圧倒的な戦績を残している。パウンド・フォー・パウンドと呼ばれるランキングがある。これは、階級・体重差に関係なく、世界中の選手たちを専門家が評価し、「全階級を通じて最強の選手は誰か」を決めるものである。それは、サッカーで言えば、バロンドールを獲るようなものだろう。2022年に井上はこのランキングで1位となっている。もちろん、日本人選手としては初めての快挙である。
井上が最初に世界チャンピオンになったのは、2014年4月のことであるが、本書はそのタイトル戦の直前に発行されている。その時点で、プロデビューしてから5戦しか戦ったいないが、既に「怪物」と呼ばれ、いずれ世界チャンピオンになるだろうと思われていた。アマチュア時代を含めて、そこまでのボクサーとしての戦いの軌跡を、井上尚弥と、その父親がどちらかと言えば、淡々と綴っているものである。
本書を読めば、井上尚弥という選手が、本当に真っすぐに努力を積み重ねてきたことが分かる。しかし、それは「死に物狂い」ということではなく、自分自身に対しての自信を心の中に秘めながら、すなわち、「いつか自分は世界で戦う」という確信を抱きながらの努力、という感想を持った。