毛利恒之のレビュー一覧

  • 月光の夏

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    特攻隊として、最後にピアノを弾きたいと思って、ピアノを探していた時の特攻隊員の気持ちを思うと、とても苦しくなります。今、平和で自分の夢を追いかけられる事に、感謝の気持ちでいっぱいにもなり、さらに頑張ろうというやる気をも持たせてくれる本です。

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    2020年09月13日
  • 月光の夏

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     夏の本で思い出すのは『月光の夏』という戦争小説。
     
     ある小学校で古くなったピアノを処分することになったが、老年の女性教師がそのピアノにまつわる思い出を語ったことから、一転して、保存することになった。
     
     そのピアノは日本でも数台しかない貴重なものだった。  戦時中、特攻を翌日に控えた二人の音大出身の学徒兵が、この世の名残にどうしてもその貴重なピアノを弾きたいと、遠くからやってきて、生徒たちの前でベートーベンの『月光』を演奏したことがあった。その美しい音色は少年たちの心に、そして若い女性教師のこころに深く刻まれた。
     
     思い残すことのなくなった二人の学徒兵は、翌日勇んで特攻機に乗りこみ

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    2017年08月15日
  • 月光の夏

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    おそらく、戦後の日本には無数の風間氏がいたことだろう。
    戦火の中を生き延びた、ということを喜びではなく一生の十字架として背負っていく。

    読みながら、ずっと頭の中にさだまさしの『戦友会』という曲が流れていた。


    戦地に赴いた無数の若い命も、それを見送った人々も、必死だった。
    それは正しいとか正しくないという尺度とは次元の違う話であり。

    それでも、戦争は悲しい。
    戦没者に敬意を払うならば、簡単に戦争しろ!などと口にすべきではない。
    平和がそんなに軽いものならば、祖国を、大事な人たちを守るためだと信じて運命を受け容れ、戦に散った無数の命が報われない。



    (以下、さだまさし『戦友会』より歌詞

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    2012年05月06日
  • 月光の夏

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    とある地方の小学校に残されている、出撃前の学徒出身の特攻隊員が演奏したというエピソードが残る古いグランドピアノ。これを残そうとする、当時の現場に立ち会っていた元教師と、このエピソードに興味を持ち取材を重ねるラジオ局のスタッフ達。

    史実に基づいたお話(プライバシーに配慮して当事者個人が特定できないようにしている)だそうです。

    数十年たった今でも、まだ戦後は終わっていないのだなぁ。

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    2012年04月18日
  • 月光の夏

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    ネタバレ

    実話を元にフィクション化した作品らしい。
    処分されようとしているピアノにまつわる思い出。特攻隊に任命された2名の軍人が戦地に行く前に学校のピアノを弾いていった、そのピアノを処分したくない元音楽教師。その話から膨らんでいく戦争当時の異常な状態そしてそこにかかわる人々の思い・・・
    できすぎた話のようだが、これが作り話であろうと心を打つのは間違いない。
    不覚にも涙してしまった、間違いなく名作

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    2011年10月09日
  • 月光の夏

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    読んだのは小学生の頃ですが、今読むと当初より知識が増えた分面白みが深まりました。
    テーマは重たいですが、(確かですが)実際にあったことが元となっているので戦争・特攻隊関係の本を読みたい方にお勧めしたい一冊です。

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    2009年11月11日
  • 月光の夏

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    自分もピアノを弾くのでより感情移入してしまった。夢多き若者たちが、それを心の奥にしまいこみ、次世代の私たちの為に命を落としていった。特攻隊など、今考えてみればバカとしか言いようが無い作戦ではあるが、彼らの命、生き方、強さ、後世までしかと伝えていかなきゃいけないよね。二度とこんなこと起こしちゃいけない。そんなこと個人で考えれば皆分かるはずなのに。。地球に平和が訪れるのはいつの日か。

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    2009年10月04日
  • 月光の夏

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     目頭が熱くなりっぱなしだった。
    特攻前日に
    「死ぬ前にピアノを弾かせて下さい」
    と特攻隊員二人が鳥栖の国民学校を訪れ小学生の前でベートーベンの「月光」を奏でる。その後南の空へ出撃していった…
    どんな想いで今生最後のピアノを弾いたのだろうか。今の世の中ならもっとピアノも弾けたし、立派なピアノ奏者になっていたかもしれない。
    演奏後、子供達に言った言葉が心に残ります。「僕も特攻隊に行きます。」と言った男の子に「おまえたちがいかなくていいように兄ちゃん達が行くんだよ。おまえたちが大人になるまでこの国を残すために兄ちゃん達は死ぬんだからね。」特攻隊の方々は皆こういう気持ちで旅だったのだろう。
    そしてど

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    2025年09月06日
  • ユキは十七歳、特攻で死んだ

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    「どうして十七歳で
    特攻で死んでゆかねばならなかったのですか。」
    「少年飛行兵とは、なんなのですか。」
    その真っ直ぐな質問に応えた本。

    「わが子の名を呼び、母は哭いた。」
    「明後日の新聞が見たいなぁ。」
    平和の貴さ、いのちの重さ。

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    2025年08月05日
  • 月光の夏

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    ジャンルは小説としたが、ほぼ事実を基にしたドキュメンタリー小説。特攻前日に、ピアノが弾きたいと小学校を訪れた特攻隊員2名。その2名を、平和が訪れた戦後数十年後に捜し出そうと、メディアやルポライターが色々トライするも中々条件に一致した人が見つからない。

