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日本の言葉の大量死が始まった!
帰郷、大衆、あなた、かまう、しらじらしい、巴里、わが町、お前ら、出世、元気、叙情、もとい、ヱ・・・・・・。
昭和の時代まで生き生きと使われたあの言葉、この言葉は、いったいどこへ消えたのか。
「岸辺のアルバム」「ふぞろいの林檎たち」など、数々の名作ドラマを演出した名ディレクターが綴る、ささやかだが愛すべき言葉の記録。
『文藝春秋』の人気コラムが待望の新書化!
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Posted by ブクログ
正確、正直、正当、正義など、抽象概念の「正」は今も生きているが、いわばリアルな「正」の字が、平成に入り消えつつある。たとえば正札、正貨、正味といった言い方。正味というのは味のことを言うのではなく、入れ物や目減りを除いた中身の分量を意味する言葉。こんな言い回しが滅びつつある。昔なつかしい飲み屋の正一合もなくなった。俗語だが、正肉、正油といった混ぜ物がないことを意味する表現も今は影さえ見えない。正客、正字(略語の対)、正座、正賞(芥川賞の正賞は時計。)などもほとんど聞かなくなった。正が廃れ、不純、不倫が純粋、倫理を押しのけて跋扈している。言葉は現実を映す鏡。「正」の文字が日々排除されていく現実はまことに嘆かわしい。
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