あらすじ
研究室のボスは、あなたの何を評価しているのか? 理系の若者にとって「研究者」は憧れの職業。先輩や教授といった他人とうまく付き合い、研究室という組織の力を活かすのが、この職業で成功するコツだ。本書は、「学生」「院生」「ポスドク」「グループリーダー」と段階を追いながら、それぞれのポジションでどう判断し、行動すべきか、実例を交えて案内する。研究に行き詰まっている人も、読めばきっとヤル気が出る! (ブルーバックス・2015年12月刊)
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Posted by ブクログ
研究者として大切なポイントを、学部、大学院、ポスドク、教授という全ての立場からみてまとめた本。
この本を読んで、自分は研究者として人生楽しめそうだな、と確信できた。
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学部、大学院生、ポスドク、准教授、PI、教授など段階が上がるにつれての心がけがよく理解できた。また今の教授の立ち振舞も理解できた。
現在、大学院に通っているが、教授から得た言葉は一つずつしっかり覚えメモをためておきたい。
論文にかかれている使えるセンテンスのメモも蓄積しておきたい。
Posted by ブクログ
相談相手が少ない「研究者」という独特な職業のこなし方を客観的にわかりやすく書いた本として、とても愛読している。
たまに「PIは飲み会で学生にビールを注げ」のような「?」のアドバイスはあるが、「研究の独創性は自分で作る」「二番煎じでもいい」「レビューに備えて幅広い文献を引用する」など、申請書ではみられない、研究者の本音の部分が聞ける感じがとても良い。学生目線から教授目線まで網羅的に書かれている。基本的には「日本国内の」話に限っている。
Posted by ブクログ
博士課程の先輩がおすすめしてくれた本。
研究者、大学教員を志したいと思った今に読んでよかった本。
印象に残った言葉
「研究」では、研究者自身の個性や価値観が色濃く反映され、大げさに言えば「自己表現」に繋がる。
自己表現をする方法が欲しいと思っていた自分にとって、とても響いた。
それと同時に、どれほどアカデミアに残ることが大変なのかがわかった。アカデミアに残って何をしたいのか?これを考えない軸を持たない限りは、きっと耐えられないのだろう。それでも、読んでて「この地位に行ってみたい、行ってこうしたい」ってことが思い浮かぶからもう少し頑張ってみようと思えた。
Posted by ブクログ
東大大学院の理物に研究室を構える、長谷川先生による著書。
研究者としての心構えや、研究をどのように進めていくか、どのようにキャリアアップしていくかといった事柄が丁寧に説明されており、まさに「研究者として生きていくための教科書」と言える。
長谷川先生自身の経験談や、周囲の研究者のキャリアなどを参考にして書かれた内容であるため、必ずしもすべての研究者に一般的にあてはまる話ばかりではないかもしれない。時代も違うし、研究者を取り巻く環境も変化している。それでも、駆け出しの研究者(?)である自分にとっては、現在の研究を進めていくうえでも、将来のキャリアパスを考える上でも、参考になる話ばかりであった。
アカデミアに関しては暗い話ばかり耳にするので、このような形で「研究者という職業のいいところ・大変なところ」を正直に書いてくれた本書は良心的だと思う。
海外ポスドクで武者修行もありかもなあ…
Posted by ブクログ
研究者の生活について知りたくて読み始めました。
研究者と言っても組織の人間として、また関心のテーマなども指導教授による中でも自己表現をすることが大事とも
あと財布を持つのは大事ですね
研究費を持ってこれるネタを持ちつつ、小さいネタと大きいネタを並列で、というのもいわゆる言われていることだと確認できました。
Posted by ブクログ
■学会発表
・学会発表までに原著論文の原稿を書いておくとよい。
論文原稿をほぼ完成させるが、投稿はしない状態で学会発表に臨む。
原稿を書くことが学会発表の事前準備にもなる、自分が見落としていた観点
の質問と議論を原稿に取り入れてブラッシュアップできるというメリットが
ある。
・プレゼンの際は「胸が開く」位置に立つ。聴衆を受け入れているという暗黙
のサインになる。反対に、スクリーンのほうを見る体勢は、聴衆に対して疎
外感や拒絶感を与えてしまう。
※面と向かって顔を見ながら話されると、興味のない内容でも聴衆は思わず
聞き入ってしまう。
