鴨下信一のレビュー一覧

  • 昭和のことば

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    永六輔、大橋巨泉氏の後輩、久世光彦、阿久悠氏の先輩の鴨下信一氏(S10生まれ)の「昭和のことば」(2016.10)、読んでて何度も膝を叩きました(^-^) 式次第 一全員起立、一国歌斉唱、・・・、一仰げば尊し 懐かしいです。幸福(しあわせ)には、確かに、小さな、ささやかな、平凡な、そんな形容がついてました。大衆から家族へ、そして個人(ひとり)へ。缶詰はご馳走だったw。慎ましい生活、いじらしいほどの遠慮と気づかい。風立ちぬ、いざ生きめやも。プロマイド。柳。もとい。身を粉にして働く。骨身に徹する。松竹梅!

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    2017年03月27日
  • 誰も「戦後」を覚えていない

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    1935年生まれ、鴨下信一さんの「誰も戦後を覚えていない」、2005.10発行です。ここでいう戦後は昭和20年から25年の5年間を指してるそうです。最大の関心事は、飢えないで過ごせるか、そして腹いっぱい食べてみたいの2つだった時代。銭湯に入るときは脱いだ服を風呂敷に入れて結び、浴室から時々覗いて確かめる・・・。一億の日本人が盗み盗まれ、ある意味みんなが総犯人であったような時代。最悪の住宅事情、間借り生活で、監視し監視される生活、息をひそめて暮らす日々。そんな時代、私もなぜか少し覚えています。

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    2017年01月30日
  • 誰も「戦後」を覚えていない [昭和20年代後半篇]

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    清張が「黒地の絵」で描いた朝鮮戦争の時、集団脱走した米兵たちが一般日本国民を暴行した事件とそっくりの事件が沖縄で続いていること、その事件そのものがまるで知られていないこと(にデビュー前の清張が衝撃を受けたことが執筆の動機になった)。
    橋本忍が映画化を企てたが、頓挫したことも併せて思い出した。

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    2013年03月27日
  • 誰も「戦後」を覚えていない

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    美空ひばりの下顎をよく動かす歌い方が英語国民の発声法に近いこと。
    パンパンの服装が米軍将校夫人たちのそれ、さかのぼれば映画「ならず者」のジェーン・ラッセルの男勝りの女の格好だったこと。

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    2013年03月27日
  • 誰も「戦後」を覚えていない

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    ネタバレ

    チェック項目14箇所。戦後の日本・・・盗み(取替え)、すべては盗まず、いいもの一点だけ・・・対策として風呂敷。母親が親戚の米びつから米をかすめ取っている光景を見たときはこたえた。美味しい=腹いっぱい食べる。飢えていても同じものばかり食べていれば食べられない。列車の満員地獄・・・身動きできずに8時間、窓から小便をする男性もいた。昭和20年12月19日、母親に背負われた乳児が満員電車で圧死。間借りの時代の悲劇は台所から起きる、隣人が何を食べているのか?おかずはない、主食は何か?第一回宝くじが昭和20年10月に発売、一枚10円、一等10万円。身分証明にはハンコ、闇市にも販売される。ペイオフ、昭和21

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    2012年10月03日
  • 誰も「戦後」を覚えていない [昭和20年代後半篇]

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    昭和25年から29年までの5年間。
    その後の日本のアウトラインを決めた最重要期なのに、なぜか顧みられず影の薄いこの時代を、世相の硬軟とりまぜてユニークな視点から描く。

    [ 目次 ]
    隣りの国では戦争をしていた―朝鮮戦争と日本人
    イライラ・暴力衝動そして密告―この時期の日本人の心理
    黒い英語とバラ色の英語―この時代の英語について
    「ローマの休日」や「七人の侍」ばかり見ていたわけじゃない―映画はこうだった
    演歌なんかどこを探してもない―音楽の世界
    逆コースの文化たち―歌舞伎・寄席・相撲はいかに復活したか
    ヤンキー~ウェルカムとゴーホーム―進駐軍クラブ、キャンプまわり、呼び屋、そして

