長谷川修司のレビュー一覧
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博士課程の先輩がおすすめしてくれた本。
研究者、大学教員を志したいと思った今に読んでよかった本。
印象に残った言葉
「研究」では、研究者自身の個性や価値観が色濃く反映され、大げさに言えば「自己表現」に繋がる。
自己表現をする方法が欲しいと思っていた自分にとって、とても響いた。
それと同時に、どれほどアカデミアに残ることが大変なのかがわかった。アカデミアに残って何をしたいのか?これを考えない軸を持たない限りは、きっと耐えられないのだろう。それでも、読んでて「この地位に行ってみたい、行ってこうしたい」ってことが思い浮かぶからもう少し頑張ってみようと思えた。 -
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2016年のノーベル物理学賞は、物質のトポロジカル性質解明の先駆けとなる発見をなしとげた3人の研究者に送られた。本書は、人類の物質観を革新するといわれる「トポロジカル物質」の本格的な入門書である。
「はじめに」に、「逃げることなく、(略)真正面から解説し」とあるように、本書は物理の理論的な内容をできる限り誤魔化しなく説明することを目指して書かれている。そのためには当然、かなりの量の前提知識について説明することが必要である。実際、第Ⅰ部と第Ⅱ部はすべてそれに費やされている。これらの部では人類の物質観が時代と共にどのように変遷してきたかが述べられており、個人的にはここだけで本書を読んだ価値があ -
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年の瀬も押し迫るこの時期に今年最高レベルの刺激に出会えた。あまりに面白くて一気読み。歯応えたっぷりの最新学術知識をわかりやすく解説する、まさにブルーバックスの面目躍如と言える一冊だ。「表面物理学」なるサブジャンルが存在するとはついぞ知らなかったが、本書を読むことで量子コンピュータや超伝導といった今日的・近未来的なテーマはもとより、半導体や太陽光発電などのすでに実用化された技術の原理も理解でき、通読すれば全てが一つの線で繋がったような快感を得られると思う。
本書がやや読み手を選ぶ本であるのは確かだ。まず、題名となっている「トポロジカル物質」なるものに具体的に言及が始まるのは終盤、ようやく第 -
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東大大学院の理物に研究室を構える、長谷川先生による著書。
研究者としての心構えや、研究をどのように進めていくか、どのようにキャリアアップしていくかといった事柄が丁寧に説明されており、まさに「研究者として生きていくための教科書」と言える。
長谷川先生自身の経験談や、周囲の研究者のキャリアなどを参考にして書かれた内容であるため、必ずしもすべての研究者に一般的にあてはまる話ばかりではないかもしれない。時代も違うし、研究者を取り巻く環境も変化している。それでも、駆け出しの研究者(?)である自分にとっては、現在の研究を進めていくうえでも、将来のキャリアパスを考える上でも、参考になる話ばかりであった。
ア -
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■学会発表
・学会発表までに原著論文の原稿を書いておくとよい。
論文原稿をほぼ完成させるが、投稿はしない状態で学会発表に臨む。
原稿を書くことが学会発表の事前準備にもなる、自分が見落としていた観点
の質問と議論を原稿に取り入れてブラッシュアップできるというメリットが
ある。
・プレゼンの際は「胸が開く」位置に立つ。聴衆を受け入れているという暗黙
のサインになる。反対に、スクリーンのほうを見る体勢は、聴衆に対して疎
外感や拒絶感を与えてしまう。
※面と向かって顔を見ながら話されると、興味のない内容でも聴衆は思わず
聞き入ってしまう。
★PCの制御機能が付いたレーザーポインター -
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そもそも、トポロジカル。
何これ、である。素材や冶金的な分野はたまに仕事と関係するから読むのだが、トポロジカル??こういうのは哲学分野と似ていて、何階層にも専門用語を重ねるから分かりにくいので調べぬいて理解していく。トポロジカルとは「位相幾何学(トポロジー)の」「位相幾何学に基づく」という意味の英語の形容詞、とある。幾何学とは、空間や図形の話。位相とは波の話。余計わかりにくくなってしまった。ので、一旦離れる。
トポロジカル絶縁体とは、内部が絶縁体なのに表面は金属。多分、この方が理解できる。原理ではなく、特性で覚える。で、何が凄いのか。トポロジカル絶縁体の表面に流れる電流は、エネルギー損失がほ