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現在、法制審議会で民法改正のための議論が進んでいる。なぜ今、民法を変える必要があるのか。どのような手続きで変えるのか。ヨーロッパや東アジアにおける民法改正の歴史、最近の動向も紹介した上で、社会の構成原理としての民法典を根源的に考察する。
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Posted by ブクログ
新書でありながら、民放改正について深く考えさせられる一書だとおもう。債権法の大改正が予定されていることは周知の事実であるとおもうが、なぜ今改正するのかという問題意識がわかりやすい言葉で書かれている。各章ごとのテーマが明確で大変に読みやすい。民法の勉強をしている人、一通り学び終えた人、法学部以外の社会...続きを読む人にもお薦めできる。
学生時代、内民を読んでわかった気になり、その後大村民法を読むと覆されて理解がガタガタになり、結局民法に苦手意識だけが残った私でも読めた。同じテーマでここまで違う話が書けるのが素晴らしい。 本筋ではないが各国の民法改正の経緯が説明されており、オランダとケベックがフランス法を参考にして独自の発展を遂げ...続きを読む、抽象的な人の概念を超えた特定の人=消費者が登場するという点、目から鱗だった。だからケベックが消費者保護が相当厳しかったり、オランダの個人情報保護法が緩そうなイメージの割に結構厳しかったりするんじゃないだろうか。と、一人で勝手に納得。 全体としては、今回の民放改正が、というよりも人が人としての尊厳を保障されて人間らしく生きて行くために、法として何ができるのか、を考えさせる本と言う意味での「民放改正を考える」だと思った。
事業再生関連の改正の目玉を知りたかったのだが、民法とは?という論点が中心の本。法曹関連の方にはいいガイドだと思います。
ほぼ同時期に、内田貴氏も『民法改正』(ちくま新書)を出版しているので、二冊をほぼ同時に読んで、比較検討してみた。 内田氏は、民法改正を債権だけに絞って、絞るがゆえにそれまでの経緯、そしてその後のことをストーリーをもって説明し、その上で民法改正の必然性を理論づけているように感じた。 それに比べて、...続きを読む本書の方は民法の歴史的に、地理的に(ドイツ、フランス、東アジア)等などを比較することで、民法という法律についての分析を行い、その上での改正をするための手続き等を詳細に解説している。元々留学生向けの講義を元にしているらしく、その意味では網羅的に解説しているのは本書の方だと思う。 私のように門外漢ならば、「民法改正」(ちくま新書)で、ある程度の民法の改正等の背景等の基礎を学び、本書「民法改正を考える」(岩波新書)でそれらの知識を、歴史的・地理的に整理するというのがよいような気がした。レビューに書かれているように、出版社の意向も反映しているだろう。
表題通り民法改正の意味を問うことが中心のようだ。財産から人格へ、「人」を中心とした民法を構想するの意図は印象に残った。平成民法の第一の役割は「財産の交換」ではなく「人間性の開花=実現」に寄与することだという。求められるのは人の多様性と尊厳を尊重しつつ「市民」が生きやすい暮らしやすい社会を作り出すこと...続きを読むで国家はそのための調整者としての役割を担うことだという。
おもしろかった。けど自分の知識が不足しているせいで、読んだ後に自分の中に残ったものが少なかった。勿体ない。もっと勉強してまた読み直そう。
日本民法典の構造は「物」が中心であり、むしろ旧民法典が「人」を前提にした構造になっている。人格権を視野に入れ、部分改正も良しとしながらも、根本的な民法改正に踏み切るべきなのでしょう。
民法改正について、東京大学法学部教授の大村敦志先生が書かれた新書です。 比較法的な視点で書かれています。 私は、民法には大陸法と英米法の違いがある程度の漠然としか知識しかないので、本書のような細かな地域・国の民法を比較する視点で解説してもらえるのは有益でした。 もっとも、新書という性格上、広く浅く拾...続きを読むっている感じです。 なお、この本では肝心の日本における民法改正の中身はほとんど分かりません。 予備知識として民法改正自体を知っている人でないと効果半減だと思います。
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