今森光彦のレビュー一覧
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好奇心の部屋 デロール
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Posted by ブクログ
今森光彦さんのアトリエの楽しみ方図鑑ですね。
今森光彦さんのアトリエは「オーレリアンの庭」と呼ぶ、里山ガーデンです。
オーレリアンの四季を通しての植物、虫・動物の紹介とアトリエの移り変わりを詳細に豊富な写真を添えて、ビジュアルに紹介されています。
今森さんとご家族の、アトリエでの仕事ぶりや、四季折々の料理も寄せられていて、説明やエッセイも盛りだくさん。
ペーパークラフトの作家でもある今森さんの作品も数々美しく飾られています。
今森さんの言葉
「アトリエの庭を考えるとき、ひとつの相手ががあった。それは、エコトーン。エコトーンというのは、性質の異なる環境が寄り集まる端境の場所のことで、そこは、集中的に生きものの密度が高い。」
実際に「オーレリアンの庭」は、幾つかのエリアに分けられて作られていて、人の手で計画的に造園されています。
そこに集まる生きものと人のふれあいが、里山ガーデン「オーレリアンの庭」の魅力ですね。
今森さんの、あとがきに
「生きものの集まる小さな里山を再現したい。やがてそんな気持ちが募るようになりました。ささやかながら、アトリエをつくるとき、周辺の環境をすべて宝物につくり変えようと考えたのです。それが、この本で見ていただいた庭の物語です。
庭は、私にとって里山の自然を見つめる窓であり、教科書であり、実験場でもあります。」
とても素晴らしい夢の実現に感嘆せざるをえませんね。 -
好奇心の部屋 デロール
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Posted by ブクログ
パリの、様々な生き物の剥製や標本を商うお店「デロール」の探訪写真。
1831年開店という店の中には生きているように自然な姿のライオンや白熊、ヘラジカ、鳥などが処狭しと置かれている。
床に寝そべる犬や熊、歩いているような孔雀、足を蹴上げるシマウマなどなどいっぱいがいる!
ページを開くごとに、「ウオーッ」と小さく歓声をあげてしまう。
昆虫や蝶々もいる。また剥製に取り付ける様々な色と大きさのガラスで作った目玉にもギョっとする。
魚の剥製、両生類や爬虫類の骨・・、植物・鉱物までありとあらゆるものがありそうだ。
小さなタツノオトシゴの標本もある。
ヨーロッパの異国の動植物への趣味の高まりに応じて、このような店ができたのだろう。
植物画家メーリアンのことを思い出す。写真のない頃の実証主義、知らないものを見たいという好奇心が羽ばたいた時代が、現代の都市にもまだある。
昔、東南アジアのおみやげに蝶々を頂いた。展翅して額装しようと渋谷の志賀昆虫を訪ねたことを思い出す。昆虫・蝶々などを採集する人々対象の専門店。不思議な生と死の展示場だと当時は思った。出来上がった展翅の蝶々は、なんだか不気味に感じてすぐに人にあげてしまったっけ。
「好奇心の部屋」であるデロールは、私には怖い。しかし覗いてみたい気もする。
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好奇心の部屋 デロール
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Posted by ブクログ
パリには「デロール」というお店があります。1831年創業。ショーウィンドウにはライオン、羊、ちょっとのぞくとビーバーや狐、ロバも並んでいます。まるで生きているように見えますが、じっとしている彼らはみんな剥製。このお店の商品です。この本は、パリでお客さんに世界への夢やおどろきを与える不思議なお店について、今森光彦さんの写真と文章で紹介したものです。
実は動物の剥製にはあまり良い印象を持っていませんでした。なんとなく、貴族が自分の力を誇示するために生き物を殺して飾るという固定観念(剥製造りをしてる人ごめんなさい)。いきものを美しいと感じるのはわかるけどわざわざ殺さなくても、図鑑とか見たらいいじゃん、と思ってました。そんな気持ちでこの本を見ていたら「はじめて見る貴重な動植物を長く保存できる剥製や標本は、のちのち時間をかけて種類を見わけたり、絵を描く見本として、なくてはならないものだったのです」という一文が。そうか、昔のヨーロッパの精密な絵が載っている図鑑。あれを作る時、役立っていたのか。
確かにデロールの剥製たちは、自然の中で見せる姿勢をとっていて、彼らのことをよく知っている人が、その動物のことを伝えようとしている感じがします。もともと理科実験の道具を扱っていたデロールは、時代的背景から剥製を扱うようになったそうで、博物館的な側面が強いように見えます。お客さんが質問をするとスタッフがその標本について教えてくれて、なんと標本に手で触れることもできるとか(ライオンにも触れちゃう!)。なんなら博物館よりもさらに世界中の自然の魅力や不思議と距離が近いかもしれません。
読み終わる頃には、剥製=貴族の館に掛かってる鹿の首という固定観念を捨てることができました。なお、デロールはこの本が作られた後に火災に遭い、貴重な剥製や標本の多くを失ってしまったそう。エルメスなどの支援を受けてお店は今もやっているとはいえ、創業以来のデロールの姿を知ることができる本でもあります。