中野猿人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
数学・物理学史上、Euclidの原論と並び、もっとも偉大な本と呼んでよいのではないだろうか。
本書はブルーバックスとして再出版され、現代語訳になり、なおかつ各巻末に注記がされており詳しい解説がなされている。
原本に忠実な訳では現代のわれわれが読むと意味が異なるところもあり(例えばNewtonの時代では「運動」は物体の運動そのものを示すこともあれば、現代でいう運動量も示す)、そのままだとたぶん読みにくい。
本書はここを完璧に補完している。
これだけでも訳者に敬意を払いたいですね。
内容については、古典的な公理系から出発し、演繹的に理論を構築していく(命題→証明の繰り返し)スタイル。
証明で使 -
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Posted by ブクログ
命題はさらっと主張だけ読み、証明を読んだのは命題20あたりまでです。
印象に残ったのは、この第三編の冒頭にある、ニュートンの言葉です。そもそも第三編の『世界体系』がもともと主張したいことだった、という事実にまず驚きました。それに加えて、「じゃあなぜ第一編と第二編を書いたのか」という理由も面白いなぁと思ったのですが、それ以上に、「第三編を読みつつ、適宜必要な第一編や第二編に掲載されている命題を読めば良い」と書いてあったことに、感動しました。
こういった本を読むときには「本来であれば全部読むべきなんだろうけど、それだと体力が持ちそうにないから結論から読もう」みたいな、ズル技を普段からしていまし -
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Posted by ブクログ
ニュートンのプリンキピア。どんな内容なのだろうと気になって手にとった。物理や数学の基礎知識が乏しい自分には、内容を理解するのが難しすぎた。しかし、ニュートンが様々な自然現象を数式で表そうとしていたことは理解できる。ニュートンの言葉にもある通り、寝ても覚めてもそのことを考え続けてきたのだろう。
アインシュタインもそうだが、彼らは我々のように、教わったことや学んだことに対して簡単に納得したりはしない。フロンティアたる彼らは、物事に対して常に疑いを持ち、徹底的に考え続ける。だからこそ、新しい発見が生まれるのだろうし、本質的なものが見えてくるのだろう。そのニュートンの思考の成果がプリンキピアである。