村木厚子のレビュー一覧
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しなやかな目線。
◯仕事のおもしろさ、人がその仕事をしたいと思えるか
・自分の仕事が人の役に立っていると思えること
・楽しく働けること
・成長できること
◯国家公務員と地方公務員の違い
・全体・仕組みと現場・具体
・分野軸と地域軸
◯民間企業との違い
・公益性は大なり小なり共通
・利益を前提とするか否かが違い
・一部の顧客に選んでもらうか、全員に「商品」を"押し付ける"か
◯黒子として、チームリレーで、全体に奉仕
◯求められるものは、感(受)性、企画力、そして説明力
◯制度、法令は可変。育っていくもの
◯公務員の人事制度上、一流にはなれないが、一流を連れて来ら -
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厚労省の役人がどんなことを考えて働いてるかがよく分かるの一冊。財務省と予算獲得論争や、福祉の現場との議論の進め方、そして法律策定までの険しい道のりが著者の経験を通して詳らかに記述されている。
また、これからの新しい社会のあり方として、パブリックなものを管轄する行政、経済活動を行う企業だけではなく、サードパーティとしてここにNPOが新しいパートナーとして参画すべきと主張している。そして、この三角形の中心に「市民」がいるという構図。市民は行政に依存するのではなく、社会を構成する主たる一員として、自らが社会を作っていく意識を持つことだと。そして、これこそが真の民主主義なのだろう。 -
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若い公務員や公務員になろうとしている方に向けての本だが、私みたいな年を重ねた民間企業に勤めている人間でも得るものが多かった良書。いわゆる組織の「あるある」に関しても納得できることが多く、強い共感を持ちながら読み進められる。漢字が少なめなのも、おそらく意図して編集しているのだろう。
著者の人がらだとは思うが、いわゆる上から目線といったものが一切無く、内容が心に染み入るように入ってくる、というのはこのようなものかと感じた。
「1.新しい仕事をするチャンスがあったら引き受けましょう 2.昇進のオファーがあったら受けましょう 3.ネットワークを作りましょう 4.家族・家庭を大切にしましょう」との -
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ネタバレ「30歳未満の若手男性官僚の7人に1人が、数年内に辞職する意向」、内閣人事局が実施した意識調査で、そんな衝撃的な事実が報道されている。昨年11~12月に国家公務員の約3割を対象に実施。約4万5千人の回答ということであり、一部の公務員ではなく公務員全体の意識を反映した内容。背景には、民間以上にハードと言われる長時間労働等、働き方改革の遅れもあると思われるが、この間の「忖度」等に代表される公務員の働き方そのものへの不満・疑問があると思われる。それは「もっと魅力的な仕事につきたい」が約半数の回答であったことにも現れている。
そんななか、元厚労省事務次官の村木厚子氏の著書が発刊された。村木氏は、労 -
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思いの丈を全部書きました!と、とっちらかった感はあるけど、当事者だからこそのリアルな熱量がこもってる。
どんな状況に立たされても自分の人生が今の自分に課した役割に目を向けて、一歩でも前進できるよう集中できる(塀の中でも!)強さの源泉が何かも綴られている。
それが家族というのはわかるが、まさか名探偵コナンを重ねていたのは。
堀江貴文さんも再三述べているが、検察の怖さについて細かに描写されてる。ブラック企業のそれとはまた異質の、優秀な人たちが織りなす組織的な失敗の構造についても言及されてる。
解決策にいくつか参考図書が紹介されてるが、個人的には山口周さんの『世界で最もイノベーティブな組織の -
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日本の組織の現状を憂い、柔軟でしなやかな組織への改革を訴える
ご自身の冤罪を事例に、検察という最高権力が過ちを修正できない構造を戒め、日本組織の直面している課題とする
建て前と本音のギャップが拡大し、組織を劣化させている
