大村敦志のレビュー一覧
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動物を軸にした法律入門。といっても動物愛護法だけとかじゃなく、権利や契約や財産、戸籍といった法律の基本概念そのものに発想をなじませるための本といったところ。
動物は自然に考えると明確に命だが、法律的には物で、でも動物愛護法からも分かるようにただの物じゃなくて……とかなり特殊な存在かつ日常的でありふれてもいるので、そこを起点に話しのフックにするというのはなかなか賢い。
今ある法律の解説というよりその法律のバックボーン、基本理念そのものの話なので詳しい人には退屈かもしれないけど「権利とか契約とか言葉すら聞いたことがない、あるいは日常的な用法との違いがわからない」という人にとってはかなりいい本だと思います。ただ軽くしようとしすぎてから回ってる感じは少しあるかも。
娘との対話調と言っても実際に娘と対談したわけじゃないんじゃ?と思ったら本文チェックにガッツリ本当に娘さんの意向が反映されてるらしい。えっじゃあ本当にこんなちょっとマウント取ってくるウザキャラだったのか。 -
Posted by ブクログ
これから一般人となる義務教育・高校生には、是非読んでもらいたい本。
結法は網目のように張り巡らされていて、生活の全てであるともいえる。あらゆることが、何らかの法律に結びついている。
それだけに、法の存在意義への疑問や、法の内容への疑問は当然に浮かぶもののように思われる。しかし、法律とはあまりにも当たり前の存在である。したがって、そんな疑問さえ浮かばないのも無理からぬ態度である。
本書は、そこのところの意識を刺激して、法律の基礎の基礎のところを教えてくれる。
大村先生がこういう本を出しておられるとは、まったく知らなかった。
ただし、対話編形式なので、読みつけていない人は苦しいかもしれない。
また、取り扱っている内容に比して語り口が緩めで、そのギャップから読みにくさを感じることもある。 -
Posted by ブクログ
学生時代、内民を読んでわかった気になり、その後大村民法を読むと覆されて理解がガタガタになり、結局民法に苦手意識だけが残った私でも読めた。同じテーマでここまで違う話が書けるのが素晴らしい。
本筋ではないが各国の民法改正の経緯が説明されており、オランダとケベックがフランス法を参考にして独自の発展を遂げ、抽象的な人の概念を超えた特定の人=消費者が登場するという点、目から鱗だった。だからケベックが消費者保護が相当厳しかったり、オランダの個人情報保護法が緩そうなイメージの割に結構厳しかったりするんじゃないだろうか。と、一人で勝手に納得。
全体としては、今回の民放改正が、というよりも人が人としての尊厳を保障されて人間らしく生きて行くために、法として何ができるのか、を考えさせる本と言う意味での「民放改正を考える」だと思った。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
わたしたちの生活を支えている「法」の仕組みはどうなっているのかを、法学者のお父さんが高校生の娘と対話をしながら探っていく。
身近な話題をきっかけに、楽しみながら法の基本的な考え方を理解できる入門書。
[ 目次 ]
前 夜 中高生のための法教育
――犬も歩けば法にあたる
第1夜 名前があるのは何のため?
――我輩は猫である
第2夜 落し物か捨て子か
――まいごのこねこちゃん
第3夜 親子であるには?親子であれば?
――ぞうさん
第4夜 飼主の死後の動物
――忠犬ハチ公
第5夜 動物を殺してはいけない?
――ねこふんじゃった
第6夜 動物の取引
――ある晴れた昼下がり
第7夜 迷惑を防ぐ飼主の責任
――101匹わんちゃん
第8夜 野生動物を捕獲する
――森のくまさん
第9夜 児童の虐待・動物の愛護
――ねこを紙袋に押し込んで
第10夜 飼主の移動の自由
――盲導犬クイール
第11夜 コンパニオン・アニマルって何?
