村木厚子のレビュー一覧
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これからワーキングママデビューを果たすため、読んで見た。上には上がいるなー;^_^A かなり頑張って働いていて、長時間子どもを預けなければいけない状況でも、最終的には父親も含め、どう子どもに向き合うのかなのだということを教えてくれる本だった。郵便不正事件のことも交えて、内容もドラマティックで読みあきなかった。村木さんのような官僚の努力があって働くお母さんが少しずつ楽になってきたりするんだーとわかった。すごい仕事だわ。
ふつうの人が働きながらママをできるよというロールモデルになりかったとあるのをみて、肩肘はらずに仕事と育児を子どもとともに楽しもうと思えた。 -
Posted by ブクログ
★痛くない正しい手錠のかけられ方まで講演するユーモリスト
この本は、今でも思い返すと許せない忌々しくかつおぞましい2009年に起こった郵便不正事件で検察のでっち上げた虚偽公文書作成容疑等により逮捕・起訴され、2010年9月に裁判で無罪を勝ち取って自由の身になった村木厚子さんが書いた、事件の顛末というよりそういう目にあった女性が半生を振り返り、揺るぎない仕事への自信と家族の絆をもとに、勾留164日間でもけっしてくじけなかった自らの確信的な生き方を、同時代に生きる女性へ向けて発信したメッセージです。
この本ももちろん大変興味深い内容ですが、私には、この本が上梓された半年以上前の雑誌『オール讀物』2011年3月号に掲載された特別寄稿「私を勇気づけた百五十冊」の方が、はるかに興奮する興味津々な内容でした。
大阪拘置所に勾留された村木厚子さんがその勾留期間の164日間で読んだ本が150冊だったそうで、
「本は、20日間の大きな緊張を強いられた検事による取り調べの強力な精神安定剤であり、また、その後いつまで続くか先の見えない勾留生活の一番の慰めでした」
「あのとき、心の均衡を保つことができたのは、そして希望を失わなかったのは、大好きな本があったから、しかも、それが大好きな知人・友人・家族から差し入れていただいたものだったからだと思っています。本に感謝、そして本を差し入れて下さった皆さんに、心から感謝しています」
不謹慎ながらそれを読んで、羨ましい私も拘留されて読書三昧したいななどと思ったものでした。今まで吉田松陰や大杉栄、三木清や河上肇、永山則夫やアントニオ・グラムシやレフ・トロツキーなどの獄中での読書記録を読んだことがありますが、たとえ凄惨な拷問があったりやがて虐殺される境遇にあろうとも、否、だからこそ極限的な読書する至福の喜びが読み取れて嫉妬に駆られたものでした。
彼女の読書は意外にもミステリが多く、佐々木譲や今野敏などにデニス・ルヘイン『運命の日』やサラ・パレツキー『サマータイム・ブルース』とかリック・ボイヤー『ケープゴッド危険水域』などという海外ものまである本格派で、小さい頃から江戸川乱歩『怪人二十面相』やガボリオ『ルコック探偵』それにホームズ、フリーマントル『チャーリー・マフィン』や大沢在昌『新宿鮫』や『刑事フロスト』シリーズ、マイケル・コナリー『ハリー・ボッシュ』シリーズを読んできたかなりのマニアです。 -
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発売当初から気になっていて、しばらく忘れていたところ、前の職場の同僚から勧められて思い出し、その日のうちに購入。
著者の村木さんは、厚生労働省の官僚として「普通の人」のロールモデルになりたい」と思いながら働いてきたにも関わらず、凛の会事件で逮捕・拘留されてしまう。のちに無罪が確定し、内閣府の政策統括官(共生社会担当)として職場復帰。現在は仕事の傍ら、雑誌に寄稿したり、拘留中に読んだたくさんの本を紹介したりしている。
この本には、そんな著者の人生の軌跡と、そのなかで著者が気づいたこと、後輩たちへのメッセージが、優しい語り口でたくさんちりばめられている。
自分が同じ業界で生きていているということもあり、書かれていることが真実味を持って迫ってきて、本当にたくさんの言葉が胸に染み込んだ。
3年目に突入し、自分の仕事の出来なさに絶望し、私はこれからやっていけるのかと悩んでいた私に、「あきらめない、もう少し頑張ってみます!」と思わせてくれた、本当に元気の出る本でした。
村木さん、ありがとう。
以下に、私の心に特に染み込んだ言葉を記します。これでも足りないくらいだけれど。
「やりたい仕事、やりがいがある仕事だからこそ、工夫もするし、頑張れる。頑張れるから実績も残せる。そんな役に立つ人材は会社も手放したくないから、待遇を考えてくれる。」(p87)