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    2011年04月17日
  • 誰も「戦後」を覚えていない

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    玉音放送の時立っていたか否か、買い出し列車がどれほど殺人的な混雑だったか、ラジオでどんな音楽が流れていたのか、等等…
    記録には残らない、筆者の記憶を記しているからこそ、当時の空気が伝わってくる気がする一冊でした。

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    2014年07月15日
  • 誰も「戦後」を覚えていない [昭和20年代後半篇]

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    ネタバレ

    チェック項目7箇所。朝鮮戦争を書いた作品がほとんど見当たらない、戦時中に朝鮮で軍務に服していた旧日本軍人は有力な、頼りになるスタッフだったに違いない、参加させられた日本人は全部国籍を削られ、韓国名になっていた、という(松本清張)。昭和25-29年の日本の政治と社会の印象はイライラ、暴力衝動、密告の怖さ、の3つの言葉に要約される。20-25年、食の時代(食への欲望が中心)、26-30年、衣の時代、31-35年、耐久消費財の時代(洗濯機、冷蔵庫、テレビ)。ファッションそのものが日本の女性の社会的地位を変えた・・・歴史を書くのは男だから重要視されていない?戦後の日本を根こそぎ変えたのはファッションだ

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    2012年10月29日
  • 誰も「戦後」を覚えていない

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    ネタバレ

    本書は、昭和20年の敗戦直後から、朝鮮戦争特需で日本が息を吹き
    返す昭和25年までの5年間の生活感覚を描いたものです。昭和10年
    生まれで、当時ちょうど10歳~15歳の最も多感な時期を過ごした著
    者自身の体験と、放送業界ならではの収集力を生かした資料をもと
    に、「あの頃のこと」が思い起こされてゆきます。

    最初に描かれるのは、盗みの話です。「日本人一億が総犯人だった
    といってもいい」と著者は書きますが、とにかく盗みは普通のこと
    だったそうです。ただし、〈盗む〉とは言わず〈取り換える〉とか
    〈借りる〉という言葉を使う。「そうやって盗みの意識をごまかす
    ことに皆が慣れていた」。そうしないと生きてい

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    2011年11月21日
  • 誰も「戦後」を覚えていない

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    恐らく陰惨なものであろう戦後体験を、陰惨過ぎない程度に、それでいてきっちりとネガティブな経験として書いてある点に好感が持てる。
    当時の食糧難は私には想像できるはずもないのだけれど、食料を巡っての諍いや憎しみといった、決して美談で語るべきでない過去が描かれていることはよく伝わった。盗難が日常化していた件などは、日本人の美徳が如何に幻想に満ちているかを再確認するに充分なエピソード。

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    2011年07月27日
  • 誰も「戦後」を覚えていない

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    食糧難、銭湯、列車の殺人的混雑、間借り、闇市、預金封鎖、ラジオ文化など、日本の最も長かった「誰もが忘れかけている」あの五年間を、常識破りの視点からふり返る。

    [ 目次 ]
    風呂と風呂敷―それを盗みとは言わない
    敗戦のレシピ―代用食を美味しく食べる方法
    殺人電車・列車―混雑と衝動
    間借り―監視し監視される生活
    闇市―ヤクザは隣人
    預金封鎖―ペイ・オフは昔からあった
    何であんなに寒かったんだろう―気象と犯罪・災害
    シベリヤ抑留―64万人の拉致
    玉音放送
    美空ひばりへの愛憎―日本の心とアメリカへの憧れ
    復員野球―幻影も一緒にプレーしていた
    肉体の門―性と解放
    何を信じたらいいの?―漢

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    2011年04月17日
  • 誰も「戦後」を覚えていない

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    その時の庶民の生活の記録は、歴史書には書かれないが重要なことだと思う。戦時下には天気予報が国家秘密だったとか、戦後の国語教育が混乱したとか。著者の実体験だけに実に鮮やか。