★PCの制御機能が付いたレーザーポインターを持っておけば、演台の位置に
左右されず、自分のやりやすい「立ち位置」でプレゼンできる。
・自分にとって初めてのテーマで発表するときはポスター発表を選ぶとよい。
その分野の研究者からのアドバイスを期待できる。
・研究発表を聞くとき、それぞれの発表の良い点と悪い点を評価して、はっき
りメモする。下手なプレゼンこそ勉強になり、自分のプレゼンの改善に役立
つ。基調講演や一般講演で内容的に興味がない場合は、その講演をプレゼン
の研究として利用するのもよい。
■研究活動
・重要で大きな研究テーマに取り組む場合は、「小ネタ」の研究も並行すると
よい。コンスタントにアウトプットが見込まれる小ネタ、従来の研究の延長
線上の研究、共同研究などで「日々の糧」を稼ぐ。この副次的な効果として、
自分の研究の幅が広がって研究者としての「引き出し」を増やすことができ
ること、大きなテーマが失敗した場合の保険になること、「小ネタ」が思い
がけず大きなテーマに成長していく可能性があることが挙げられる。
・中心となるテーマに自分の軸足をしっかりと置いて、研究にある程度「筋」
を通しつつ、もう一方の足を様々な方向に踏み出して研究を拡げていく。
・前倒し型自転車操業:研究費の申請書を書くときは、自分ですでにかなり進
めてある研究内容で申請する。その成果の一部を予備実験の結果として紹介
することで、審査員に対する実現可能性の説得力が増す。
■論文執筆
・執筆順序
「研究結果と考察」から書き始める。得られたデータから論文用の図を作る。
いくつかの図を並べてみて、それぞれの図から何が結論できるのかを書き出
してつなげていく(たとえば、主張点に直結するグラフ→主張を補強するた
めのグラフ→主張点の原因を探って議論を一段深めるためのグラフの順)。
「結果と考察」を書いてしまえば、「研究方法」および「結論」のセクショ
ンは自然に書ける。「イントロダクション」は最後に書く。メイン部分が確
定してから書けば、一般的な背景から本研究までのつながりを我田引水のよ
うに効率よく書くことができる。
・査読対応
査読コメントに反論するときは、低姿勢かつholisticを心掛ける。査読者よ
り一段高い視点から、問題の全容を見渡して見解を述べることによって、コ
メントが的を射ていないことを間接的に示す。
・「英作文はするな。良いジャーナルに載っている論文の言い回しをまねろ」
効率が良いだけではなく、まねしながら学ぶことができる。文の構造はその
ままで、言葉だけを入れ替えればいい。
・英語論文を読む中で、良い例文を集めた英語例文集を作るとよい。その際、
イントロダクションで使う例文、方法の説明で使う例文、結果の説明で使う
例文、考察で使う例文、結論で使う例文といったように、セクションごとに
分けて集めるとよい。いずれ、適切な表現がすらすらと出てくるようになる。
Posted by ブクログ
ここまで懇切に書いたマニュアル的指南を読まないと、ロボット的勉強で秀才を証明しようとしている人の多い世代には、研究に必要な人間としての「当たり前教養、スキル」がイメージできないのだろう。
Posted by ブクログ
世の人に研究者はどう見えているのだろう?そもそも研究者になるにはどうすればよいのか。大学で研究する筆者が、その足跡から研究者として何を考えてきたか。がよくわかる。研究者になるには、いくつもの道があるが、さけて通れないマイルストーンがある。研究者はみなそのマイルストーンを事もなげに通りながら進んでいると思ったら大違い。結構大変なのだ。研究者への道筋が、もっとシンプルで分かりやすくなれば、若い学徒も増えていくだろうに。そう考える今日この頃。
Posted by ブクログ
これから研究室に配属される学生は読んだら損はないと思える本でした。
また、研究室には学部生・大学院生・教授・准教授など様々な立場が存在しており、その中でそれぞれがどのような役割があり何を果たせば良いかなどが書かれてあり面白かったです。
研究に対する姿勢や取り組み方も勉強になりました。著者がこの本を書く際に色んな文献を参考にしており、色んな経験をしたから書ける作品だと感じました。
自分自身も色んな文献を読んだり、これから色んな経験をして自分の糧にしたいなと思いました。
Posted by ブクログ
大学生から教授まで、各ステップごとの心構え、そのポジションに何が求められているのか。一度民間企業を経験しているとのことで、大学に残ってエスカレーター式にただ登っていく解説ではなく、色々選択肢を例示している。研究者ってこんな感じなんだ~と気軽に読める。