    最初にも書いたように小説というよりかは、ドキュメント。特攻隊員の中でも特攻に失敗して、戻ってきた隊員は懲罰のような待遇で専用の寮に入れられていたことは知らなかった。

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    2023年12月20日
  • 月光の夏

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    ネタバレ

    鳥栖の小学校にある、古ぼけたグランドピアノ。
    今はもう誰も弾くことはなく、粗大ごみとして捨てられようとしていた。
    元々は昭和5年鳥栖町婦人会の母親たちが「子どもたちに美しい音楽を」とお金を出し合いドイツに注文して取り寄せたピアノだった。
    そして、出撃間近の特攻隊員が、ピアニストになる夢を持っていた若者たちが、最後にピアノを弾きたいとわざわざ訪ねて弾いて行ったものだった。

    なんとかピアノを残してほしいと、特攻隊員たちに対応した女性が話したことで、それはラジオドキュメンタリーとなり、映画となり、この作品となったのだそうだ。

    最初に小学校の児童たちの前で話した時は「感動した」という感想が多買った

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    2020年11月22日
  • 月光の夏

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    鳥栖小学校の古いグランドピアノの廃棄処分が決まった。
    年配の教師吉岡は、そのピアノを前に、45年前の特攻隊員の話を語った。

    『永遠の0』など、特攻隊の話はいくつか読みました。
    突撃に失敗したり、機械不良などで不時着したり、戻ってきたりした隊員がいた事もそこで知りましたが、振武寮の存在とその意味は今回初めて知りました。
    どの話を読んでも、戦争の不幸ばかりを知らされる思いです。

    様々な事実を知らな過ぎた私は、更に学ぶ必要があると思います。
    そして、多くの人にも知ってもらい、このような不幸が再び起こることがない世の中を皆で作り続けていかなければならないと改めて強く思います。

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    2018年08月28日
  • 月光の夏

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    知覧の特攻平和会館に行く度に、館内の売店で関連の本を一冊買うことにしている。
    この時は、ちょうどピアノが展示されていた。

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    2015年10月20日
  • 月光の夏

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    他の曲ならともかく「月光」ってだけで星プラスです。特攻隊に月光…とりわけ第三楽章なんてどれだけピッタリなの。
    事実を元にした小説。「月光」を弾いていった特攻隊員がいたという部分は事実。出来すぎだもの、ガセだと思われたのも頷ける。
    しかし戦中と戦後の意識の変わり方はすごいね。意識の内容は変わったけど意識の在り方は変わってないね。戦後も結局否定を盲信。

    振武寮のことは知らなかったな。暗部だ。

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    2011年08月29日
  • 月光の夏

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    泣けました。特攻隊として散っていった人達がほとんど私と同い年か、私より若くて。
    遺書の部分は本当にキツイです。

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    2010年12月26日
  • 月光の夏

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    まずタイトルが好きです。で、内容は太平洋戦争物で、ちょっと甘いものの、とても真摯な文章で、一気に読ませてくれます。
    そして、泣けました。良かった。

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    2009年10月04日
  • 月光の夏

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    弟が買ったものの挫折、ということで貰った本。最近何故だか戦争小説と縁があるらしい。
    でも、何だかやりきれないね、やっぱり。
    信じる・信じないは自由なんだけどさ。でも私は事実だったと信じたいなぁ。

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    2009年10月04日
  • 月光の夏

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    鳥栖市の小学校に残る古いグランドピアノには、誰にも語られてこなかった悲しい過去があった。太平洋戦争末期の夏のある日、特攻出撃前の兵士が現れて〝月光〟の曲を弾いたというのだ。廃棄されようとしたそのピアノを救おうと、当時の現場に立ち会った女性がその過去の出来事を語り始める。初めて語られた秘話はラジオで放送され反響を呼ぶが、実際にピアノを弾いた兵士は不明のままだった‥‥。事実を基にしたドキュメンタリー小説で、生き残ってしまった特攻兵士の苦悩が胸を打つ。戦争の闇の部分にも深い怒りを覚えた。

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    2024年09月21日
  • 月光の夏

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    太平洋戦争末期、九州のある国民学校でベートーヴェン「月光」を弾いて出撃していった特攻隊員を巡る、ジャーナリストや元特攻隊員、国民学校の元教師の実話を小説化。
    特攻ってこともそうだけど、特攻隊員が弾いたピアノを巡る戦後の一連の「現象」の小説化といってもいい。戦争の、特攻の歴史を残し、伝えるために動いた人たちの物語。
    振武寮っていうのは初めて知った。
    知覧は、考えるために一度は行ってみたいと思った。

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    2017年01月04日
  • 月光の夏

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    この手の話は読まずにいられない。
    読みながらずっと涙目。
    外で読んじゃまずかったです(笑)
    実話を元にした半ドキュメント。
    作品の中で、この話を聞いた時の
    子供たちの感想が素晴らしかったです。
    若い世代にぜひとも読んでほしい作品でした。

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    2012年07月27日