鴨下信一のレビュー一覧

  • 昭和のことば
    永六輔、大橋巨泉氏の後輩、久世光彦、阿久悠氏の先輩の鴨下信一氏(S10生まれ)の「昭和のことば」(2016.10)、読んでて何度も膝を叩きました(^-^) 式次第 一全員起立、一国歌斉唱、・・・、一仰げば尊し 懐かしいです。幸福(しあわせ)には、確かに、小さな、ささやかな、平凡な、そんな形容がついて...続きを読む
  • 誰も「戦後」を覚えていない
    1935年生まれ、鴨下信一さんの「誰も戦後を覚えていない」、2005.10発行です。ここでいう戦後は昭和20年から25年の5年間を指してるそうです。最大の関心事は、飢えないで過ごせるか、そして腹いっぱい食べてみたいの2つだった時代。銭湯に入るときは脱いだ服を風呂敷に入れて結び、浴室から時々覗いて確か...続きを読む
  • 誰も「戦後」を覚えていない [昭和20年代後半篇]
    清張が「黒地の絵」で描いた朝鮮戦争の時、集団脱走した米兵たちが一般日本国民を暴行した事件とそっくりの事件が沖縄で続いていること、その事件そのものがまるで知られていないこと(にデビュー前の清張が衝撃を受けたことが執筆の動機になった)。
    橋本忍が映画化を企てたが、頓挫したことも併せて思い出した。
  • 誰も「戦後」を覚えていない
    美空ひばりの下顎をよく動かす歌い方が英語国民の発声法に近いこと。
    パンパンの服装が米軍将校夫人たちのそれ、さかのぼれば映画「ならず者」のジェーン・ラッセルの男勝りの女の格好だったこと。
  • 誰も「戦後」を覚えていない
    チェック項目14箇所。戦後の日本・・・盗み(取替え)、すべては盗まず、いいもの一点だけ・・・対策として風呂敷。母親が親戚の米びつから米をかすめ取っている光景を見たときはこたえた。美味しい=腹いっぱい食べる。飢えていても同じものばかり食べていれば食べられない。列車の満員地獄・・・身動きできずに8時間、...続きを読む
  • 誰も「戦後」を覚えていない [昭和20年代後半篇]
    [ 内容 ]
    昭和25年から29年までの5年間。
    その後の日本のアウトラインを決めた最重要期なのに、なぜか顧みられず影の薄いこの時代を、世相の硬軟とりまぜてユニークな視点から描く。

    [ 目次 ]
    隣りの国では戦争をしていた―朝鮮戦争と日本人
    イライラ・暴力衝動そして密告―この時期の日本人の心理
    ...続きを読む
  • 誰も「戦後」を覚えていない
    経験の重みは論理に勝る、というのは、歴史を考えるときにこの肌感は非常に大切で、そうでないと語ることができない、しかし時間が経つごとに語れる人は絶対的に減少する。テレビマンとしてあらゆる資料に目を通し積み重ねた知識を重ね合わせ、我々が映像で見るだけでは知り得ない時代の空気が迫力をもって伝わるのは、職業...続きを読む
  • 誰も「戦後」を覚えていない
    玉音放送の時立っていたか否か、買い出し列車がどれほど殺人的な混雑だったか、ラジオでどんな音楽が流れていたのか、等等…
    記録には残らない、筆者の記憶を記しているからこそ、当時の空気が伝わってくる気がする一冊でした。
  • 誰も「戦後」を覚えていない [昭和20年代後半篇]
    チェック項目7箇所。朝鮮戦争を書いた作品がほとんど見当たらない、戦時中に朝鮮で軍務に服していた旧日本軍人は有力な、頼りになるスタッフだったに違いない、参加させられた日本人は全部国籍を削られ、韓国名になっていた、という(松本清張)。昭和25-29年の日本の政治と社会の印象はイライラ、暴力衝動、密告の怖...続きを読む
  • 誰も「戦後」を覚えていない
    本書は、昭和20年の敗戦直後から、朝鮮戦争特需で日本が息を吹き
    返す昭和25年までの5年間の生活感覚を描いたものです。昭和10年
    生まれで、当時ちょうど10歳~15歳の最も多感な時期を過ごした著
    者自身の体験と、放送業界ならではの収集力を生かした資料をもと
    に、「あの頃のこと」が思い起こされてゆきま...続きを読む
  • 誰も「戦後」を覚えていない
    恐らく陰惨なものであろう戦後体験を、陰惨過ぎない程度に、それでいてきっちりとネガティブな経験として書いてある点に好感が持てる。
    当時の食糧難は私には想像できるはずもないのだけれど、食料を巡っての諍いや憎しみといった、決して美談で語るべきでない過去が描かれていることはよく伝わった。盗難が日常化してい...続きを読む
  • 誰も「戦後」を覚えていない
    [ 内容 ]
    食糧難、銭湯、列車の殺人的混雑、間借り、闇市、預金封鎖、ラジオ文化など、日本の最も長かった「誰もが忘れかけている」あの五年間を、常識破りの視点からふり返る。

