近田春夫のレビュー一覧
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筒美京平が亡くなってから計画された筒美京平を語りながら渡辺栄吉(本名)を覗く本。
2021年7月刊行。
第1部(1-6章)は近田氏による筒美京平論。
曰く「楽理を踏まえていない譜面に紐づいていないビートルズに影響は受けてない。一世代前のアメリカンポップス」「日本語の官能性を音楽が持つフィジカルな快楽と合体させた」「邪推が及ばない音楽的懐の深さ」
官能性。そうなんだよね。名曲は総じてそうなのかもだけど、筒美京平の艶ってあるよねぇ。
「えげつない曲、これ見よがしの曲を作らなかった人」という評。
それに至る会話は、筒美京平の曲には女性作詞家が似合いますねもしくは千家和也やちあき哲也→ユーミンとの -
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「調子悪くてあたりまえ 近田春夫自伝」を読んで、軽い語り口、だけど鋭い視点の近田節が気持ち良くなってしまい、続けて本書を開きました。そもそも近田春夫がずっとリスペクトしてきた対象なので、自分の音楽を語る自伝より活き活きしているし、楽しそう。実際の読書も、脳内ライブラリーだけでなく、YouTubeでマニアック曲を検索しながらの「聴く読書」でした。曲そのもの、だけじゃなく筒美京平が取り込んだ元ネタもばんばん開示されるので、まるで鶴の恩返しの機織り部屋を覗いているようなドキドキ感があります。南沙織「17歳」の元ネタがリン・アンダーソン「ローズ・ガーデン」であることは有名ですが、松本伊代「センチメンタ
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筒美京平が亡くなってまもなく1年。コンピレーションアルバムの発売やライブは行われるも、筒美京平に関する評論はあまり見かけないなぁと思ってたところに本書がドドーンと登場。
その著者がこれまた近田春夫と来てる。週刊文春の長期連載『考えるヒット』では、“つい考えちゃうんだよ”的思考でヒット曲の謎を秘密を解き明かす絶品の論考を毎度毎度開陳していただけに、はたして筒美京平をどう解剖するのか…。
近田さん自身、筒美京平とは50年近い交流があり、その間には〈自堕落な私生活〉について一度叱られたこともあるという、人間 筒美京平を物語る貴重なエピソードもお持ちなだけに、否が応にも期待感が膨らむ。
そう本書 -
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「筒美京平 大ヒットメーカーの秘密」の近田春夫が文春新書でもう一発!今度のテーマはGSです。今回もYouTubeで検索しまくりの「聴く読書」でした。実質、昭和41年から45年(ここが西暦表記ではなく年号表記なのも、らしい!1965年から1970年…西暦にすると東京オリンピックから大阪万博までの高度経済成長の終わりの始まりの時代であることがわかります。)のわずか5年間のGSカンブリア紀のメジャーGSをマニアックに解説しています。ザ・スパイダーズ、ブルー・コメッツ、ザ・タイガース、ザ・テンプターズ、ザ・ゴールデン・カップス、ザ・ジャガーズ、オックス、ザ・ワイルド・ワンズ、ヴィレッジ・シンガーズ…当
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筒美の紡ぐ旋律は、その1曲の全体が、柔らかな色合いを持って包み込んでくるような錯覚を聴き手に与えるという点に特徴があると思う。旋律そのものだけがやたらと骨太いような、ある意味わかりやすい曲とは一線を画す。荒々しいデッサンのような魅力ではなく、破綻のない水彩画のような印象だ。時間的に連続する音像すべてを3分というポップスのフォーマットの中で稠密に出力している。もちろんフックの効いたパッセージは効果的に配置されているが、それは全体をしみこませるためのきっかけとして、計算されて置かれている。総合的な建築家のような仕事だったと思う。優れたシンガーソングライターによる明解で一貫した世界観もよいが、筒美の
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<目次>
第1部 近田春夫による筒美京平論
第1章 開化前夜(1966~70)
第2章 王者への行程(1971~75)
第3章 快進撃(1976~79)
第4章 アイドルそしてジャニーズ(1980~89)
第5章 未解明の本質(1990~2020)
第6章 筒美京平なき今への考察
第2部 近田春夫による対話篇
第7章 実弟・渡辺忠孝が見た兄の生涯
第8章 盟友・橋本淳が明かす創作現場と素顔
第9章 歌い手・平山みきの眼に映じた”父”の肖像
第10章 近田春夫が選ぶ10曲
<内容>
昨年亡くなった歌謡曲作曲家・筒美京平。マスコミに顔を出すことがほとん