同質性、勇気の欠如が組織の無謬性のフィクションとなるとき、小さな失敗は、どんどん大きな雪だるまに成長する
ダイバーシティ
透明性
未来を明るくするために必要な試みを積み重ねる
これを「静かな改革」と呼ぶ
個別の話と、社会改革の話が混在しているところがあり、
話を解らなくさせているのは残念
冤罪という希有な経験が著者の価値を作った
「失敗の科学」
航空業界 ボイスレコーダ -
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高級官僚ではあったがそういったことを微塵も感じさせない柔らかい語り口と、そうではあるがなすべきことを強い信念を持ち続けておられるという点に強く心を惹かれる。
事務次官まで勤められたのだから通常は「あがり」で、あとは悠々自適に一流企業の顧問やアドバイザーにでも、、、となるのが普通だとは思うが、未だにバイタリティを持ち続けて精力的に活動されているのは素直にすごいと思わせるものである。
位やポストを求めるのではなく「何をなすべきか」を明確に意識していることをひしひしと感じ、また、人間的魅力も溢れている。
働く人全てのロールモデルになり得るという点でも、生き方を模索するという点でも、この本は万人 -
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寄り合い所帯ではミッションを言葉で表わす。できるだけ「阿吽の呼吸」ではなく、共有できる言葉を探す努力が必要。
そもそも上司は部下に仕事をしてもらわなければいけない立場。偉そうにする必要はない。
ダメ上司の上に訴える時の心得→ごく客観的に「私」ではなく「会社」の立場で話す事。「上司のこことここが問題。それをカバーする為に私はこれとこれをやっているがこれ以上は会社や取引先、ユーザーにこういう迷惑がかかるのでなんとかしてもらいたい」
警察、検察の取り調べ。「誰も嘘はついてない。検事が勝手に作文してそこから交渉が始まる。調書とはそういうもの」臆病な人、気の弱い人、弱みが沢山ある人は自分を守る為に -
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郵便不正事件で冤罪で逮捕・起訴されたが、後に無罪判決が出て、厚生労働事務次官を務めることになる厚生労働官僚の村木厚子氏の自伝。
「普通」の人のロールモデルになりたいという思いで生きてこられた村木氏の等身大の姿を感じることができた。リーダーシップの取り方はいつも「迷い中」というエピソードに表れているように、決してスーパーマンではないが、強い心を持ち、人を引き付ける魅力をもった女性であるということが伝わってきた。郵便不正事件での冤罪逮捕・起訴を乗り越えられたのも、本人の気持ちの強さとともに、家族をはじめとする人のつながりに支えられていたからだと感じた。人のつながりは本当に大事である。
どうしようも -
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文章を読んだ印象だと、淡々と静かに落ち着いて仕事をする頭の良い人という感じ。さすが高級官僚といった感じ。
この前読んだ、坂東さんと上野さんの本にも、この村木さんのことが出ていた。
「彼女は特別な人。有能で大人、強い女性です。」と。
でも、
「(出産で)部下に優しくなった」
「部下に対して声を荒げることも少なくありませんでした」
「おとなしくて要領を得ない部下を思い切り叱ったら…」
などというエピソードもあり、血も涙もある、生身の働く女性でした。
とても多忙な仕事と、家事も子育てもバリバリこなすことのできるスゴイ女性であることには違いないはずだけれど、旦那さんのコメントでは、ゆったりのんび -
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塩野七生 ローマ人の物語 人は皆、自分自身の肌合いに最も自然であることを最も巧みにやれるのである。
部下との日頃のコミュニケーションが大切。仕事がうまくいくかどうかは、まずは組織の中がうまくいくかどうかにかかっている。それが実はトップの命題。
議論が複雑になった時は原点に戻る
ダメ上司のもとで、あきらめずに努力する、さぼったら上司と同じレベル、努力していることが見えたら、周りが味方になる。客観的に 私 ではなく 会社の立場で話す。上司のここが問題、それに対して自分はこう頑張ってる、しかしこれ以上は会社や取引先に迷惑になる。会社が困る、ことを見せる必要ある。
お役所は造語が得意。厚労省は