「でも、ポストが上がるということはそういうことなのかなと思います。そして仕事はいつも『ちょっと間に合ってないな』と思いながら続けていくもののような気がするのです。」
(pp104~105)
「大ヒット商品を開発するとか、新しいことにチャレンジし続けるとか、いつも攻めの姿勢でいるとか、もちろん、それができたら素晴らしいのですが、私自身はそんな風にはなかなかできていません。普通に着実にそれぞれのポストをこなしていくだけ。それでも十分に階段を上っていけると思います。」(p253)
どんなに間に合っていない、だめだと思っても、着実に目の前の仕事に取り組もう。そして、必要とされる職員になりたい。一歩一歩、前へ。 -
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日本の刑事裁判では99.9%の有罪率を誇るという。それは何を意味するのか、本書は示唆している。
検察官の取り調べは真実を確かめるためではなく検察のストーリーに沿った供述調書を作るために行われてる、無罪を主張すると勾留期間が延長され保釈されないことなど驚くべき内容ばかりであった。検察、裁判官に対するこれまでの認識を覆された。
かなり批判的な内容であったが、同じ主張の繰り返しで少し中だるみ。村木さんも官僚なら省庁がやる有識者会議などは省庁の思い通りになるような有識者しか選定しないことや、初めから落とし所を決めているシャンシャン会議にしかならないことなどは想像できそうだけどなぁ。 -
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司法は国民の味方ではない、ということは事件や裁判などのニュースを見て興味を持ってその件について追加報道や書籍などで詳細を知っていくなかでも時々感じることはありましたが。
本書を読むと、さらに驚くことが随分とありました。
「執行猶予は大した罪じゃない」(p29ある検察官の発した言葉)なんて、一般人の感覚からは大きくズレていますが日常茶飯時として事件に関わり犯罪者や被疑者と向き合っている法律家からするとそんな感覚になってしまうのかもしれません。しかし村木さんがここに書かれているように一般人には「とうてい受け入れられるものではありません」
みんながみんなではなく村木さんが出会ったような検察官はほんの一握りだと思いたいですが、「決めつけ」や「圧力」や「上から」な検察官が多いのだろうかと思ってしまいます。
しかし読み進めていくと検察官の人柄というよりは司法の構造的問題なのだと思わざるを得ません。
「日本はいい国だけど、刑事司法はひどい。この国で絶対に裁判を受けたくない(p110)」外国人にそう言われるような法律を当たり前に運用していることを司法関係者は恥ずかしいとかふがいないとか思わないんだろうか。…本書を読むと…思わないんでしょうね。
(p237)裁判官は経済や科学技術の最新の知識に疎い人が多く、経済事件について、検察官の主張の疑問点を洗い出してその当否を判断することができなくなっている、という声もあります
…うーん、知らないのは当然としても判断が必要な時にさえ知らないままだったとしたら怖い。怖すぎ。
冤罪だけでなく最近でも人質司法で亡くなられた方もいて、正しく刑法が運用されていないことのやりきれなさを文章のあちこちに感じさせられました。(p71、119,130他多数…)
特に「第八章抜け穴だらけの刑事司法改革」には本当に口が開きっ放しになるような驚きを感じました。日本という国は本当に「やってる感」のためだけに何かやることが多すぎると感じます。
(p243 「一般市民を多数入れた“開かれた会議”で改革をしました」とアピールしたかったのだと思います)
こんな出来レース的な委員会など意味がないばかりか返って現状を悪くするのではないかと思いました。
(p268)法改正の議論について市民が関心を持ち、その内容を知り、発言することが大事なのです (略)心に強く残ったのは、法律というものは、条文の趣旨が解釈や運用によって大きく変わってしまう、という「学び」でした
何事も関心を持って声を上げなくては変えられないのだなと思います。
また冤罪事件において見過ごされがちだけれど極めて重要なことがp290に書かれています
(p290)被害者のいる犯罪においても、「無実の発見」は被害者やその家族にとって望ましいことであるはずです。無実の人を逮捕・起訴し、長い時間をかけて裁判を続けていれば、その間に真犯人を取り逃してしまうことにもなります。真犯人が責任を問われないままでいることは、被害者や被害者家族にとっても不幸と言わざるを得ません