    [ 目次 ]
    風呂と風呂敷―それを盗みとは言わない
    敗戦のレシピ―代用食を美味しく食べる方法
    殺人電車・列車―混雑と衝動
    間借...続きを読む
  • 誰も「戦後」を覚えていない
    その時の庶民の生活の記録は、歴史書には書かれないが重要なことだと思う。戦時下には天気予報が国家秘密だったとか、戦後の国語教育が混乱したとか。著者の実体験だけに実に鮮やか。
  • 誰も「戦後」を覚えていない
    価値観が大きく変わった直近の時期を教えてくれる。想像がつく、証言のウラが取れるだけに、歴史観とかの視点の持ち方に大いに参考になる。著者はクリエイターの大先輩でいらっしゃるし・・・。
  • 誰も「戦後」を覚えていない
    戦後間もない時期の日本史について書かれた本。教科書や専門書に出てくるようなものではなく、もっと生活に直結した、そして同世代的な視点でかかれたさまざまなテーマについて書かれている。
  • 誰も「戦後」を覚えていない
    戦後のさらに直後についての話を読んだこともなければ、あまり調べることもなかったので、

    ラジオ、野球、電車、歌、など割と現代に馴染みのあるものたちの当時を知れて面白い。ちょっと当時を覗き見するきぶんで
  • 誰も「戦後」を覚えていない [昭和20年代後半篇]


    戦後の社会史の中でも、庶民の生活史に焦点を当てた一冊。

    朝鮮戦争から、庶民の娯楽である歌舞伎、その間のGHQによる内容の改変、歌謡曲、ジャズ、昨今の芸能事務所の創設者、ホリプロ、ナベプロもここから始まっているなどなど、その他、映画に、進駐軍に、文学にと。

    日本人の悪い癖、所謂アメリカナイゼー...続きを読む
  • 昭和のことば
    正確、正直、正当、正義など、抽象概念の「正」は今も生きているが、いわばリアルな「正」の字が、平成に入り消えつつある。たとえば正札、正貨、正味といった言い方。正味というのは味のことを言うのではなく、入れ物や目減りを除いた中身の分量を意味する言葉。こんな言い回しが滅びつつある。昔なつかしい飲み屋の正一合...続きを読む
  • 昭和芸能史 傑物列伝
    鴨下信一氏の「昭和芸能史 傑物列伝」、2013.9発行です。国民栄誉賞を受賞した芸能人6人、長谷川一夫、美空ひばり、藤山一郎、渥美清、森光子、森繁久彌(受賞順)について、著者が伝記的に綴ってます。国民栄誉賞といえば、1977年に作られ、23人と一団体が受賞しています。受賞された方はそれぞれ受賞に値す...続きを読む
  • 誰も「戦後」を覚えていない
    例えば、太宰や織田作之助らが生きた敗戦直後の副読本として興味深い。時代下って、思えば闇市のことも、シベリヤ抑留のことも、いつしか年表的知識になってしまっている。