上遠恵子のレビュー一覧
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「わたしは、ものごとを不思議に思うことを忘れてしまったのかもしれない。」
この本を読んで、わたしは焦りにも似た悲しい気持ちを抱きました。
センス・オブ・ワンダーとは、「神秘さや不思議さに目を見はる感性」のこと。
この本は、センス・オブ・ワンダーを持っている子どもよりも、わたしのような大切な感性を忘れてしまっている大人に向けた、レイチェル・カーソンからの手紙なのではないでしょうか。
本当は「感じる」ことが大切なのに、つい「知る」ことに逃げてしまったり、本当は不思議に思っていることもあるのに、簡単にスルーしてしまっていたり、そんな自分は何かもったいない生き方をしているのかもしれません。
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Posted by ブクログ
幼かった頃の冒険した時のワクワクした記憶、初めて本気の恋をした時の公園の匂い、高校の通学路でいつも聴いていた曲、など様々な思い出が蘇りました。
視覚、聴覚、嗅覚それぞれでの思い出ってなんかすごく覚えているものですよね。
初めてアリに触った時、潰してしまわないかと不安になりながらも足が何本もある驚きや小さいのに力が強いことすべてが新鮮でした。
羽根がついているものや、色が白いもの、一際大きい女王蟻、あと何種類の個体がいるのだろうと不思議に思ったことが懐かしい。
今も変わらず昔に見た生き物がいること、綺麗な海をみると落ち着くこと、変わらないことに感謝して忘れずにいたいと思う。
大人になってからなん -
Posted by ブクログ
Audibleにて。「子どもにどのように自然に触れさせるか?」これから世界を知っていく子を持つ親として、いま読んでおくことができてよかったと思える1冊だった。
本書を読む前は、都会に住んでいると、ザ自然な場所はなかなか無く(あっても作られた自然なことも多い)、スマホ、テーマパークなどの人工物なエンタメが手軽で確実に楽しめるコンテンツで育ってもらうんかなあとやんわりと思っていた。そんな考えでは、子どもを自然に触れさせる機会を作れないままだったのではないかと思う。
今回、本書を通じて知った表題の「センスオブワンダー」(という自然の神秘や不思議に目を見張る感覚)で自然を観察し感じ取ることの意義と、 -
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職場の上司が退職する際、私に渡してくれた。
子どもの頃の五感がいかに大事なのかが、再確認できる。
私は仕事柄常に子どもといるが、小さい子どもは特にタブレットやスマホを欲しがる。
だから、必ず一回は外に出て、風を感じたり生き物の声を聞いたりしている。
暑くて外に行きたくないと言ったり、面倒だから外に行きたくないという子どももいるが、そういうのも含めて感覚だと思うから、「暑い」という感覚を確かめに行く。(上手く表現できないが、、)
これからの子どもたちが大人になった時、どんな社会になっているがわからないが、きっと、今私がしていることがほんの少しでも役に立っていると願いたい。
本の感想が分から -
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ネタバレ目次
・センス・オブ・ワンダー
・福岡伸一 きみに教えてくれたこと
・若松英輔 詩人科学者の遺言
・大隅典子 私たちの脳はアナログな刺激を求めている
・角野栄子 見えない世界からの贈りもの
何年も前からずっと、読もう読もうと思っていたこの本を、ようやく読むことができました。
遅かりし…という気がしないでもないけれど。
センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目をみはる感性
子どもたちが小さいうちに読んでいたら…と思わざるを得ません。
私自身の子ども時代は、自然の中でのびのび遊ぶのではなく、知能・知識を重視した習い事や塾に通わせるのが、子どものためになると信じられていたので、自然の中で遊 -
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ネタバレ★
知るよりも前に感じることが大切。
五感に触れる体験、自然を感じることが人や人生を豊かにすると私も子どもの頃の体験から実感している。
現在は自然破壊や科学の進歩で子どもたちの生活が変わってきているように思うが、その中で育ち、大人になると実際のところ、自然を、『センス・オブ・ワンダー』をどう捉えるのだろう。
しかし、今の子どもも小さなアリに心をうばわれ興味深げに目で追い、アスファルトの隙間に生えるたんぽぽをとって大事そうに持ち歩いている。やはり、
人は本来、そういう感性をもっているものなのだろう。
少なくなっている自然環境を昔と比べて嘆いている場合ではない。子どもは今もちゃんと自然や自然 -
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自然を科学的にアプローチするのが生業のはずの生物学者が、こんなにも文学的に自然を表現できるんだと驚く。とにかく自然への眼差しが優しくて慈愛に溢れている。言葉のひとつひとつから優しさや愛情を感じさせる。行間からは自然への畏敬がにじみ出てくる。時代を問わず、性別を問わず、誰の心にも届く言葉の力を感じさせた。素晴らしい散文詩だ。
自然を相手に研究する生物学者である前に、ひとりの人間として自然をどう感じ自然とどう接するか。すべての存在を生かしめる偉大なものを前にしたときの謙虚さ、真摯さに心を動かされた。海、空、植物、虫、そして雨、風、空気、太陽、月。自然が与えるすべてのものが人の感受性を育てる。とき -
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Posted by ブクログ
幸田文の『木』がとても良かったので、GPTにオススメの作品をたずねたところ紹介された。
なによりも、このセンスオブワンダーという言葉。この言葉に出会えたことが良かった。
そう思えたのは、親が昔あれこれとアウトドアの趣味に連れ回してくれたからだろう。そして今も、キャンプ道具や釣り竿、カメラ‥と物理的にも心理的にも譲り受けるものが多々ある。
不意にも、今この瞬間にも、キャンプ場の釣り堀に愛犬が飛び込み、愛犬も、鮎も、周囲のお客さんも、そしてもちろん我々家族も驚き、笑い合ったことを思い出した。
今この言葉に価値を感じられるのは、3年ほど前に始めた登山がきっかけだ。生命のかたまりみたいなでっか -
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