それが冤罪事件の一番の問題だと私は思いました。
村木さんの怒りが走り「それは思い込みかもしれない」と思われる箇所も散見されましたが、村木さんだからこそ言える提言でしょう。
「第一章突然犯罪者にされたら」にある助言、覚えておこうと思いました。
いや、そんな目に遭うことがないのが一番なのは当たり前ですが…。
広く読まれてほしいけどなかなか関心を持ってもらうのが難しいテーマではありますね。
角川歴彦さんの本も読んでみたいと思いました。 -
Posted by ブクログ
「疑わしきは罰せず」。刑事司法の大原則である。強引に筋書きを作り、そうであるならば無罪の可能性は消そう。その言葉がいかに脆いものかを問いかける。
一度、捜査機関が筋書きを描けば、証拠や供述までそこに沿って読まれてゆく。疑問を抱く人がいても、組織の流れを一人で止めるのは難しい。問題は個人の資質ではなく、組織のあり様なのだ。
しかも組織は、内部からだけではなかなか変えられない。だからこそ外からの目と、検証する仕組みが要る。
司法を信頼するとは、無条件に信じることではない。正義を掲げる組織だからこそ、自らの「正しさ」を疑われる仕組みが必要なのである。 -
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第一章を読んでる時から、感情移入してしまって苦しくなってきた。そういう類の本ではないと思いつつ、「村木さんだから耐えられた、普通無理」と思える「おどろきの」酷さだった。
周防監督が中心になって開かれた再審法改正についての市民向け講座のようなものに2度参加した。鴨志田弁護士、村山弁護士など多彩な方々が力を入れて取り組まれていることを知った。これが一応私のこの本を読む土台になっていたのだと、読み始めて気がついた。
冤罪については、袴田事件、大川原化工機事件など、知れば知るほど司法の酷さに怒りを覚える。自分たちの組織防衛、自分の保身のために、人の尊厳や命を犠牲にする。怖くないのだろうか。自分のやっていることが。
どうしても感情的になってしまうのだが、「もし自分が犯人に仕立てられたら」と考えるところから始めても良さそうな感じで村木さんも書いておられるので、まあいいのか。
周防監督中心の集まりに出席して、一体私に何ができるのかと思ったが、市民、国民の後押しが司法改革につながるということだったので、「そうは言われてもインフルエンサーでもないしなあ」と思いつつ、自分のできることを考えていきたい。 -
Posted by ブクログ
・2009年に『郵政不正事件*』の冤罪によって逮捕された村木厚子さん(元厚生労働事務次官)の体験と調査に基づく現在の刑事司法に関する問題定義
*障碍者団体向けの優遇郵便割引制度適用の為の偽造文書を部下に作成させた疑い(虚偽有印公文書作成・行使容疑)
・自民党の稲田議員の主張や袴田さんの冤罪事件、ReHaQを見ていて、ウシジマくんの「洗脳くん」神堂の言葉を思い出して購入。2026年現在のホットトピックだろう
・逮捕→起訴されるまでの「調査」、裁判が始まってからの「審議」の課題を、検察・裁判官・官公庁の組織・人・業務、の切り口で明示している
・検察の起訴ストーリーに沿って自白を強要され録音録画も残されない調査プロセス、再審請求時の抗告により何十年も審議が継続してしまう審議プロセス、夫々怖すぎると感じた。この本を書いてくださった村木さんに感謝申し上げたい
・もちろん大半の人間には犯罪や冤罪は縁のないものではあるが、ある日突然身に覚えのない容疑を掛けられる可能性はゼロではなく、その時何が起こるか。この本を1回読んでおくだけでその後の行動が全く変わってくると思う
・村木さんの様な超優秀な方だから何とか持ちこたえて無罪を勝ち取れたけど、自分の様な一般人がこんな対応はとても出来ない
・カルロスゴーンの逃亡劇の背景も良く分かった
・「治安の良い日本が何故海外の事例を参考にしなければならないのか」「1人の冤罪よりも10人の真犯人を逮捕することだ」という検察の総論強硬姿勢 vs.個別事案を積み上げた法改正の議論は今後も時間が掛かりそうだけど、議論を深めて納得感のある改正に繋がれば良いと思う
(ちなみに有罪率99.9%は、起訴率30%とセットで見た方が良いとも思う)
・かつての同業の大先輩が法制審に入っておりそこは誇らしい気持ちになった
・現在刑事司法で論点になっていることメモ(5つにまとめておく)
①再審制度の見直し→再審を始めやすくするか
②抗告権の見直し→検察の抗告を制限するか
③取り調べの可視化→録音録画証拠をどこまで示するか(vs.プライバシー?)
④被疑者の権利保護の強化→再審請求中の刑務など
⑤司法全体の信頼性向上