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    2011年03月19日
  • 誰も「戦後」を覚えていない

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    価値観が大きく変わった直近の時期を教えてくれる。想像がつく、証言のウラが取れるだけに、歴史観とかの視点の持ち方に大いに参考になる。著者はクリエイターの大先輩でいらっしゃるし・・・。

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    2009年10月04日
  • 誰も「戦後」を覚えていない

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    戦後間もない時期の日本史について書かれた本。教科書や専門書に出てくるようなものではなく、もっと生活に直結した、そして同世代的な視点でかかれたさまざまなテーマについて書かれている。

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    2009年10月04日
  • 誰も「戦後」を覚えていない

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    戦後のさらに直後についての話を読んだこともなければ、あまり調べることもなかったので、

    ラジオ、野球、電車、歌、など割と現代に馴染みのあるものたちの当時を知れて面白い。ちょっと当時を覗き見するきぶんで

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    2022年04月25日
  • 誰も「戦後」を覚えていない [昭和20年代後半篇]

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    戦後の社会史の中でも、庶民の生活史に焦点を当てた一冊。

    朝鮮戦争から、庶民の娯楽である歌舞伎、その間のGHQによる内容の改変、歌謡曲、ジャズ、昨今の芸能事務所の創設者、ホリプロ、ナベプロもここから始まっているなどなど、その他、映画に、進駐軍に、文学にと。

    日本人の悪い癖、所謂アメリカナイゼーションの走り、現代にまでその潮流は脈々と刷り込まれている。
    レッドパージの頃の密告の章を読んでると、政府はこれ正に今再び繰り返そうとしてるね。恐ろしいよ。

    読物としては、中々面白い。
    とは言え、タイトルが誰も覚えていないなんて書かれてるけど、赤提灯やスナックなんかで飲んでると、割と年配のジイさんバ

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    2017年11月11日
  • 昭和のことば

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    正確、正直、正当、正義など、抽象概念の「正」は今も生きているが、いわばリアルな「正」の字が、平成に入り消えつつある。たとえば正札、正貨、正味といった言い方。正味というのは味のことを言うのではなく、入れ物や目減りを除いた中身の分量を意味する言葉。こんな言い回しが滅びつつある。昔なつかしい飲み屋の正一合もなくなった。俗語だが、正肉、正油といった混ぜ物がないことを意味する表現も今は影さえ見えない。正客、正字(略語の対)、正座、正賞(芥川賞の正賞は時計。)などもほとんど聞かなくなった。正が廃れ、不純、不倫が純粋、倫理を押しのけて跋扈している。言葉は現実を映す鏡。「正」の文字が日々排除されていく現実はま

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    2017年06月03日
  • 昭和芸能史 傑物列伝

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    鴨下信一氏の「昭和芸能史 傑物列伝」、2013.9発行です。国民栄誉賞を受賞した芸能人6人、長谷川一夫、美空ひばり、藤山一郎、渥美清、森光子、森繁久彌(受賞順)について、著者が伝記的に綴ってます。国民栄誉賞といえば、1977年に作られ、23人と一団体が受賞しています。受賞された方はそれぞれ受賞に値する素晴らしい方と思いますが、没後の受賞が多いのと評価基準がよくわからないですね。イチローのように2度も辞退した人もいるし。さて本作の方ですが、歌の上手な美空ひばりさん、人柄も歌も大好きな藤山一郎さん、昭和でした

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    2016年10月27日
  • 誰も「戦後」を覚えていない

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    例えば、太宰や織田作之助らが生きた敗戦直後の副読本として興味深い。時代下って、思えば闇市のことも、シベリヤ抑留のことも、いつしか年表的知識になってしまっている。

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    2014年03月02日
  • 誰も「戦後」を覚えていない [昭和20年代後半篇]

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    日本史の中でもスポットライトがなかなか当たらない、昭和26年から29年の出来事を同時代的な視点からかかれたもの。

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    2009年10月04日