小五の「木影(こかげ)まひる」は、弟の仲間内から、「守のねえちゃん、こっわーい!」と恐れられている、元気な女の子である。
今回、父親の務める会社の社長の母である、「木影小夜」の遺言にあった、「亡きあとの館長には『十歳以下の女の子』」という条件によって、「木かげ美術館」の館長になった、まひる。
しかし、その美術館は、有名なそれとは異なり、あくまで個人的なものであったり、様々な苦難を経てやって来た、いわゆる一流とは呼ばれない作品たちばかりであった。
『一流の美術品はそうじゃな。じゃが、われらはな。三流、いや、この美術館をはなれたらガラクタあつかいじゃな』
『でも、ガラクタだって木かげ美術館のみんなは、家族みたいなもんだわ』
始めに、まひるのことを元気な女の子と書いたが、その一方で下の弟からは、とても頼りになるお姉ちゃんとして慕われており、それは相手の内面を読むことに、とても長けている優しさも持っているからであり、だからこそ、上記のような思いに駆られて、彼女なりに館長としてどうすべきか、行動する姿に、清々しい爽やかさを感じられたし、「ゆうべ」や、個性的な美術品たちと仲良くなれたのも、彼女にしか気付けないような、細やかなところをよく見ているからであり、こうしたところは、大人が読んでもはっと考えさせるものがあり、さすが柏葉幸子さんだと思いました。
特に、終盤のイーゼルに置かれた絵のエピソードは、一見何も見えないように感じられた絵であっても、その見えない奥に潜む、更に見えない姿を慮ることで導かれた結果には、人間関係における、相手の見えない部分を汲み取ってあげることの大切さを、教えてくれているようにも感じられて、とても印象に残りました。
それから、大人以上に、きっと同世代の方なら、ひらいたかこさんの素朴で楽しい絵柄とともに、ロズゴリー夫人をはじめとした、愛らしくも笑える美術品たちと共に行動する、まひるの思いに引っ張られるように、より夢中になれること間違いありません。
私は私で、本書がシリーズ物であることを知り、続篇も読みたいと思っております。