――とっとこハム太郎
第12夜 動物と共存する
――アマミノクロウサギ
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
ネタバレスポーツで人生を学ぶ。
スポーツのルールは競技を面白くするためにある。スポーツを通じて学べるスポーツマンシップは、人生をよく生きることにもつながる。スポーツをする人にプロとアマチュアがいるように、そして見る人がいるように、法律もプロとして使う人とアマチュアとして使う人、そして裁判などをメディアを通じて知る人がいる。スポーツに参加することに意義があると言われるように、アソシエーションに参加して組織を作ったり運用したりすることは、民主主義を学ぶのに有用だ。
サッカーW杯やWBC、オリンピックだけでなく、Jリーグやプロ野球、大相撲、甲子園、インターハイや国体、または運動会やクラブ活動など、日本の多くの人が何かのかたちでスポーツに関わっている。だからスポーツから法を考えるのはよい切り口だと思った。 -
Posted by ブクログ
ほんとうに入門書というか、
「法」というものに対しての導入部分での父娘の議論という感じで、
初心者の地固めにはいい感じ。
全編通して、犬などの動物を話題にあげながら考えていく形式です。
これまでモヤモヤしていたところをはっきりさせてくれたのが、
親が子どもに対して暴力をふるうことについてでした。
過度ならば虐待と言われるけれど、
そうでなければ懲戒権としての体罰はありなんだですねえ。
あくまで「親が」であって「先生が」でも「隣の家のおじさんが」でもない。
子どもを叩くのは嫌だけど、
そうでもしないと言うことをきかない場合がありますよね。
こそこそ隠れて陰湿に仕置きではなくていいのです(そっちこそ怖いですが)。
また、最後には、権利についての問いかけ、考察があります。
権利を増やしていくことがより自由を生んでいくという考え方があったりしますが、
本書ではそういうのではなく、
権利というものも言葉の上では「権利」で一緒ですが、
スケールが違う「権利」があることを明らかにしています。
上位概念の「権利」と下位概念の「権利」があり、
たとえば、上位概念は憲法とか大きくて深いところでのルールと関係する「権利」。
下位概念は、町内会の規則だとか、アパートの規則だとかと関係する「権利」。
たとえばですが、流行した欅坂46の『サイレントマジョリティー』で歌われている自由についてでも、
そういう権利はあるけれど、守らなきゃいけないルールがあるってこととリンクします。
僕は法律にうといというか、勉強したことが無いので、
バリアフリー法も障害者基本法もしらなかったし、
動物愛護法も名前だけしかしりませんでした。
この入門書を契機に、今後、すこし法関係の本にも手を出していこうと思っています。
500年くらい前のイギリス人・ホッブズは、
人間がほんとうに自由な状態でいれば、
それは闘争状態になるのだと言いました。
だからこそ、法律が必要になるってところに繋がります。
人間って、自分に対する善のために行動しますけれども、
それが他人にとっては悪でってことは頻繁にあって、
だからこそ性善説では割り切れないと常々思うところなんです。
そもそも、性善説は生まれたときには善だったという意味だろうし、
オトナになった人には適用できないものでもあるでしょうし、
オトナも善なんだって解釈にするのであれば、
法律なんてこの世には存在しなくてよくなります。
というように、法って大事だなあと。
若い頃はルールなんて無視だ!っていう姿勢に憧れもあったくらいで、
それはそれで、音楽を作ったりというクリエイティブな作業の位相では
意味のあることだったかもしれないですけれど、
他の位相でも混同してしまうとすごく厄介で、
そういうところはいい歳になったら分別をもっていたいところです。 -
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ほぼ同時期に、内田貴氏も『民法改正』(ちくま新書)を出版しているので、二冊をほぼ同時に読んで、比較検討してみた。
内田氏は、民法改正を債権だけに絞って、絞るがゆえにそれまでの経緯、そしてその後のことをストーリーをもって説明し、その上で民法改正の必然性を理論づけているように感じた。
それに比べて、本書の方は民法の歴史的に、地理的に(ドイツ、フランス、東アジア)等などを比較することで、民法という法律についての分析を行い、その上での改正をするための手続き等を詳細に解説している。元々留学生向けの講義を元にしているらしく、その意味では網羅的に解説しているのは本書の方だと思う。
私のように門外漢ならば、「民法改正」(ちくま新書)で、ある程度の民法の改正等の背景等の基礎を学び、本書「民法改正を考える」(岩波新書)でそれらの知識を、歴史的・地理的に整理するというのがよいような気がした。レビューに書かれているように、出版社の意向も反映しているだろう。 -
Posted by ブクログ
スポーツのルールについて考えることで、社会における法のあり方を考えようという趣旨の本。タイトルのまんま。しかし、タイトルから見ると意外に感じるかもしれないのだけれど、本書はスポーツ論も大きな側面の一つに据えている。つまり、スポーツという具体概念から法という抽象概念を導く、というのではなく、スポーツも法も並立して語られているということ。実際、「スポーツとは」という展開も多く見られる。
また、本書には「法教育」のためのテキストとしての側面もある。「岩波ジュニア新書」であることからもわかるように、本書は子どもも読めることに価値を置いている。この本を読んだ子どもが、スポーツという身近な事象を通じて、法に対する態度を育めるように設定された本であるということだ。親子の対話形式で書かれていることも、読みやすさの向上に一役買っている。どうでもいいけど、この親子の会話が殺伐としていて笑える。なんで息子は父を「キミ」と呼ぶのだろう(笑)。
さて、そんなこんなで、話題がてんこ盛りな本であるのだ! その結果、残念ながら内容の読み取りづらさは目立っていた。一方、内容に関しても抽象的な議論も多く、果たして子どもがすんなりと中身を受け取れるのかは疑問。
・・・っていうようなレビューを書こうかなあ、と思いながらこの本の終盤を読んでいたんです。すると、ほぼ同じようなことが「あとがき」に書かれていてビビった! この先読みしていた感がハンパねぇ。やんごとねぇ。
【目次】
読者のみなさんに
第Ⅰ部 スポーツと法の関係を見てみよう
初日 スポーツから法へ
2日目 スポーツにかかわる法
3日目 スポーツを支える法
第Ⅱ部 ルールはどんな性質をもっているのだろう?
4日目 ルールはどこにあるのか
5日目 ルールは何を決めているのか
6日目 ルールは何のためにあるのか
7日目 ルールはどこまでおよぶのか
第Ⅲ部 スポーツは何を求めているのだろう?
中日 競争を考えてみよう
9日目 公平を考えてみよう
10日目 評価の基準は
11日目 国際化すると
第Ⅳ部 スポーツと法から社会を見てみよう
12日目 観客とアマチュアがはたす役割
13日目 クラブは民主主義の学校
14日目 スポーツから裁判を見ると
千秋楽 新しい社会を考える
あとがき
付録1 読書案内
付録2 競技規則入手方法